【10月11日】マーケットレポート 『米人手不足和らぐ兆しあるも、FRBは引き締め継続姿勢』
本日の市場
●株式市場&債券市場
…9月の米雇用統計は、「高い雇用者数・低い失業率・高い平均時給・労働参加率の低下」という結果をうけ、
「最近、利上げペースが鈍化するのではという雰囲気があったけど、やっぱり雇用は強いから、11月の利上げ幅は0.75%になるのでは?」
という見方から、7日の債券市場は米2年債利回り、10年債利回りともに上昇。株式市場は3指数揃って、下落しました。
10日はその流れを引き続きうけ、3指数揃って続落。
…前日の米市場の金利上昇と株安をうけ、東京市場でも運用リスクを回避する売りが広がった。また、前日まで4営業日上昇が続いていたため、利益確定の売りも出やすかった。
午後に入ると、9月の米雇用統計の発表を控え、様子見姿勢が強まったのか日経平均は小動きにとどまった。
●為替相場
…9月の米雇用統計が労働市場の強さを示し、FRBによる積極的な利上げが続くとの見方から円売り・ドル買いが優勢となりました。
本日のトピック
①米人手不足和らぐ兆しあるも、FRBは引き締め継続姿勢
米9月雇用統計の結果をうけて、米国の人手不足が和らぐ兆しが出てきた。がFRBは金融引き締めを継続刷るとの見方が市場では強い。
・(人手不足和らぎ要素①)雇用者数の伸びが2ヶ月連続で鈍化
・(人手不足和らぎ要素②)平均時給の伸びが2ヶ月連続で鈍化
・(人手不足和らぎ要素③)求人件数は1005万件(前月から▲111件)
・(引き締め継続要素①)コロナ前に比べて全体的に高水準である
②世界の外貨準備の減少率、過去最大
2022年4~6月期の世界の外貨準備の減少率は、前期比4.1%減と過去最大の減少率となった。
・原因は、米金利上昇によるドル建て資産の下落の影響が大きい
・日本の9月の外貨準備高も前月比4.2%減少(減少率、減少額ともに過去最大)
・日銀が9月22日に行った円買い介入は「米国債を売却する形」だった
・外貨預金を使うとの見方もあったが、9月末の外貨預金は前月とほぼ同額だった
・日本以外にも、トルコ、インド、インドネシア、韓国、ブラジルが為替介入を実施
個別銘柄関連トピック
①サムスン電子、コロナ後初の営業減益
韓国サムスン電子は、コロナ後初の営業減益となった。コロナ禍の一服により在庫が増加。それに伴う半導体メモリーの価格下落が響いた。
・7~9月期、営業利益は約1兆1100億円(前年同期比▲32%)
・7~9月期、売上高は前年同期比+3%増
・20年は巣ごもり需要やサプライチェーンの混乱もあって、部品から最終製品までを一貫で手掛けるサムスン電子の業績に追い風だった
・ただ、コロナ禍が一服し、在庫が増加。それに伴う半導体メモリーの価格が30%以上下落し、利益を圧迫した。
②高島屋、純利益+3.7倍
高島屋は、2023年2月期の連結純利益が前期比+3.7倍になる見通しだと発表した。
・2023年2月期、売上高4300億円(前期比+13%)
・2023年2月期、純利益200億円(前期比+370%)
・(要因①)コロナ禍による行動制限が解除され、主力の百貨店事業が回復
・(要因②)円安による海外子会社の利益が押し上げられた
・(要因③)埼玉にある大宮駐車場の譲渡に伴う、特別利益47億円も純利益に寄与
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