自動販売機の不可能性について

人工知能に関するトピックの一つにフレーム問題と言うものがある。

ウィキペディアの当該項目(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%95%8F%E9%A1%8C)から引用すると

「フレーム問題(フレームもんだい)とは、人工知能における重要な難問の一つで、有限の情報処理能力しかないロボットには、現実に起こりうる問題全てに対処することができないことを示すものである。」


同じようなことが小売業についてもあてはまる。

ゲームなどが顕著だと思うのだが、昨今のゲームは色々と複雑化しており、店頭において全ての注意点を説明することなど不可能に近い。

あなたの家のテレビにHDMI端子がついているかどうかなど我々店員には知りようがないし、あなたが買った初回限定盤CDについているのがDVDではなくブルーレイで自宅の機器では再生できなかったからと言って開封済の限定盤を返品に来られても困るのである。

そして、なぜだか知らないがそういう人に限って、なぜか怒った状態で店にやってくる。

店側は説明をするのだが、その後には必ずと言っていいほどこのような言葉を浴びせかけられる。

「そんなこと説明しなかったじゃないか!」

かくして商品購入前のお客さんに説明する項目が一つずつ増えていき、レジでのオペレーションが複雑化していくのである。このように、店頭での接客と言うのは「どこまでを説明するか」というフレーム問題と密接に関連しており、人工知能では対処しがたい。

翻って自動販売機である。自動販売機でも商品を顧客へ販売しているという点では同様であるので、商品に関する事前の説明もまた必要となるに違いない。

小売店での現象は、自動販売機においても商品説明のフレーム問題が常に付きまとう事を示唆するものであり、自動販売機の運営も人工知能では困難であると考えざるを得ない。

結論として、自動販売機の中には、誰か入っている。

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