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鳥居龍蔵博士の奥様は只者ではない

今年の自分の学びたいことは、鳥居龍蔵博士を知ることです。

この本は、くもん出版から出ています。
小学校高学年から中学校くらいのお子さん対象にわかりやすく書かれた、鳥居龍蔵博士の奥様、きみ子さんの伝記です。

鳥居龍蔵博士は、明治から昭和にかけて、小学校中退ながら、人類学、民族学、考古学などの調査研究を続け、博士号を取得されました。

同時期に似たような経歴の方に、昨年朝ドラで注目された、牧野冨太郎博士がいらっしゃいます。

牧野博士が高知県、鳥居博士が徳島県出身というのも不可思議な偶然でしょう。

朝ドラでは牧野博士を神木隆之介さんが、奥様を浜辺美波さんが演じられました。

ドラマ中では、学歴がない事から牧野博士が苦労を続けます。小学校中退で、入学試験を受けて東京大学で学んでいる学生と違うため、植物学教室の教授に認められて、植物採集や標本整理などを行い、牧野博士は学びました。教授の怒りをかい、東京大学の出入り禁止にもなります。
植物採集のため、日本中を旅し、生活は常に苦しかったようです。その生計は奥様が立てておられました。

ドラマですので、全てを現実の事とするのはいけませんが、牧野博士は、かなりの金額の借金があったのは間違いないようです。

何故こういう話題を出すかというと、鳥居龍蔵博士と共通点があるからです。

鳥居龍蔵博士も小学校中退で、東京大学の学生ではありません。徳島で独学して、さらに東京大学の坪井博士の下で、フィールドワークに行って発掘や資料収集の助手をしながら学び続けた結果として博士合格を取得されました。

鳥居博士の場合、奥様のきみ子さんを伴って海外の調査に行かれているのは非常に珍しい事でしょう。

というより、内蒙古調査については、きみ子さんに日本語教師の依頼があったのが先だったそうです。

きみ子さんは、「女に学問はいらない」という当時としては珍しく、師範学校や音楽学校で学んでいるのです。誰も行きたがらない、モンゴルでの日本語教師を、小さな子供がいるきみ子さんが引き受けたのは、すごく勇気がある事だったと思います。

鳥居博士は学問優先の方で、お1人で調査に行かれるより、家族を伴っての内蒙古渡航は、現地の方々に受け入れられ安くて、後々の調査にも非常に有益だったようです。

牧野博士と同じく、経済的に苦しくて、きみ子さんもご苦労されたようです。

もしも朝ドラで鳥居龍蔵博士を取り上げられるなら、主役をきみ子さんにした冒険物語にしたら面白いのではないかと思います。

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