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【9月9日】マーケットレポート 『欧州中銀、0.75%利上げへ』

本日の市場

●株式市場(9/8の終値)

ダウ:31774.52(+193.24)
ナスダック:11862.12(+70.22)
S&P:4006.18(+26.31)

…8日に行われたパウエル議長の講演では、金融政策に対するタカ派的な姿勢が再確認されたが、真新しい情報はなかった。米欧の金融引き締め姿勢が強まるなか、3指数揃って上昇したことから、9月FOMCの大幅利上げを市場はすでに織り込んでいるのではないかと考えられる。
日経平均:28065.3(+634.98)
…前日の米国株式市場が上昇した流れを引き継ぎ、買いが優勢。また、トピック②にもあるように「売られすぎ」銘柄を中心に反発したことも上昇要因となった。

●為替相場(9/9 5:46時点)

1ドル = 144.07 - 15(円安↑)
…ECBによる0.75%の利上げ決定やFRBによるタカ派姿勢の継続など、日本と他国での金利差拡大、そして、ドルの総合的な強さを示す名目実効為替レートが過去最高を更新するなど、歴史的なドル高により、円売り・ドル買いが優勢となった。

本日のトピック

①欧州中銀、0.75%利上げへ

欧州中央銀行(ECB)は、政策金利を0.75%引き上げると決めた。ユーロ圏の消費者物価指数は伸び率が前年同月比で9.1%と4ヶ月連続で過去最高。
ロシアからの供給不安で天然ガスの価格が最高値を更新。今秋にかけて光熱費が跳ね上がる恐れがあるほか、食料品、サービスが値上がりするなどのインフレ懸念が広がる。
ECBは当面、景気より物価の安定を優先させる構えを見せており、インフレと景気後退が同時に進む「スタグフレーション」への懸念が強まっている。

②日経平均「売られすぎ」銘柄反発するも、注意が必要か?

8日の東京株式市場では、前日時点で25日移動平均からの下方乖離率(移動平均線に対し、価格がどれくらい下がっているか)が大きくなっていた銘柄の上昇が目立った。
25日移動平均からの下方乖離率が5%を上回ると、「売られすぎ」と意識されやすい。日経平均は7日に約1ヶ月半振ぶりの安値をつけており、値ごろ感の出てきた銘柄に買いが入りやすい地合いだった。
しかし、8月米CPIの発表や9月FOMCを控え、その内容次第では再びリスクオフに傾く恐れもあり注意が必要だ。

③ドル、名目実効為替レート過去最高

ドルの総合的な強さを示す名目実効為替レート(幅広い貿易相手国・地域間での総合的な通貨の強さ)が過去最高を更新した。足元では、132.56となり、新型コロナウイルス感染拡大で世界経済が混乱し、基軸通貨のドルへの需要が高まった20年3月の過去最高(132.55)を上回った。FRBは3月から計4回利上げを実施しており、ドルに資金が集まっている。

④AR市場、26年には市場規模3倍になる見込み

現実世界と3次元モデルを組み合わせるAR市場の市場拡大が見込まれている。ARの活用は「ポケモンGO」などのアプリだけでなく、ビジネス用途でも広く浸透してきた。例えば、ニトリの家具を擬似的に部屋に設置して試すアプリやスニーカーを擬似的に試着できるアプリなどがある。
AR市場拡大の背景にあるのは、センサー「LiDAR(ライダー)」の低価格化だ。ここ10年の間に、同等の性能で100分の1以下の価格となった。
今後さらに安価で小型なセンサー開発が進めば、スマホ以外のデジタル家電への搭載が進む可能性もある。

⑤ゼロゼロ融資、月末終了

政府は新型コロナウイルス禍で業績が悪化した中小企業の資金繰りを支えた「実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)」を9月末で終了すると発表した。
コロナ禍3年目の22年から返済が本格化し始めるため、複数の借入金を1本にまとめて長期で返済する借り換え保証などの仕組みを検討する。

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