MARVEL SNAP 紹介と使ったデッキ

この記事はどもがよアドベントカレンダーという、クローズドのDiscordサーバーにおけるアドベントカレンダー企画の16日目です。が、それ以外のツイッターのTLの人とかにもMARVEL SNAPに興味を持ってもらえたらと思うので、EDHの記事とかを上げてる(1本だけ)noteにオープンな形で出します。MARVEL SNAPの紹介や自分がプレイしたデッキについて記録も兼ねて書きます。

前日のアドベントカレンダー企画記事の感想

前日の記事はこちら。自分も第1作のゲームを作ってその後作れてないのでつらみ……。テーマ出しくらいしかしてなかった去年までと違い、今年は後半に入って割りと真面目に資料を読んで題材の深掘りをしてはいるのですが、肝心のシステム部分が全然なのでそこをなんとかしたいところ。
絵が描けないのもあって、自作では歴史テーマという点を活用しパブリックドメインや著作権切れの写真や絵画をメインに使っていました。お絵かきAIによるアートワーク生成は作れるものの方向性が広がる可能性があるので後日の記事に期待です。

MARVEL SNAPってなに?何が面白い?

リリース時期・プラットフォームとか

MARVEL SNAPはMARVELのキャラクターを題材としたデジタルカードゲームで、今年(2022年)の10/18にサービスを開始しました。記事執筆時点では第2シーズンが終了し第3シーズンに入ったというところで、まだまだ始まったばかりのゲームです。スマホ(iPhone・Android)のほか、PCでもプレイできます。なお、PCはWindowsしかサポートされていないようなので、Mac使いの人はスマホでやってください。

どんなゲーム?

ゲームはエネルギーを使ってパワーが書かれたカードをロケーションに出していくことで進みます。ロケーションは3つ存在し、好きなロケーションにカードを出せます(各ロケーションの上限はプレイヤー毎に4枚)。ゲーム終了時、2つのロケーションにおいて自分のカードのパワー合計が相手を上回っていれば勝利です。
カードにはパワー以外にも様々な効果があったり、ロケーションにも効果があったりしますが、攻撃などの要素はなく、かなりシンプルなゲームになっています。「どんなカードを」「どこに」出すかを読み合うのがこのゲームの中核といえるでしょう。

プレイの例。1ターン目のプレイの前の様子。カード左上がエネルギーのコスト、右上がパワー。
1ターン目は1エネルギーしかないのでロック(ROCK)しかプレイできない。

2ターン目の様子。1ターン目、自分はロック(ROCK)を左のロケーションにプレイし、相手は同じロケーションにアイスマン(ICEMAN)をプレイした。こうしたカードのプレイを繰り返していく。

そして、このゲームの大きな特徴の一つが「6ターンでゲームが終了すること」です。1ゲームの時間は非常に短く、スキマ時間で手軽にプレイできます。公式も「3分あったら」と推しポイントにしている短さですが、十分な読み合いの面白さがあるうえに、負けても徒労感が少なくてすみます。
ゲームの短さにあわせてデッキの枚数は12枚と非常に少なくなっています。初期手札3枚、毎ターンドローするので1ゲーム中にはだいたい9枚のカードを見ることができます。そのため、「自分のやりたい動き」は比較的やりやすくなっており、ストレスフリーにプレイできます。

もう一つの大きな特徴は「スナップ」のシステムです。このゲームでは勝敗によって「キューブ」というものを取り合います。ゲームの最初には1つのキューブが賭けられています。各プレイヤーはゲーム中1度、「スナップ」を宣言することによって、賭けるキューブをそのターンの終了時に倍化できます。また、6ターン目が終了してゲームの勝敗が決した際には賭けられたキューブが自動で倍になります。つまり、お互いがスナップし、6ターン目が終了したなら8キューブを勝者は得、敗者は失うことになります。
また、ゲーム中に6ターン目の終了を迎える前ならプレイヤーはいつでも「撤退」できます。撤退したプレイヤーが敗者となり、現在賭けられている数のキューブを相手に渡すことになります。
相手がスナップしてきた時に手札が弱いなら、撤退することになるでしょう。スナップされたターンであれば、まだ賭けられているキューブは倍になっていません。また、6ターン目に盤面をひっくり返せない状況になっている、といったときにも撤退することになります。
キューブはランクの上下に関係します。ランクを1上げるのに10キューブが必要です。10ランク毎に名前がついていて、100ランクを超えると「インフィニティ」になります(MTGアリーナのミシック、マスターデュエルのダイヤ1のような感じでしょうか)。10ランク上がるとそれぞれ報酬がもらえます。

スナップのシステムも重要なのですが、それに付随した撤退のシステムがこのゲームのキモになっていると思います。あからさまに強すぎ、相手が勝てないと思ってしまう場合、勝負に付き合ってくれず、撤退されます。キューブを大きく稼ぐには相手が「勝てるかも……」と思ってくれるような状況を作り出せるデッキを組む必要があります(もちろん、相手もそう思っていることは多いでしょう)。ただ、強い動きで安定しているデッキが否定されるかというとそうではなく、堅実に稼いでいくことはできるでしょう。

その他のプレイの要素

使えるエネルギーは1ターン目が1、2ターン目2……6ターン目6というように増えていきます。デッキ構築の段階ではこれを考慮して入れるカードのコストの分布(MtG風に言うならマナカーブ)にも気を配る必要があります。

ロケーションは様々な効果を持っており、ゲームごとにランダムに選ばれます。最初の段階では左の1つしか効果がわかっていません。2ターン目になると中央、3ターン目になると右の効果がわかります。効果が分かる前からそのロケーションにはプレイできますが、結果として恩恵を受けられない場合もあります。例えば「このロケーションにカードをプレイしたら、そのパワーを倍にする」というロケーションが公開される前にカードをプレイしていたとき、ロケーションが公開されたからといってそのカードのパワーは倍にはなりません。
ゲームの前半まででランダム要素の内容がわかることは、DCG的なランダム性の面白さをもたらしつつ、一方でそこから来るストレスを軽減することに成功しています。これもこのゲームの魅力の一つです。

カードの入手について

ここまでゲームプレイの特徴について説明してきましたが、プレイ外の要素で大きく影響があるのがカードの入手方法です。
このゲームの主なカード入手方法はコレクションレベルというものを上げることで開けられる「ボックス」というものを開けていくことです。ボックスを開けた際にはランダムでカードが手に入る、という感じです。レベルが上っていくと次のボックスを開けるまでに必要なレベルも増えるうえ、カード以外のものがでてくることもあります。
コレクションレベルを上げるにはクレジットとブースターが必要です。クレジットは課金によっても増やせますが、ブースターはゲームをプレイすることで増やすのが主です。そのため、たくさん課金したからと言ってすぐに使えるカードを増やせるわけではないのです。
そのため、手持ちのカードでやりくりしてデッキを組むことになります。カードゲームの原体験とも言えるこうした状況が楽しめるのもこのゲームの魅力の一つであり、また環境が固まりにくい要因ともなっています。(ただ、ランクが上がってくると相手のデッキは読めるような感じではあります。)
なお、マッチングの際にはカード入手の状況などが考慮されているらしいです。

おすすめポイントまとめ

① プレイの手軽さ
② シンプルでも読み合いが楽しい
③ スナップシステムからくる構築のジレンマ
④ 限られたカードでの工夫


自分の使ったデッキ

前提知識・注意

前述のカード入手に付随する話ですが、このゲームのカードは1~5までの「シリーズ(非公式用語だとプール)」に分類されます。ボックスからカードを入手する際、まずはシリーズ1のカードが手に入っていき、全部集まるとシリーズ2、シリーズ2も全部集まるとプール3のカードが入手できるようになります。目安としては150戦ほどでシリーズ1が、350戦ほどでシリーズ2が集め終わる感じだと思います(十分なクレジットがあれば)。シリーズ3はそもそもシリーズ内のカードが多く、かなり集めるのが大変だと思います。シリーズ4,5は確率で出てくるレアなカードです。

以下ではデッキの説明をしますが、一応、やったことない人向けに効果の説明も入れていきます。マジックで例えることが多いかも。解説が無いカードはデッキの中核ではないので画像のほうを見てみてください。Cはコスト、Pはパワーです。永続はいる限りずっと発揮される効果で、公開はロケーションに出た時に誘発する効果です。

カイ・ザーデッキ

カイ・ザーデッキはこんなだった気がする

シリーズ1が揃いはじめてからはカイ・ザーデッキやムーンガール+デビルダイナソーのデッキを使ってた気がします。
カイ・ザーはC4/P4で「永続:自分のC1のカードのP+1」。隣のブルーマーベルはC5/P3と小粒になったかわりに「永続:他の自分のカードのP+1」。これらのカードで優秀な1コストのパワーを底上げして戦います。特にスクイレルガールは「公開:コスト1/パワー1のリスを他のロケーションに1体ずつ出す」という能力でカイ・ザーとのシナジーが強いです。
C6のオンスロートは「永続:このロケーションの自分の他の永続効果が2倍」という豪快な効果を持っています。カイ・ザー+ブルーマーベル+オンスロートで+4修正を目指しましょう。
デッキの核とは関係ないですが、C2/P0のアンジェラは「このロケーションに自分がカードをプレイするたび、これのP+2」とカードのプレイ枚数が多いこのデッキでは非常に強力です。しかも当時は元のパワーも1ありました。

ムーンダイナソーデッキ

ムーンダイナソーはこんな感じだった気がする

ムーンダイナソーデッキはムーンガールとデビルダイナソーのコンボを中心にしたデッキです。
ムーンガールはC4/P4で「公開:自分の手札を複製する。(=手札の各カードのコピーを手札に加える)」という効果です。自分の手札が倍になります(なお、上限は7枚)。
デビルダイナソーはC5/P3で「永続:自分の手札1枚につきP+2」を持ちます。
4ターン目にムーンガールで手札のデビルダイナソーを2枚+手札を6枚以上にし、5ターン目、6ターン目でデビルダイナソーを出すコンボが強力です。
おもしろいのはC6/P9のアメリカ・チャベスで「必ず6ターン目にドローされる」という効果です。ムーンガール+デビルダイナソーのコンボは4ターン目までに手札に揃っている必要があるので、その確率を上げてくれる1枚なわけです。

グッドスタッフ・ヘイムダル

シリーズ2の途中からはグッドスタッフ・ヘイムダルを使っていました。

対戦相手を破壊するデッキ(自分の思考時間も破壊される)

ヘイムダルはC6/P8ですが「公開:自分の他のカードを1つ左のロケーションに移動させる。」という変わった効果を持っています。このゲームには移動によって誘発する効果を持つカードがあるので、普通はそれらと併用するのですが、それらのカードは単体が弱かったり、かといって強い動きをした場合には撤退されたりと使いづらい印象でした。なのでこのデッキではシナジーを無視した単体で強めのカードを詰め込み、最後にヘイムダルで左に寄せて相手の計算を狂わせて勝ちます。
相手が右のロケーションにプレイしてくれると楽なので、それを誘うように「頑張れば上回れそう」な雰囲気をだせるとよいです。「永続:このロケーションに相手のカードが4枚ある場合P-3」のリザードなんかはいい感じです。あとは「公開:このロケーションを氾濫させる。このロケーションでは次のターンまでしかプレイできない。」のストームで左のロケーションを氾濫させ、最後にヘイムダルで流し込んだりします。

ジュビリー

ジュビリーというカードが当たってからはそれ主軸のデッキも組んでいました。これはここで紹介されているやつの丸パクリです。

パチンコ

ジュビリーはC4/P1のかわりに「公開:自分のデッキのカード1枚をこのロケーションにプレイする」という豪快な効果を持ちます。デッキに重いカードを増やしてジュビリーであたりを引くのがこのデッキです。シリーズ2以降では多く見られるデッキで、楽しいですがメタったデッキも多いです。激アツはオーディンでC6/P8、「公開:このロケーションにある自分のカードの公開時効果を全て発動する」なのでジュビリーで出ると更にもう1体出てきます。

デストロイヤー

シリーズ3以降はなかなか強いシナジーのカードが揃ってないので、単体で強めのデストロイヤーで頑張ってました。

デストロイヤーはパワーが16から16から15にナーフされてます。

ロケーション1つを制圧したうえで破壊不能にし、C6/P15の代わりに「公開時:他の自分のカードをすべて破壊する。」というデメリットのあるデストロイヤーでもう1ロケーション取るデッキ。15だと心許ないので公開時効果を消せるコスモを添えたり、破壊されるとP6のウィンター・ソルジャーが出てくるバッキー・バーンズを巻き込んだりします。それなりの強さはありますが、撤退されやすいのでランクの上がりはあんま良くなかったです。プレイも単調になりがちだし飽き易いのですが、デストロイヤーさえ手に入れば組めるのがいいです。他のデッキもなかったんでほとんどこれでインフィニティまで行きました。
主流派は破壊シナジーより永続効果持ちでデッキをまとめてC6/P9,「公開:永続をもつ自分のカードのP+2」のスペクトラムというカードとデストロイヤーを状況によって使い分けるデッキが多いのですが、微妙に必要カードが足りず、代用カードで組んだらもっさりしてたのでやめました。

スーパースクラルコントロール

最近のデッキはスーパースクラル入りのコントロールです。

よわそう

スーパースクラルはC4/P2、「永続:相手のすべてのカードの永続効果を得る。」とバカみたいなことが書いてあります。相手への依存度が高すぎるうえ、一部の永続効果はデメリットであるため、はっきり言って強くはありません。永続効果へのメタとしてはC4/P4で「公開:このロケーションの永続効果をすべて取り除く」をもつエンチャントレスが一般には使われています。しかし、スーパースクラルはシリーズ5に分類される「レア」なカードだったので使ってみたかったのです。そこでこのリストをコピーして使ってみたのですが、まぁまぁやれるし相手がバグって面白いです(自分もバグる)。
基本は性能のいいカードでパワーを得つつ、メタカードで相手の行動を制限、対処する感じです。
このデッキの全てを解決しているのがリーダーで、C6/P4、「公開:このターン相手がプレイしたカードをすべてコピーし、自分のサイドに加える」というメチャクチャな効果を持っています。5ターン目までの結果で「1ロケーションで勝ち+1ロケーションで微差負け」以上ならほぼ勝ちになります。
リーダーはどのデッキで使っても強すぎるし何より読み合いがあまりなくなるのでナーフ希望は多そう。
一応、一部のコンボやデストロイヤーには注意が必要ですが、そういう場合は基本的に読めるので撤退しましょう。
以下はスーパースクラルで勝っている例です。


相手はウルトロン(出たときにC1/P1のドローンをばらまく)+永続パワーバフ系のデッキ。
スーパースクラルが相手のバフを全部コピーし、リーダーでウルトロンもコピーして勝ち


相手のほとんどのカードがデストロイヤーデッキに含まれるのでそちらも参照。5ターン目に相手が左のロケーションへプロフェッサーXを出すことを期待してスーパースクラルをプレイ。スーパースクラルはウォーパスの効果コピーでパワーが上がって右ロケーションを制圧+プロフェッサーXの効果コピーで右ロケーションはプレイ不可。最終ターンは相手デストロイヤー、こちらはリーダーだがこちらにはノヴァがいたので勝利。


プレイしたカードのコピーが出てくるロケーション「シニスター・ロンドン」に相手が強い永続持ちを置いたのでそれがコピーされて大変なことになっている。アイアンマンは「永続:このロケーションのパワー合計を倍にする。」なので2体分吸ってパワー合計4倍マンが2体いる。なおスーパースクラルのコピーが中央のロケーションに出なければこちらが負けている模様。

こういうので勝てると気持ちいいですが、デッキパワーは高くないと思います。最近は誰でもリーダー入っていたり、そのせいでリーチ(C5/P3、公開:相手の手札のカードの効果を全て失わせる)も結構見るので、結局5ターン目までの盤面が大事になってきた気がします。


最近はシャン・チー→レスキューにして対応力を下げつつパワーを上げられるようにしている。
ジェシカ・ジョーンズのほうがいい説はある。そもそもスーパースクラル抜け

ウェーブジュビジョー

更に最近併用し始めたのがこのデッキ、ツイッターで流れてきたやつの持ってなかったカードを代用して作成。

ジュビリーデッキの上位種。よく手札が重すぎて死亡する。

現在、リーダーを使っているデッキがかなり多いのです。なので、「このロケーションに自分のカードをプレイしたとき、自分のデッキ内のカード1枚とそのカードを入れ替える」効果を持つロックジョーを使うデッキ構造はその対策となっている感じです。(=リーダーがコピーするのは種になってるカードなので弱くなりがち。)でも使って勝ってもあまり納得感のないデッキ。あとたまにリーチでジ・インフィノットのデメリットが消えて出せるようになるなど。事故ったら素直に撤退しましょう。


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