【人狼ゲーム】狂人を引いたら積極的に役職を騙ってみよう【主に初心者向け】

こちらでは初めまして。ほしゆめです。
「アルティメット人狼」というコンテンツを機に人狼ゲームの存在を知り、自身でも人狼ゲームを遊ぶようになってからはや5年が経ちました。

今回は人狼ゲームについて日頃考えていることを文章化してみたいという衝動に駆られたので、「初心者には、狂人を引いたら積極的に騙って欲しい」というテーマでつらつら自己満足の文章をしたためてみようと思います。

なお以下の文章では、所謂「アルティメットルール」「ア式」などと呼ばれる、【13人村、人狼3・狂人1・予言1(初日白通知)・霊媒1・ボディガード1(連続護衛なし)・村人6】のルールを想定しています。


人狼ルームで使用されている狂人のカード。右はルームGM阿部さんモチーフ。かわいい。

1.はじめに

狂人を引いて狼をサポートする時の動きとして、基本的に以下の2択が挙げられます。
・予言または霊媒を騙る
・潜伏狂人として動く
(※話を単純化するため、ボディガードを騙るケースは今回想定しません。)

筆者は普段狂人を引いた時、カードを見た瞬間から騙りのプランを練り始めます。要は単細胞
そして議論時間が始まってから状況を見つつ、予言騙りから霊媒騙りに切り替えたり、速攻で真狼-真狼になった時などの騙りにくい状況である場合は潜伏狂人を選択するというムーブをしています。

一方、他のプレイヤーが狂人を引いた時を見ていると、主に初心者の方が狂人としてどう動くか迷ってしまい、結果的に騙らないまま狼をサポートする動きができず、「ニート狂人」になってしまっているケースが一定数見受けられます。そういう方を見るたび、少々もったいないなぁと思いつつも、人狼が誰かわからず対応に悩んだんだろうなぁとほっこりとした気分にもなります。

ですが、特に初心者が狼をサポートするためには「潜伏狂人よりは、役職を騙る方が楽」であると思います。
なぜそう言えるのか、それによる懸念点にどう対処するか、少々長くなりますがよろしければ是非お付き合いください。


2.狂人が役職を騙ることの意味


人狼TLPTの看板役者であり人狼ルーム専属プレイヤーでもあるメイソン(石井由多加)さんは、かつて「狂人は嘘ついてくれるだけでいい」という旨のことをおっしゃっていたそうです。

この言葉の意味を自分なりに咀嚼してみましたが、「『狂人が騙る』という行為そのものが、人狼にとって有利な展開に繋がる」と言い換えることができるのではないかと考えました。
その具体的な意味は、以下のように説明できるのではないかと思います。

2-1.人狼に狂人位置を知らせ、人狼が持つ情報量を増やす


「狂人がこうなってしまうと、人狼陣営からしたら非常にマズい」ことが1つあります。

それは、狂人が狂人(位置)と人狼に認知されないまま、いち村人として人狼に襲撃されてしまうことです。
(※「漂白噛み」「ベグ噛み」等、戦略的に狂人や狂人候補を襲撃するケースは除きます。)

基本的に、村人3人を処刑すれば人狼の勝利ですが、狂人を襲撃してしまうと人狼が勝つために処刑しなければならない村人の人数が4人に増えてしまいます。単純に人外票が減ってしまうというデメリットもありますが、狂人襲撃がご法度である最大の理由はここにあります。
(※処刑回数に関する細かい話は、ここでは割愛します。処刑回数について細かい話がわからない方も、まずは上記の結論だけ理解していただければ十分!)

狂人は襲撃されることを避けるため、所謂「狂アピ」をしなければなりません。
例えば真霊媒と人狼が霊媒COしている場合ならば、「グレー投票したい!」と言いさえすれば、狂人候補として人狼の襲撃対象から外れます。
このように盤面を利用できるときは狂アピもさほど難しくなくなりますが、役職COが全くない状況では自分が狂人であることを伝えにくくなります。

そこで、狂人が主体的にでき、かつ人狼に容易に伝わる「狂アピ」として、役職COするという選択肢が浮上してきます(僕は、役職COも「(襲撃されないための)狂アピ」の一種だと思っています)。
狂人が役職COすれば、人狼目線だけ「狂人が役職COに動いた」という情報が増え、狂人が襲撃されるリスクも一気に減少します。その上、人狼が狂人位置を把握したことで、人狼にとって最低1狼が逃げ切るゲームプランを組む手助けにもなる、と考えることができます。

2-2.真役職の動きを制限する

真役職は村の信頼を得つつ多くの結果を残して村の勝利に貢献したいため、初日議論の序盤に安易にCOせず、適切なタイミングを計ってCOすることが非常に多いです。

役職COが一切ないまま初日の夜を迎えた場合、人狼には「狂人襲撃を避けつつ、できれば真役職を襲撃する」ことが求められます。
狂人を襲撃してしまうと前項の通り悲惨、狂人が襲撃されなかったとしても真役職を抜けていない場合は真役職の結果がより多く残り、それは人狼にとっての足枷になってきます。

一方で、例えば初日に狂人が率先して予言を騙った場合は、真予言の「適切なタイミングでCOしたい」というプランは、修正を余儀なくされます
というのも、対抗の人外がCOしているのに下手に潜伏していると、1確している狂人でGJが出ることを避けるための襲撃で真予言である自分が抜かれるリスク、またいざ遅れてCOした際に潜伏理由を問われたり、潜伏を理由に偽目に見られてしまうというリスク、という2つのリスクがあるからです。
それを嫌って炙り出される形で真予言がすぐに対抗COした場合は、人狼が真予言を襲撃するという選択が取れます。この場合、真予言が残せる結果は良くて2つだけです。

要は狂人がCOした後の真役職は、
・「すぐに対抗COすると襲撃されて結果を残せなくなる…」
・「潜伏してたら襲撃されそう…」
・「後からCOして信用されなくなったらどうしよう…」
といった形で、ある程度頭を悩ませることになります。

狂人がCOすることに真役職をやりにくくさせる効果があること、伝わったでしょうか。
ちなみにそうした狂人の思惑を超えた上手い真役職がいた場合は…素直に讃えてあげましょう(笑)。


3.狂人で役職を騙ることを躊躇するあなたへ


狂人が騙ること自体にメリットがあることを理解しつつも、いざ役職を騙るとなると、主に以下の2点が不安になってくるかと思います。

・「役職を騙っても、信用されないことが怖い…」
・「役職を騙って、正しい結果しか言えなくて真と誤認されたりしたらどうしよう…」

ですが僕はこれに対して、声を大にして「役職を騙るのを怖がる必要はないよ!」と言いたいです。
それぞれちゃんと理由もあるので、目を通してみて下さい。

3-1.狂人で役職を騙っても、信用されないことが怖いあなたへ


騙って信用されないことを怖がる必要のない理由。
それは、真役職は信用されないと村が勝ちにくい一方、騙りは信用されていなくても狼が勝つチャンスはいくらでもあるからです。

真予言が全く信用されていない世界を想像してみましょう。
真予言は人外として処刑され、偽予言の偽結果に基づき村の推理が進められ、村人が人狼として疑われ処刑され、挙句迎えた結末は人狼勝利…嗚呼、目も当てられないですね(☆⊃ω⊂)

一方、予言を騙った狂人(または人狼)が信用されていない、あるいは信用差がフラットである場合。
人狼は彼らのみに許された「襲撃」という手段で、真予言をゲームから退場させてしまうことが可能です。
真予言の結果は村に残らなくなり、予言騙りの人外こそ処刑されるでしょうが、情報のない中人狼のシッポを捉えることは困難となり、結果1狼ないし2狼が逃げおおせる…よくある話です。
予言騙りの人外を潜伏人狼が攻撃することで、潜伏人狼が真予言やその他の村人の信頼を獲得してしまうケースも少なくありません。

騙った狂人が相当村に信じられるケースは、少なくとも自分の知る範囲ではそうそう頻繁に見られるものではありません。
もちろん騙りとして信用される努力を怠ってはいけませんし、騙りのスキルを向上させるコツについてもここでは触れません(というか筆者自身の騙りスキルが極めて低いため説明することがない)が、最終的に騙って信用されずじまいになることを気にしすぎなくてよいのです。それでも、人狼が勝つチャンスはおおいに残されているのですから…。

3-2.狂人で役職を騙っても、正しい結果しか言えないことが怖いあなたへ

「狂人で能力を騙った時、正しい結果しか言えないと狼に迷惑をかけそう…」
「正しい結果しか言えてないと、狼に狂人だと気づいてもらえない…」
「人狼に誤爆しちゃったらどうしよう…」
といった点も不安になってくるかと思います。

しかし、そもそも狂人は人狼が誰かわかってないので、ある程度は仕方のないことです。上記のようなケースが起きても、それが人狼の負けに直結することは意外と少ない印象を受けています。
それに、最低1狼が逃げ切るゲームプランを組むのは、人狼にしかできません。そこは狂人次第ではなく、狂人の動きをどう使うかという人狼の力量次第なのです。

またもう一つ、これに関して言えることがあります。
それは、騙りの狂人が真結果しか出せていなくても、人狼は議論や投票でのあり方からある程度真狂を見極められるということです。

過去の具体的なケースを紹介してみます。
あるゲームで僕は人狼を引き、仲間はおふたりとも僕より人狼歴が長い方でした。
初日狼仲間でないおふたりが予言CO。おふたりとも白先は村人で、人狼目線だけ真予言と囲えてない狂人予言騙りがいることが見えています。
しかし、このおふたりのうち片方が、若干良い出方をしていました。初日の夜を迎え、僕はこの「若干良い出方をした予言」を指差しました。すると、僕より人狼歴の長いおふたりとも、同じ方を指差していました。タネを明かすとこの襲撃先は真予言、3狼全員が予言の真狂を正しく見極めていました。このように、真結果しか出していない能力者の真狂が人狼目線見えてくることは少なからずあります。

<蛇足>
ちなみに上記のゲームの顛末ですが、真予言の初夜トンに成功後、狂人予言は2日目に仲間の狼を囲い、3日目に僕に誤爆しました。僕は黒出しされてから一気に怪しくなり処刑され(弱い←)、1確霊媒が僕の霊結果黒を見たことで狂人予言が信用され、最終的にPP勝ちしました(笑)。

ちなみに、狂人が手っ取り早く嘘結果を言うには、対抗の白先に黒と言ってしまえばいいのです。これをやっても、案外即狂人置きされないものです。
狂人で騙ったら、ビビらずに結果を開示していきましょう。後はそれを利用して狼がどう逃げおおせるか次第です。


4.(初心者は、潜伏狂人に)憧れるのをやめましょう(?)


潜伏狂人は、決して弱い戦術だとは思いません。
しかし潜伏狂人には、議論誘導力や人狼と村人を見極める審美眼が求められます。民意を誘導したり、人狼と村人を見極めることは、初心者にはなかなか難しいのではないかと思います。
(※ただし後者に関しては、「自分が狂人である」という情報があるため、人狼かどうかを見定めるのは村陣営の時よりは幾分やりやすくはなっています。)
だからこそ、初心者には「役職騙り rather than 潜伏狂人」であると、ここまで長々と書いてきました。

潜伏狂人に挑むなら

とは言うものの、初心者が「潜伏狂人で勝ってみる」ことを目標にするのも、大いに素晴らしいことだと思います。
そこで、潜伏狂人で勝ちたい初心者の方には「潜伏狂人になったときにこういう動きをしてみたい!」というのを日頃考えてみることをオススメしてみます。

潜伏狂人の具体的な動きについては本記事では主題ではないので細かく触れませんが、ネットを検索すれば潜伏狂人について書かれている記事などが簡単に見つかりますし、実際に人狼ゲームで遊ぶ中で同村している方が上手い潜伏狂人をやっている光景を目にすることもあるはずです。それらを参照して、自分の中の「潜伏狂人」という箱にストックを持っておけば、いざという時に(?)役立ってくることでしょう。

【2024/04/02追記】
人狼ルームのYouTubeチャンネルにて、「【人狼相談室】Vol,27 潜伏狂人になってしまったらどうすれば良いですか?」という動画が公開されました。
基本的なことが中心とはいえ、ルームGMの皆さんが潜伏狂人の動き方について触れています。初心者の方は是非ご覧になって、参考にしてみてください!
(潜伏狂人に「なってしまったら」というタイトル良いですね…やはり、潜伏狂人は狂人自ら能動的になるものではない、ということなのでしょう)

5.さいごに

ここまでに書き記した内容の全てが、筆者の主観の域を逸脱していません。
内容が初心者向けというのもありますが、人狼ゲームに一家言ある方々からしたら、稚拙なことが書かれていると思われるかもしれません。
人狼ゲームには絶対的な正解が存在しません。それにゲームですし、失敗したら命とか財産とかを失うようなものでもありません。今回の記事の内容を念頭に置きつつも囚われ過ぎることなく快適な狂人ライフ(?)をお過ごしいただけるようなら、筆者にとってこれ以上の喜びはありません。

長文に最後までお付き合いいただいた方、ありがとうございました(☆・∀・)ノ

文責:ほしゆめ X(旧Twitter):@baroque_hoedown




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