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上京初日にぼったくりバーでぼったくられた話

上京初日にぼったくられた!

 とあるマッチングアプリで、マッチした女性と飲みに行くことになり、新宿駅へと軽快な足捌きで向かった。

すると、女性(佐藤れい)から「ゴジラの前で待ち合わせ変更してもらって良いですか?」と、鴨を自分のテリトリーに誘き出そうとするLINE。

(ゴジラって知ってるなぁ、どこだっけ?)
・・・検察中
「歌舞伎町じゃねぇか!」
(あの危ない街のど真ん中で待ち合わせか...)
待っていると、派手な女性がきた。
私は店に詳しくなく、れいさんが「行きたい店がある」と言うので、任せることにした。

道中、「先週誕生日だった」とほざいていたので、調子こいた口調で「お、じゃあ奢りますよ!」と言ってしまった。

「お金下ろさなくて良い?」と聞かれ、財布の中の所持金を言うと、居酒屋では十分な額だと思ったのだが、「一応おろしておきな〜」と言われ、少し不思議に思いながら下ろした。

居酒屋のつもりで言っていたが、バーに連れてこられた。ここで帰ってしまう人も多いと思う。
しかし、バーに行ってみたかった田舎者の俺はウキウキ入店した。

メニューを見ると、どれも千円以上していて、れいさんは俺の分も勝手に注文し始めて、お代わりなども勝手にしていた。

好きなタイプ嫌いなタイプの話で、れいさんは『割り勘で』とか 『高っ』とか言う人が苦手らしい。
まるで、「奢らないと雰囲気悪くするぞ!」と脅されているようだった。

誕プレで、シャンパン入れて欲しいとのことで、(あ、じゃあシャンパン以外は割り勘なのかな?)と思った。

シャンパンも高いイヤホンを買えるくらいの値段だった。

れいさんは、どうやらお金を湯水のように使っている人らしく、このような感じの店で遊んだり、誕プレに10万円使ったり、バイト代を全部溶かす系の人らしい。

「うちのお母さんが『奢られたら奢り返しなさい』ってよく言ってるから、今度ご馳走するね!」と言っていた。

(ぜひ奢り返して欲しい)と思ったが、そのとき俺は、身分に合わない遊び方をしても楽しくない事に気づいていた。

会計の時、伝票を店員が持ってきて、金額を見て腰を抜かしたが、座っていたため転ぶことはなかった。

別れ際、LINEすると言っていたが、当然返ってくることはなかった。

何日かしてから、周りに言うと「警察に言った方が良い」派と「言っても無駄」派がいたので、言いに行く事にした。

まず、近所の警察署に報告し、新宿警察署に電話するように言われたので、そちらに電話した。
つまるところ、警察をはしごしたのだ。

慣れているからか、案外まともに話を聞いてくれて、調書を取り、お店と女性を探して調べてくれるそうだ。

どうやらあれは「ぼったくりバー」で、コロナ禍でキャッチや客引きができない事により、女性を雇い、マッチングアプリで客を連れてくる手口だったようだ。
れいさんもぼったくりバーの手先だったのだ。

警察に通報しに行く前、(何かの弾みで逆に俺が捕まっちゃったらどうしよう)って思ったが、相談して良かった。

もし、それらしき人を見つけたら「この人ですか?」と俺に確認してくるらしい。

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