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ASOBIJOSの珍道中

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文筆家で尺八見習いの万里一空と、日本舞踊を習っている妻・MARCOによる、ドタバタ自給型ハネムーンの紀行文です。素っ頓狂で向こう見ずなアホ二人がカナダワーホリへ。果たして、無事に…
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#日本

ASOBIJOSの珍道中⑬:夏、賑わい盛りのモントリオールで路上芸人をば。

 ”ぬわぁっ。”  ”ぬわぁっ!”  ”うるさっ。”  ”寝言で起こされたんこっちやで。”  ”うわぁ、夢の中でも踊っとったわぁ。”  ”休みないねえ、Swallows。”  ”よっしゃあ、今日も行くかぁ、路上〜ぅぅう〜!”と、あくびを一つ。短い腕と背中をめい一杯伸ばして、MARCOさんのお目覚めです。  レストランでの仕事が夜中まであるため、私たちの起床はだいたい昼前の10時ごろ。カンカン照りの太陽に汗びっしょりになりながら目を覚ますのでした。  日本で使っていたASOB

ASOBIJOSの珍道中③:いよいよモントリオールに

”もう二度と飛行機なんて乗らねぇ”と、MARCOさんは相変わらず。  いよいよモントリオールに到着しました。2月の17日のことです。一つ驚いたことがありました。それは、既にコロナが終わっていたことです。アメリカの入国にはワクチン接種の証明書の提出を求められましたが、カナダの入国には何一つコロナに関連した手続きなどありませんでした。街中を歩いたって、マスクをつけている人なんてめったに見かけません。  到着した翌日に、この国の寒さを凌ぐためのコートやブーツなどを探しに中心街をぶら

ASOBIJOSの珍道中②:1束のセージ@LA

 ”君は英語もよく話せるし、海外には慣れているね?ベニスビーチは前と比べたら随分綺麗で安全になったよ。だけど、観光客まる出しじゃダメだよ。iPhoneを見ながら歩いたり、カバンを置いてトイレに行ったりしない。わかるね?あと、タダであげるって言われても、何も受け取らないんだよ、いいね?”  と、初老の黒人タクシードライバーが忠告をくれました。2月の半ばだというのに、LAでは、常夏のように陽光が燦々(さんさん)と輝いています。ベージュのハンチング帽に白髪が覗くこのドライバーにはど