いつもどおり、いままでどおり好きなように

四十九日。


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『 いつもどおり、いままでどおり好きなように 』

病院の外へ出るとけっこう寒くて
おじいちゃんの背広をぶかっと羽織ってみた
こんなに大きな背中だったんだな
まるで抱きしめられてるような気分だったんだ

集中治療室 3,4分の会話に
俺の全人生をそのままぶつけようとした
親戚は全員で35人以上だよ
韓国や札幌からもみんな集まった

明日になったらさ 全部うまくいくよ

2つ目の病院の窓の外の景色は
東京タワーがぐさりと青空さしてた
4つ目の病院のベッドは廊下側だったな
その目には景色ではなく心を映してた

人生は一筆書きと誰かが言ってた
本当にそうかな何度も墨を付け足したろ
墨汁を注ぎ足して 何枚も半紙を破って
人生という字を何度も書き直したんだろ

明日になったらさ 家に帰れるから

いつもどおり
いままでどおり
好きなように
夜風に紛れて聞こえたよ愛染かつら

俺がいつか死んでもし天国に行けたら
また一緒に暮らそうね
またみんなで暮らそうね

どうやって伝えればいいんだ
こんなに愛していると
どうやって伝えよう
こんなに愛しているよ

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