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【マギレコ妄想】里見太助の言う"宇宙の意思"から逃れるためには?

 マギアレコードのイベスト『灰色革命』および2部9章において、"宇宙の意思"という概念が登場した。

 教授キャラである里見太助の口から"宇宙の意思"や"天の悪戯"などという急にスピリチュアルめいた単語が出てきたのでビビってしまった読者の方も多いとおもうし、「そんな現象は存在しない」「そういう現象があるにしても意思はないのでは」「太助が急にあほになってしまった」など意見が分かれそうだ。

 ただ、太助は急にあほになってしまったわけではない。太助は魔法少女についての研究を進める中、様々な場面で少しずつ違和感を持ち始め、湯国市での出来事(灰色革命)で「魔法少女の存在を世間に知らせようとすることを阻む、人知を超えた法則」の存在を確信するに至ったようだ。

 「周知を阻む」という部分を具体的に説明すると、「古代から魔法少女は存在しているにも関わらず歴史には残らない」「魔法少女自身が自分の正体を隠すことが当然のように振る舞っている」「魔法少女について書かれた本が発売直後に回収騒ぎになった」「灯花の魔法少女動画が思ったよりもバズらない」といった事象だ。

 これらの事象は"宇宙の自浄作用"であり、つまり魔法少女を皆に知らせる行為は魔法少女からエネルギーを得ている宇宙にとっては不利益なこととして見えない力で排除される……というのが太助の仮説だ。

 里見太助は魔法少女以外の分野ではそれなりに成功している人物であり、仮にそれらの分野と同じアプローチで研究を行っているにも関わらず魔法少女の周知が上手く進まないのだとしたら、確かに世界のほうがおかしいのではないかという結論に至ってしまうのもおかしな話ではないのかもしれない。

 太助の論理が飛躍しすぎてるのは間違いないが、我々が「太助は急にあほになってしまった」と当たり前のように考えてしまうことすらも"宇宙の意思"が原因である……と、太助はきっと考えるのだろう。


 本当に宇宙に"意思"があるのかどうかについてはひとまず置いておくとして、この記事ではその現象が実在するという前提で、「どうすれば"宇宙の意思"から逃れられるか」について、過去のストーリーなども思い出しながら色々と妄想や予想をしてみようと思う。

 10章読後時点での妄想であり、思いついたことを羅列しているだけの備忘録的な文章なので、特にこれといった結論はありません。


①キュゥべえと契約してどうにかする

 インキュベーターとの契約によって宇宙の法則を上書きしてしまう方法。TV版まどかマギカで前例があるし、第2部は佐鳥かごめが契約するかしないかが鍵になっているような場面が見受けられるので、これが一番現実的な方法だと思う。

 ただ、もしもこの"宇宙の意思"自体が誰かがインキュベーターと契約したことによって生まれたものだとしたら、なんともスッキリしない結末になりそうな気もする。宇宙の法則を上書きしたところで、また別の誰かに更に上書きされるかもしれないし。そういう上書きこそが人類の歴史の本質だとか言われたらもう仕方ないけど。


②愛(?)でどうにかする

 劇場版叛逆の物語で暁美ほむらが行った方法(「愛よ」)。何をどうやったのかは未だによくわからないけど、とにかく暁美ほむらはインキュベーターとの契約を介さず(すで別の願いを叶えた後)に円環の理という宇宙の法則を捻じ曲げることに成功していた。

 まどかとの出会いをやり直したいと願った暁美ほむらだけが行えたことだったのか、暁美ほむらじゃなくても愛さえあればあれができたのかはやっぱりよくわからない……どうやったんだアレ……?


③バグ技で突破する

 『Angels on the Road』で、アプリ内の鶴フェリたちがバグ技でエネルギーを大量に集め、アプリの管理者である灯花が寝ている間に世界の果ての突破した。

 "宇宙の意思"の目的が「魔法少女の存在を絶対に人間に認識させない」ことだとしたら、そもそも太助は研究すらできなかったはずだし、湯国市で擁護だの撲滅だのといった騒動も起こらなかったはずだ。つまり"意思"の発動にはある程度の段階があるように思える。

 太助が謎の体調不良に襲われているのも"意思"の影響かもしれないが、とにかく"意思"によって排除されないギリギリのラインを探り出すことが重要なのではないかと思う。"宇宙の意思"が肝心な場面で灯花のように寝てくれれば、どうにかできるのかもしれない。

 『灰色革命』において撲滅派擁護派の人たちは、良くも悪くも魔法少女を実在の存在として認識していた。もしかすると、宇宙の意思を越えられるのは愛と憎しみという両極端な要素なのかも。太助や那由他が言っていたように、人類が皆優しくなれば、"宇宙の意思"という仕組みも発動しないのかもしれない。つまりこれも前述の「②愛(?)でどうにかする」だ。


④「魔法少女は作り話」ということにする

ここ可愛くてマジでヤバかった。

 魔法少女以外の人間は、透明人間である二葉さなの姿を見たり声を聞いたりすることはできない(これはさなの願いによるものなので"宇宙の意思"とは関係ない)。しかしさなが作った絵本はインフルエンサーに見つかった幸運もあり順調に人気が出てきている。灯花とねむが作った魔法少女周知用のSNSアカウントが少しもバズらないのとは対称的だ。

 灯花とねむが作った全然バズらなかった動画は、「魔法少女が実在する存在であることを紹介するもの」のようだ。一方でさなの絵本には魔法少女は登場しないものの、2部のいろはと結菜の関係をさなの目線から描いたもの(いわばマギレコの二次創作)だ。

 2部ではかごめが多くの魔法少女にインタビューを行い手記として纏めているが、灯花とねむが1ミリもバズらなかった理由が"意思"によるものだとしたら、この手記を公開したところで灯花とねむの二の舞にしかならないかもしれない。なのでさなの絵本と同じように、公開する前に魔法少女という具体的なワードを削った上で、見た人だけが分かる物語の形式でまとめるべきなのかもしれない。


もういっそのこと作品のジャンルを変えてしまう

 『Angels on the Road』のゲーム内キャラにとってはアプリ管理者である灯花たちが神様同然の存在であったのと同じように、マギレコ世界のキャラにとっての"宇宙"とは、我々読者の世界であり、つまり"宇宙の意思"とは"f4samuraiやアニプレックスの意思"のことであるとも考えられる。

 魔法少女が社会から姿を隠さなければならないのは、魔法少女モノの作品ではそういうお約束があるからであり、まどか世界においてソウルジェムが魔女を生むという仕組みが存在しているのは他の魔法少女作品との差別化を図るための設定として必要だからである。つまり"宇宙の意思"とは"お約束"のことである。

 つまり、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』というタイトルから「魔法少女まどか☆マギカ外伝」の文字を抜いてしまえば、もう好き勝手にお約束を無視した作風で話を作れるのではないだろうか?

 近未来を舞台にしたサイバーパンクマギアレコード2077とか、過去を舞台にしたマギアレコード戦国時代編とか、FA○ZA版マギアレコードとか……。


終わりに:そもそも魔法少女を広めるな

 歴史の影で苦しみ続けてきた魔法少女を救いたいという太助の考えは尤もだけど、広めるとおかしなことが起こると分かった以上は別の方法で救済・支援を行うべきなのでは?

 ユニオンのような魔法少女の互助組織を新たに立ち上げるとか、生命保険とか、就活とか終活とかそういう仕組みを作るのが太助のような大人の役目だと思う。

 太助は一度温泉にでも浸かって、自分のすべきことをもう一度よく考えてみるべきだと思う。あれ、でももう湯国で温泉に浸かりまくった上であの結論にたどり着いたんだっけ?じゃあもうだめじゃん!

 なんにせよ11章以降も楽しみです。ここまで読んでいただきありがとうございました。

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