2024J1リーグ第8節 FC東京vs東京V ~自滅から意地の生還~

こんにちは。タナカです。
私は東京サポになっておそらく10年ちょっと経つんですが、東京ダービーは去年に続いて2回目でした。先人の皆さんのような東京ダービーに対する熱気はないかもしれませんが、それでも声がつぶれるには十分な盛り上がりでした。
それは選手たちのプレーぶりからも明らかで、数的不利で2点ビハインドという、常識的に考えれば敗色濃厚な状況の中で、勝ち点をもぎ取るという偉業を成し遂げました。
今回は、前半なぜうまくいかなかったのか、後半どうして追いつけたのかにフォーカスして書いていきたいと思います。

まずはスタメンから。
東京は五輪予選で抜けた松木の代わりに、小柏を移籍後初先発に抜擢。GKには波多野を起用し、ベンチに児玉と長友が入りました。対するヴェルディは4-4-2のフォーメーション。

前半

試合内容に早速入るんですが、前半の出来は正直最悪でした。失点に絡むところは完全に個人のミスなんですが、攻撃、守備とともに自分たちのやりたいことはできず、逆に相手のやりたいようにやられていたので、観ていてストレスの溜まる45分だったと思います。

攻撃 ~ちぐはぐな方針、前進できないビルドアップ~

ヴェルディはこの試合、東京の要とも入れる小泉、高のWボランチに対して稲見と森田を当てて、中央の封鎖を試みてきました。

普段は中央にボールをつけながらサイドを変えたり、人が入れ替わったりして相手のマークをずらしながらライン間にボールをつけることで前進するのが東京のビルドアップの特徴ですが、その初手である中央にボールをつける作業ができませんでした。序盤は何度か試みていましたが、中盤からは終始小柏の裏一辺倒の単調な攻撃に。それも効果的とは言えず、決定的なチャンスはいずれも俵積田のドリブルという質的有利を活かしてのもの。チームとしてやりたいことはできていませんでした。

上図の通り、裏一辺倒ではなく、小柏が走って相手ラインを下げさせた中で、ライン間を仲川が取って前進できればよかったのですが、東京の攻撃は単調そのもので、裏をちらつかせることでライン間を空かせるような工夫は見られませんでした。

守備 ~利用された4-4-2×ハイラインの泣き所~

東京の守備は鹿島同様4-4-2ブロックを敷く形。ライン間がコンパクトで、間延びしないのが特徴ですが、間延びしない分裏が空きやすいのも特徴。1失点目、PKを取られたシーンは、その裏を使われ、その後の守備のずさんさが招いてしまいました。

このシーンでは、安斎のファールのリスタートを、サイドバック裏に走った染野に使われます。ポケットに走りこんだ見木についていった安斎がペナ内で倒してしまい、PKを与えてしまいました。

安斎が軽率だったのは大前提として、見返してみると東京の人数はそろっています。無理して安斎が追いかけず、高が埋めてもいいし、人数的には土肥が出て行ってもいい場面です。しかしなぜかどちらも出て行けず、状態の悪い安斎が出て行ってファールをしてしまいました。おそらく約束事が決まっていないのでしょう。

ミッドウィークのルヴァンでも同様に決定機を作られているので,今の東京の課題は、ポケットの守備の改善なのかもしれません。

試合はこのPKを見木が決めてヴェルディが先制、さらに33分、エンリケのパスミスから染野にボレーを叩き込まれて2失点目を喫します。さらに43分には安斎が2枚目をもらって退場。PKを取られたシーン、エンリケのパスミス、安斎の2枚目、いずれも軽率です。ダービーで舞い上がって自滅した、そう捉えられても言い訳できない前半でした。

後半 ~人事を尽くして天命を待つ~

冒頭でも述べましたが、数的不利で2点ビハインド、普通に考えたらもうゲームオーバーです。しかし、東京はここから勝ち点をもぎ取ることに成功しました。そのカギは、攻撃でも守備でも割り切れたことと、良いバランスで試合を進めることができたことに限ると考えます。

攻撃 ~逃げずに使い続けた中央~


後半は、右サイドにポジションを変えた仲川が中央まで降りて、代わりに白井が幅を取る形。前半とは違い、果敢に中央につけての前進を試みます。数的不利もあって前進につながる回数は限定的でしたが、それよりも重要なのは、数的不利であっても自分たちのサッカーを続けるという姿勢。この姿勢がのちの2点につながったと感じます。

守備 〜我慢し続けた45分〜


守備は基本4-4-1でセット。篭ってインターセプトを狙うのが主流(1点目はその狙いが出た形)ですが、機を見て両WGがSBを消しながらCBにプレスして、相手に蹴らせることも。基本的には篭って相手のミス待ちですが、状況によってはハイプレスでマイボールの時間を作るという、メリハリのあるプレスでなんとか失点を阻止できました。

試合はヴェルディが決定機をいくつか迎えるも決めきれない中68分、白井が相手の短くなったパスをインターセプトしてドリブルで運び、マイナスのクロスに遠藤が反応して、1点を返します。

数的不利の中でも粘り強く戦い、狙い通りにひっくり返したシーンで、後半のプランニングの整備がもたらした1点と言ってもいいでしょう。

さらに終了間際の90+4分、ロングボールのセカンドから仲川、遠藤と繋ぐと、最後は遠藤が狙い澄ましたコントロールショット。東京唯一のクラブとしての意地を見せました。

ちなみに私はこのゴールで2分ぐらい叫び散らかして以降、いまだに声が戻っておりません笑

まとめ 〜劇的も、反省材料多く〜

劇的な展開に冷静に物事を見れなくなりそうですが、前半は総じて良くなかったということを忘れてはなりません。悪い中でも失点しない、そもそも初期設計を間違えないなど、上位進出に向け課題は山積だと言っていいでしょう。我々は試合後は冷静に振り返りつつ、試合中は声が枯れるまで応援し続けることが引き続き求められます。

最後までお読みいただきありがとうございました!!

タナカ

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