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FUJI ROCK2021開催に対して思うこと

この文章を書いている今日、2021年8月22日は、今年開催されたFUJI ROCK FESTIVAL2021の最終日だ。国内のコロナウイルスが感染力の強い変異株に置きかわり、感染が急増している中での開催に当たっては、様々な物議を醸し、当然、否定的な意見も多数出た。自分も、音楽に助けられ、音楽を心から愛する一リスナーとして、また、フェスの開催地である新潟出身として、なかなか言葉に出来ない複雑な思いがある。しかし、フェスの主催者や参加アーティストが一方的に非難されている今の風潮に居ても立ってもいれず、この拙い文章に思いを刻む事にした。最初に書いておくが、自分は今回の有観客開催は支持していない。しかし、気持ちで言えば61対59でのギリギリの気持ちで不支持だし、もっと正直に言えば、そもそも支持するかしないかの二択でなど決められない。その理由を書いていく。


・本当に中止や無観客が“当たり前”なのか

「何故無観客開催にしないんだ、もっと規模の大きい五輪だって無観客にしたのに」「無観客ならいくらか支援したのに」これはフェスの有観客開催に当たって、かなり出た非難だろう。これを言う人の気持ちはわかる。人命にかえられるものはない、その通りだと思う。国内の医療が逼迫し、コロナの対応をしている医療従事者の方達も、相当追い詰められているだろう。入院が出来ず、自宅療養を迫られ、悲惨なケースも生まれてしまっている。そんな中での有観客開催なのだから、非難の的になるのは避けられないし、クラスター感染が起これば、今後のフェスの存続や他のイベントにも大きく響く。自分も開催を支持出来ない理由の一つだ。が、願わくば主催者側や参加アーティスト、それに携わる飲食やイベント業などの人達も、もう相当に追い詰められている事にも思いを馳せてほしい。彼らもまた、苦悩しつつギリギリの決断を迫られているのだ。参加アーティストもかなりリスクを取っている。十分な支援もない中、自分達のスタッフらの生活もある。人の命にまで関わる決断の中、その心の内には、強い葛藤があるだろう。そして音楽フェスと五輪では、全く内情や仕組みが違っていて、そんな簡単に無観客に変えられるものではないのだ。これに関して自分の拙い文章ではとても書き表せるものではないので、いくつかリンクを貼っておく。


これらのリンクを読んで頂ければ、音楽業界やフェスに携わる業種の人達の苦悩が、ある程度伝わるのでは、と思う。参加するのも辞退するのも、本当にギリギリの辛い決断なのだ。自分は、有観客開催は支持しない。しかし、中止や無観客が当たり前とか、参加オファーのあったアーティストは辞退して当たり前とか、そんな冷たい言葉は口が裂けても言えない。そもそも、十分な補償あっての中止や無観客だとも思う。だから支持か不支持か、二択でなんて選べないのだ。そして今回のフェスには、自分の大好きなアーティストも複数参加している。彼らが非難の的になってしまう事がとても悲しいし、辛くて見ていられない。これが有観客開催を支持出来ない方に気持ちが引っ張られる二つ目の理由だ。
非難する人達に意見を変えてほしいなどとは思わないし、反対されるのも仕方ないと思う。だけど、音楽業界の窮状もわかった上で、彼らの苦悩にも目を向けた上で批判してほしいのだ。

最後に、ただただ無事に終わってほしい。そして来年もフェスが続く事を心から願う。

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