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【9月27日】マーケットレポート 『伊にポピュリズム政権』

本日の市場

●株式市場&債券市場

…米景気悪化懸念により、引き続き3指数揃って続落。ダウ、S&P500は年初来安値を更新した。債券市場では10年債利回りが3.9%台まで上昇し、ハイテク株株を忠臣としたナスダックもマイナス圏に。

Googleファイナンスより(9/26終値)

…日経平均株価は3日続落。欧米の金融引き締めによる金利の上昇と世界景気の悪化懸念から前週末の欧米株が大幅安となった流れを継ぎ、1日を通じて安値圏で引けた。
米ダウ工業平均が23日に年初来安値を更新したことや26日の米国株先物も下落したことから相場の先安観が強まった。

Googleファイナンスより(9/26終値)

●為替相場

…円買い介入により円の持ち高を調整する動きも出たが、ユーロ安、ポンド安による全面的な米ドル高により、円も対ドルで下落方向に進んだ。

Googleファイナンスより

本日のトピック

①伊にポピュリズム政権

25日投開票のイタリアの総選挙で「イタリアの同胞(FDI)」が第一党に躍進し、ポピュリズム(大衆迎合主義)色の強い右派政権が誕生する見通しとなった。以下、具体的なポイントをまとめる。
・イタリア財政の悪化懸念
→物価高対策として、小規模事業者の税率引き下げ、年金の底上げ、保育所無償化などの公約を掲げるが、財源確保の見通しはない。
・長期金利上昇によりさらなる財政悪化懸念
→財政悪化懸念により、イタリア国債がさらに売られ、イタリア10年物国債利回りは4.3%と、2014年以来の高水準まで上昇した。金利が上昇すると新たに国債を発行する際の利率を高めなければならず、さらなる財政悪化が懸念される。
・対ロ制裁を緩める可能性あり
→メローニ氏自身は選挙戦で対ロ制裁を支持していたが、もともとはEU懐疑派で、EUと距離をおいてロシア寄りの立場を打ち出す懸念がある(プーチン政権とのつながりも指摘される)。

②水際対策正式発表、10月11日から

新型コロナウイルスの水際対策を10月11日から緩和すると政府は正式発表した。主な緩和項目は以下の通りである。
(入国時検査)滞在国の区分により必要→原則不要
(受入企業による申請)必要→不要
(国際線)全国10箇所の空港→受け入れ順次拡大
(ビザ取得)全員に義務→短期は免除
(入国者数)1日最大5万人→上限撤廃
(個人旅行)禁止→解禁

③24年ぶりの円買い介入、3兆円規模だと推計

24年ぶりに実施した円買い・ドル売り介入が3兆円規模だったと市場関係者の推計で分かった。1日の円買い介入額としては過去最大規模となる。
介入資金の原資となる外貨準備高は約180兆円。うちすぐに使える分は約19兆円だ。円買い介入に使える資金には限りがあり、介入規模は今後の展開などを考える上で大きな材料になる。

④安倍元首相きょう国葬、4300人参列

本日27日午後2時、安倍晋三元首相の国葬を日本武道館で開く。国葬には海外の首脳級を含め、およそ700人が参列し、210以上の国・地域や国際機関の代表が出席する。国内からの参列者を加えた合計は4300人になる見通しだ。

⑤2023年、世界の実質成長率2.2%に減速へ

経済協力開発機構(OECD)あ26日公表した経済見通しで、2023年の世界実質成長率を2.2%と前回6月の予測を0.6ポイント下方修正した。
各国が物価高に対する急速な利上げが重荷となり、世界景気の回復シナリオは軌道修正された。2023年の世界の実質所得も2021年12月時点の見通しより2.8兆ドル(約400兆円)少なくなる。

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