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『十字路』いってきた

6/8 ミズタニ会議さんの『十字路』見てきました!!
おもれーーー!!これはおもれーーー!!連作短編集、短編が最後一点にまとまっていく感じ、最後、構造が分かった時気持ちいい〜!!一見、なんも関係ないオムニバスだと思うじゃん。アンサンブルなんだなとか思うじゃん。あーー、世界線が違ったんだねーー。
僕は3話の『引っ越し』が好きです。台詞の重ね方上手すぎる。「オレん家レンジ無いの」「ORANGE RANGEないの!?」天才か?引っ越しと音楽の話が巧みに組み合わさるの楽しすぎる。ビタっとハマって気持ちいい。


最初から振り返ってみる。広い舞台にボックスがポツリ。パネルがトントントンと並ぶ。

第1話『ドッペルゲンガー』
パネルに投影されるタイトル、テーマもなんかいい。第一声の「ドッペルゲンガー」から、病院の先生と患者の会話が始まる。上手く入れ違いで本物と偽物が出てくると思ったら、まさかの紙袋被って、本物とドッペルゲンガーご対面。えっ、分身した?ドッペルゲンガーって生モノの舞台でやるの、冷静になったら不可能じゃんか。こんな方法があったんですね。感動しちゃった…。看護婦の柏木さんも良いボケツッコミでキレがキュッと増していたと思う。

第2話『腹話術』
絵面最高に楽しい。これは言葉じゃ伝わらない。見ないと分からない。腹話術人形たちが完璧すぎた。太郎くんの人形っぷり感信じられないレベル。サイズ感も顔の造形もあんなに人形なことあるんだ。術師の手が離れて倒れる瞬間の動き、本当に人間か?ってくらいモノの落ち方してた。あれは勇気が要る。政宗、所作が人形綺麗すぎた。天川さんとの動きのシンクロもピッタリで気持ちいい。人形の腹話術がしっかり腹話術してたおかげで、後半のどんどんチープに、ズレていく様子もちっちゃい争い感増してて楽しい。本当の目的への回帰、線路の話もこの話のテーマだったんですね。

第3話『引っ越し』
普通の引っ越しの話だと思ったら、数年後の息子の荷解きの話も始まる。交互に進むのかな、とか思ってたら、あれ、両方同時に進んでいくぞ?おおー似た言葉が重なる。その度に感動する。サインのCDも諦めた父さんと適当な息子も、全部綺麗にハマってた。最後のメモ帳を拾うとこまで綺麗だ。キヨタカくんは頑張ってほしい。

第4話『十字路』
こっからが本題だよなぁ!!全部の種明かし、そこまで完全にバラバラだった3話が綺麗にまとめ上げられていく。連作ってそういうことかぁ。ツムギちゃんも南雲さんも、心情がありありと伝わってきて、辛い。悪魔に捧げるってそういうこと…うっすら感じてた違和感と前までの3話が繋がっていく。最近、アイドルプロデュースのゲーム始めた自分としては、一番好きなツムギのために手段を選ばない南雲さんが、辛くて。その覚悟の決まり方も、きっと底に隠してる未練や寂しさも。ツムギと出会ったから、生きる希望を持てた彼が、最後には自分を切り捨ててまで、ツムギさんのために尽くせるんだな。合理的で社会の厳しさも諦めも知ってるであろう彼が悪魔に曲をもらうの、その選択をするの、そりゃそうだ。デカい愛。
前3話とは一転照明ばちばちに凝って、物語を演出する。点と点が繋がるところに合わ
さって、その絵面の変化が楽しくて堪らない。
楽しいのに、悲しい。悪魔も現実も残酷で、夢が叶ってるのに、なんか違う。あー、気持ちがはちゃめちゃだ。楽しい。キヨタカくんが言ってた、十字路のこの次から変わったって。天才になったって。違う世界線の思い出を背負って、ツムギさんは悪魔を跳ね除けて強かに生きていくんだなぁ。持ってる者の話、持ってないといけない人の話。捨てちゃダメなんだな。CDも思い出も夢も。

総じて楽しすぎた。楽して面白くて興奮しすぎたせいで、物語の奥まで味わいきれてないんじゃないかってくらい、客席で一人高揚してた。ミズタニ会議さん、推します。出会えて感謝。次も見れたらいいなーー
この思い出は差し出せません

台本とパンフ、じっくり読みます…

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