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1/22 新文芸坐でタクシードライバーを観た

俺は昔からこの映画が好きだ。初めて見たのはいつだか覚えてないけどおそらく大学時代の時だ。大都会ニューヨークに孤独に生きる、人生の目標がない男という主人公トラヴィス・ヴィックルが当時東京で1人暮らしをしていた自分と重なるように思えた。
当時からトラヴィスの初デートにポルノ映画に行ったり、とりあえずの目標を見つけて筋トレや射撃訓練に励むシーン、SPとの会話シーンなどユーモラスなところが好きだった。

でも大人になった今では彼の人生の目標を見つけるという考えがこの映画の魅力だと分かった。

あらすじ

主人公のトラヴィスは海兵隊を名誉除隊後職を探していた。不眠症の彼は夜にタクシードライバーとして働くことになった。仕事もこなし、仕事終わりにポルノ映画館に行くぐらいしか金を使ってないので金はどんどん溜まっていったが彼はなんだか覇気がない。ドライバー仲間との食事中も元気がない。荒れた街並みにも不満がある(大統領候補のパレンティンをたまたま乗せた時にも不満を並べた)

そんなある日、ある美人の女性をタクシーを運転中に見かけた。彼女はパレンティン候補の選挙応援をしているベッツィーだ。彼女に近づきたい一心で選挙事務所まで押しかけ何とか彼女とのデートすることになった。食事中はなかなかいい雰囲気だった(自信ありげに彼女のことを語るトラヴィスにベッツィーもまんざらでもない様子)。しかし、その後にいつものようにポルノ映画館に行ってしまい、体目当てだと思われたトラヴィスはフラれてしまった。一度はプレゼントしたレコードも突き返されている。謝罪の電話をしても意味がない。終いには自分から選挙事務所に行って暴言を吐いてしまった。

ベッツィーと付き合えれば自分の人生も変わるかと思いきや振出しに戻ってしまった。

タクシー仲間に相談しても納得のいく人生訓はもらえなかった。

劇中のセリフにもあるようにトラヴィスはどこでも孤独を感じていた。

Loneliness has followed me all my life. The life of loneliness pursues
me wherever I go: in bars, cars, coffee shops, theaters, stores,
sidewalks. There is no escape. I am God's lonely man.


再び映画が方向転換するのはこの後。
ある日の夜、偶然にも少女がタクシーに乗り込んできた。慌てた様子でタクシーを出してくれと言う。しかし、すぐ後に男が来て連れ戻された。
調べていくと少女の名前はアイリス。13歳でコールガールにされている。あの時の男はマシューと言って彼氏面をしている(アイリスもアイリスだがまだ経験の少ない少女なので可哀そう。マシューは13歳の女といるなんてロリコンなのか?)

トラヴィスは彼女に実家のピッツバーグに戻れ、あんな奴と一緒に居るなと説得するが彼女は聞く耳を持たない。マシューは良い人だともいう。

最終的にトラヴィスは銃を持って売春を行っているアパートまで突撃しアイリスを救うことに成功した。大けがをしたが新聞は彼をヒーローと扱った。


何かを成し遂げて心が晴れたのか、映画を通じて暗い表情の多かったトラヴィスだが最後には憑き物が落ちたかのように晴れやかな表情だった。


何かを成し遂げたい、何者かになりたい。そういう欲求の人間ドラマだった。




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