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『成瀬は天下を取りにいく』これは主人公に惚れてまう

第21回本屋大賞受賞作品、「成瀬は天下を取りにいく」ようやく読ませていただきました。

※この記事は大いにネタバレを含みますので、ご注意ください。

成瀬がかっこよすぎる


同じ本を読んだ人は、今ものすごい勢いで首を縦に振っていることだろう。

成瀬あかりというキャラクターが素敵すぎる。

自由奔放、好奇心旺盛、行動力の鬼…しかし、傲慢さは感じられない。

むしろ、家族や友達、地域を愛してやまない、人格者。

おまけに成績優秀、スポーツ万能、けん玉うまい(?)

ここまでいうと、クラスの人気者を思い浮かべるかもしれないが、むしろクラスメイトからは少し距離を置かれる変わり者。

高校入学とともに坊主頭にして、3年間で何センチ伸びるのか実験しちゃうような子。

人の目なんぞ1ミリたりとも気にしない、鋼のメンタル。

何をやっても「上手ね」、「すごいね」と評価される、天性の超ハイスペック

これは惚れてまうやろ。

実際第5章では、他校の男子、西浦くんが成瀬に一目惚れした。
成瀬に漂う、唯一無二のオーラ、雰囲気、魅力に引き込まれていく様子…

それを読んで読者側の我々大共感

もはやこれが人生において、正解の生き方なのではないかと思ってしまうほどの、圧倒的な爽快感。

成瀬にとって人生は、楽しくて、面白くて仕方がないのだろう。

どうりで200歳まで生きると宣言するわけだ。

まいりました。

周りの登場人物たちもみんなかわいい


まずは、さっきも書いた他校の西浦くん。大柄で身長180cm超え。
でも大人しくて、静かで、少し人見知りな青年。
ぜひとも成瀬のボディーガードとして、これからも仲良くしていてほしい(願望)

そして、島崎。成瀬の幼馴染であり親友。
成瀬がここまで自由に生きてこられたのは、間違いなくこの子の存在も大きいだろう。
一人で完璧に、なんでもこなせると思われた成瀬が、島崎の引越しの話を聞いただけで不安定になる様は、とても愛おしかった。
成瀬が学校でどんなに避けられても、気にせずずっと、そばにいる島崎。
ある意味この子も変わり者だよ。素敵だ。
ぶっ飛んだ天才のそばには、いつもそれを支える人がいるのだろうな。

大貫さん。中高で成瀬とともに過ごした同級生。クラスの人間関係やカーストに敏感で、自分のコンプレックスを気にしてしまう、年頃の女の子。
でもそんな自分を変えようと、縮毛矯正をしたり、勉強にうち込んで東大を目指したり、謙虚で努力家な子。
成瀬と関わって、少しだけ自分らしくなっていく姿を見ていると、母親のような気持ちで涙腺が緩んできた。


他にも語りたいことは山ほどあるが、とりあえず今回の記事は以上。

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