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初めての同窓会で見知らぬ女性に声を掛けられた

4年前の連休中、卒業後初めての高校同窓会があった。

その会で私に駆け寄る女性がいた。見覚えも聞き覚えも無い女性だったが、私の姉と同じバレエ教室に通っていた時期があった、という。

9クラスあったその高校では3年間、私はずっと男子クラスだった。1年生の時、音楽系のクラブに所属していたがすぐに辞めてジャズロックやアメリカンロックのバンドを組んだ。同窓会当日は再会セッションで登壇したが、彼女が私に声を掛けたのは受付すら始まっていない時間だった。

姉は、小学生の時から地域のバレエ教室に通っていた。私も小さい頃、母親に連れられて何回か練習を観たことがあるが、小学校高学年以降は恥ずかしく、練習もおさらいも観ることは無くなった。彼女との接点はほとんどゼロと言っていいと思う。クラスも違い中学校も違う彼女が何故、42年も経った私をすぐに発見出来たのだろう?

姉は高校を卒業し、バレリーナへの道に進んだ。プリンシパルには成れなかったがそこそこの有名バレエ団に所属し、地域の練習場を借りて結婚するまで、バレエ教師を勤めた。

彼女が高校卒業後、バレリーナを目指したかどうかまでは聴かなかった。もし彼女が当時、少しでも私に気持ちがあって私と一緒になっていたとする。彼女の実家は駅のほとんど前の一等地にあった。そしてもし彼女が一人娘だったら自宅を改装し、私の姉を招いてのバレエ教室を開いていたかもしれない。

そうなれば今頃は、髪結いの亭主となっていたかもしれない。

残念だ。

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