24/02/10 映画館で見る音MADに参加

「映画館で見る音MAD」というR.M.さん主催の試写室を借りて音MADをたくさん見る会があり、ありがたいことにこれまで開催されている分にはすべて参加させてもらっている。今日はその第三回があった。

第一回は未知の環境に対しておもしろさを探りながら動画を選ぶ感じがあり、第二回では前回の知見を踏まえてシネスコで合作を作って流したり凝ったセットリストを組んだりと少し成熟した感じがあったので、それらを経た第三回では音MAD群がどのような様相を示すのか楽しみだった。前回までとの大きな違いとしてセットリストの事前編集が可能であったので、要するに音MAD-mixを作って流せる可能性があるということになる。音MAD-mixは時に作者自身の音MADよりも作者性について雄弁な場合があるので、誰が何をしてくるのかな、という期待も重なって一層興奮が高まっていた。

感想は……素晴らしかった!どのセットリストも選者各人の選び方の核が見え隠れするような塩梅が心地良く、音MADを塊として見ることの面白さを強く感じた。毎回驚くのだが全く見たことの無い動画も出てくるし、知っている動画だが流れの効果によって印象がガラリと違うようなこともあり、始終新鮮な体験であった。特にある1つのセットリストについては、音MADを言語として扱って一連の物語を示すことを高度に実現している最高の仕上がりで、実際に映画を見終わった時に感じるような余韻があった。少し泣きそうだった。

持ち時間15分というルールなので、10~20個の動画で各々コンセプトのあるリストを作ってくるであろうことは予想しており、実際そうだった(リストの濃さは予想以上に良かった)のだが、自分が選んだ動画は3つに絞った。

No Point In Rebellion (2019 Remastered QHD60)
25 Passion-06[Getsumendrillliner]
散んぐりまんぐり

音MAD-mixを作る構想はあったものの、修論明けであまりに時間が無かったこと、どの方向性のコンセプトも誰かと被るイメージが離れなかったことを理由(a.k.a 言い訳)に断念した。そこで、最小の選択で最大の情動を起こさせるにはどうするか?という方向性にシフトし、その足掛かりとして自分が何度も繰り返し見ている月面ドリルライナーさんの音MAD-mixを選んだ。「余情(仮)」というテーマで公開されたこのmixは、7年経っても色褪せるどころか強度を増しているような気さえするので、大画面と大音響で見た時に"余情"がどのように感じられるかを体験したかった。あと、見てない人がいたら是非見てほしいなと思ったので選んだ。

月面さんのmixを軸に、最初(1本目)と最後(3本目)の動画を選ぶことにした。1本目は、+TEKさんのNo Point In Rebellionを選んだ。最近見返して本当に素晴らしい動画だなと改めて感じたことが記憶に新しかったことと、深い残響のある音像を映画館で聞きたかったのが主な選出理由になる。あと、普通のYTPMVと違ってオブジェクトが点滅しているので暗室における光の効果が出やすいかなと思った。始まり方にもキレがあり、2周してからさやかメインのラストに入った時の盛り上がりも好きだったので、開幕として流れに引き込むにはすごく良いなと思って1本目として確定した。

1本目で引き込んだ後に、ぶった切って一人の人間の宇宙観のようなものを見る。このmixは詰め込まれている内容が本当に多く、おさらいを通じてエンドロールまで一本で完結してしまうので、ここで終わっても良い感が出る。そこから更にブッ飛ぶことを考えて、元日の10選終わりで見て個人的にブッ飛ばされた散んぐりまんぐりを3本目として選んだ。大画面/大音量で体験するミラーボールも重いキックもkuronuriのREMIXも最高だった。15分の締めとしてラストの余韻も素晴らしく、流れ終わった時の盛り上がりはすごく大きかった。ここで聞くことができて良かった……。

以上、3つの動画だけ選んできっかり15分!流れのあるセトリというものは3つでも成立するのでは、という思い付きから生まれた挑戦としての側面もあったが、個人的には上手くいったようで嬉しかった。また機会があった時には別の選び方をしてみたいね。皆様お疲れ様でした。すごく楽しかったです!

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