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バオバブの木との出会い

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 1995年、アフリカザンビアに赴任して間もないころのことでした。青年海外協力隊の調整員として、初めてのアフリカ赴任。ザンビア共和国で、活躍する青年海外協力隊隊員の方々の支援をする仕事でした。行ってすぐはザンビアの事は何もわからず、右も左もわからない状況です。とにかく協力隊員さんたちが、どのようなところで、どんな悩みを持ちつつ、活動しているのかを知りたいと思い任地を訪問していたころのことです。

ある日、マザブカという町の協力隊員の任地を訪問したいと思い、どこで待ち合わせすると間違えなく会えるかを聞いたところ、「バオバブの木の下で待っています。」とのこと。私が、「その場所、わかるかなあ?」というと彼は、「絶対わかりますよ。」とのこと。

マザブカに行くために、サバンナの大高原を4輪駆動車で走っていく。マザブカの町が近づき、一直線の道の脇に、大きなバオバブの木がそびえているのが見えてきました。

彼は、その木の下で待っていて、「ね、わかったでしょ」と言い、私は「確かに間違えようがないね、すごいね。」と彼に伝えました。

アフリカサバンナの大地にしっかりと根を下ろし、聳え立つ姿、その存在感はすごいのに、威張っていないのです。むしろ少し悪役のようにも見える、その姿に心を打たれました。

あれから、25年が経ちました。人は年をとりますが、バオバブの木にとって25年はそんなに長いものではないかもしれません。あのマザブカのバオバブの木を、いつかまた見に行きたいなと思っているところです。

(写真は、マラウイのマンゴチ近辺で撮ったバオバブの木です。)

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