見出し画像

結局、マイ・グラデイションってどの季節の曲なの?

全国3億人の七花少女ファンの皆様、待望の新曲おめでとうございます。シャオがセンターの秋曲ということで、次のセンターや曲調が楽しみな方、はたまた不安な方、なにも考えていない方、様々な方がおられるかと思いますが、まずは曲が出たこと自体を祝いたいと思います。

と、ここまでが前置き、そしてここからが本題。
デビュー曲の花咲キオトメ(以下、花咲キ)、それからスノードロップは言わずもがな春曲で、今回は秋の曲。ということは、間にリリースされたマイ・グラデイション(以下、マイグラ)は夏曲なのでは?という疑惑が持ち上がったのは自然な成り行きと言い切ってよいだろう。

では、マイグラは本当に夏曲に分類できるものなのか?歌詞、Twitter告知、その後に来たPSカードなど、情報を汲み取れる要素は様々だが、その中でも今回は歌詞に絞り、曲に込めた意図を把握できればと思う。


1.マイグラの歌詞から季節を拾う

曲としてどの季節を描いているか、それを読み解くには歌詞から季節の要素を拾うことが効率的な手段であろう。

画像1

マイ・グラデイションのジャケット。
眩しい日差しに抜けるような青空は確かに夏を連想させるが、曲中にこのジャケットのような描写は出てこない。

マイグラではアイデンティティや心情の投影先として、空や雲が頻出している。
が、今回は曲中の心理描写は無視し、気象や自然全般の情報それ自体を拾うこととする(暑さや寒さなどの生理現象なども述べられていれば拾いたかったが、そういった歌詞は見受けられなかった)。

そうして出てきた歌詞はといえば、「曇りがち」、「ぼんやりでも見えだした空」、「雲の間」など悪天候を連想させるものばかりであり、短い豪雨の後に晴れが来る真夏の天候とはかけ離れた天候の悪さという印象を受けた。
無論、制作側が夏真っ盛りの短い悪天候を強調して描いた可能性も否定はできない。しかし、それにしても季節特有の短く激しい雨という描写は存在していないし、雨より雲に注目しているということは、そもそも降雨時でない可能性が高いといえる。

同じ制作の手で送り出された777SISTERSが歌った夏は、どこまでも深く青い空、彩りとして添えられる入道雲、エネルギーに満ち満ちた語り手など、色彩も心情も鮮やかであった。
仮に対比的に描こうとするとしても、同じ季節を描いていて似たような要素が全く出ないことがありえるだろうか?

さて、ここまでマイグラの歌詞を分析し、夏を舞台にしていないと判断したところで、『ではどの季節を舞台にしているのか?』という疑問が出てくる。
次項ではこの問題について仮説を展開させていただく。

2.夏であって夏ではない

結論から言えば、マイグラは梅雨の曲である、というのが自分の考察結果である。
真夏に近く、なかなか晴れずぐずついた天候といえばこの時期であり、曲中で描かれている雲の上の空を待ち望む気持ちは多くの人が共感できるものであろう。

さて、花咲キという春の後、そして秋の新曲より前に出た曲として梅雨をテーマとしているのは位置として間違っていないが、それでは梅雨は四季でどの季節にあたるのだろうか?

梅雨の時期にあたる5月と6月は、気象庁の分類では前者までが春、後者からは夏だそうで、この説を採るならマイグラは春と夏の可能性がある曲になる。
一方で梅雨入りの5月半ばから初夏に分類する説もあるそうで、この説によればマイグラは完全な夏曲となる。
どちらにせよ、梅雨に夏期は必ず含まれている。また、マイグラの曲中では真夏を待つ時期であるということは、常識的に考えて6月以降の話であり、気象庁の方式でも夏に入るものと言ってよいかもしれない。

つまり、マイグラは夏曲であると言えなくもないが、断言はできない、というオフホワイトな結論が出たところで今回の考察を終えることとする。

3.雲の上はいつも晴れ

画像2

画像3

マイグラリリース後に実装された七花少女PS。
トモエのカードでわかるように、夏らしく晴れている(サヲリは誕生日なのでオマケ)。

雲の上はいつも晴れ、ということわざがある。
マイグラが梅雨の話をしていたのであれば、雲が去ると共に晴れと夏がやってきたと考えるのが自然であろう。
その晴れを、そして夏を迎えたことをハッピーエンドと捉えるのなら、マイグラの曲中でゴールはすぐそばにあったのかもしれない。

雲の上は晴れであり、梅雨は既に夏であることを思えば、本当にあと少しでゴールに手が届くところにあり、その先を描いたものがマイ・グラデイションPS群である、と考えると納得もできる。
マイグラを夏曲とは断言できない。しかし、その後の物語を含めれば、夏の物語であるという確信は抱けた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?