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真ん中バースデー

真ん中バースデーなる文化が存在する。
仲の良いキャラクター二人の誕生日のちょうど中間にあたる日を真ん中バースデーとして、主にその二人のカップリングを好む人たちが盛り上がる、そんな催し、それが真ん中バースデー。

ところでこの真ん中バースデーを1秒で算出してくれるサイトを見つけた。

これだ。
サンリオさんが言うには、自分と仲の良い友達の真ん中バースデーを調べようとの使い方が推奨されており、このサイトを使用して架空のキャラクターのカップリングで盛り上がる行為はあくまで邪道な楽しみ方であることを忘れてはいけない。

しかしこんなに良いサイトがあるのなら使ってみない手はない。
早速自分の愛してやまない虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会より、宮下愛さんと上原歩夢ちゃんの真ん中バースデーを調べてみることにした。

歩夢ちゃんの誕生日は3月1日、愛さんの誕生日は5月30日。
さて。

4月15日が二人の真ん中バースデーだそうだ。記念日が増えたね♡

これはとても便利だが、しかし細かいルールが気になる。例えば3月1日と3月4日の二人の真ん中バースデーは3月2日になるのか3月3日になるのか、これも試してみる。誰か3月4日生まれの人はいないだろうか……

いた。
早速やってみよう。

なるほど。3月1日と3月4日で入れると3月3日が出力されるらしい。
単純計算で、1日と4日を足して5、それを半分に割って2.5が出て、そこからは小数点以下繰り上げとなるのだろう。だから3月1日と3月6日で入力すれば3月4日が出力されるはずだ。

気になることはまだある。真ん中バースデーはその性質上、2つの日付の距離が最大でない限り、一組の日付の組み合わせに対して2日分存在することになる。2つの日付の距離は長いものと短いものがそれぞれ必ず存在するからだ。
例えば12月31日と1月2日の二人の真ん中バースデーは1月1日と表示されるのか、それとももっと7月くらいの1年の真ん中が出力されるのか。これも試してみよう。この日に生まれた人は……

いた。
やってみよう。

7月だ。つまりこのサイトで出力される真ん中バースデーは、2つの日付の距離の大小に関わらず、月の値が小さい方を先、大きい方を後として、それらの期間の真ん中の日付が取られている、ということになる。
12月と1月の間ではなく、1月と12月の間を取るよう決められている、ということだろう。

最後に気になるのは閏日の存在だ。
2月29日の扱いをどうしているのか、これを確かめるためには、2月28日と3月3日の真ん中バースデーと、2月28日と3月4日の真ん中バースデーを得る必要がある。
サンリオさんが閏日の存在を無視していないのであれば、2月28日と3月3日の真ん中バースデーは3月1日と出力されるはずだ。

それに加えて2月28日と3月4日の真ん中バースデーも確かめる理由は、より正確な日付を求める必要があるからだ。
このサイトの性質上、出力される日付はどうしても小数点以下を繰り上げた値になってしまうので、ただ1日と出てもそれが1日なのか0.5が繰り上がった結果の1日なのか、判断がつかないのだ。そのため、日付を1日ずらして2回確かめることで、正確な日付の値を得ることができる。自分はこれをダブルチェックと呼んでいる。
具体的には、後半の方の日付を一つ後ろにずらして、2つの日付の間の期間を広げた結果として出力される日付が変わるか否かに注目するのだ。
サンリオさんが小数点以下を四捨五入して切り上げた日付を出力していることを考えると、期間を後ろに広げて出力される日付が変わるのであれば、元に得ていた日付は小数点第1位まで正確な値であることがわかる。
その逆、日付が変わらないのであれば、元に得ていた日付は小数点以下が切り上げられた結果としての値であることがわかるのだ。

どちらかの日付を一つずらすということは、真ん中バースデーの日付を0.5日分ずらすことと同義であり、0.5日分後ろににずらした結果日付が変わるということは、元の値に0.5を加算すると値が変わる、つまり元の値は小数点第1位まで正確な整数だった、ということがわかるのだ。
これは伝わっているんだろうか。

とにかく、これがダブルチェックのやり方だ。

3月4日生まれは佐野さんに担当してもらうとして、2月28日、3月3日に生まれた人を探して、調べてみよう。
えーっと……

ちなみに命日は1月28日らしい。

よし。

2/28と3/3の真ん中バースデーは3/1

このことから、サンリオさんが閏日生まれの子も一切取りこぼしていないことがわかる。まあサンリオさんほどの企業が閏日生まれの子の存在を考慮しないなんて、そんな排他的なことをするとは思えないので、この試行に意味はなかったのかもしれない。しかし何事も自分の目で確かめておくことが大切だ。
またそれに加えて、

2/28と3/4の真ん中バースデーは3/2

ダブルチェックの結果から、2月28日と3月4日の真ん中バースデーとして表示されているこの3月2日というのは、3月1.5日が繰り上がった結果の3月2日であることがわかる。日付を1つ後ろにずらす、つまり期間の幅を後ろに増やしたことで出力される日付の値が変わるのなら、0.5ずつ変化していくであろう真ん中バースデーが、3月1日から3月1.5日に変化したと言えるのだ。
このことから、先ほど得られた3月1日というのが3月1.0日であったことも同時にわかる。今後、このダブルチェックは何度も行うことになる。

これであらかたルールはわかった。
・日付が少数を取る場合には小数点以下が繰り上げられた日付が出力される
・真ん中を取るのは日付を1月から順番に並べたその間の期間から
・閏日の存在は無視されていない

こんなところだろうか。あとサイトのルール上、わざわざ律儀に二人の名前を入力しなくても真ん中バースデーの日付は得られる。

ルールがわかったところで、次は自分も真ん中バースデーを出力する技術を習得したいと思った。
わざわざサンリオさんに頼らなくても、即座に2つの日付の真ん中を言い当てることのできる技術が、欲しい。飲み会の席とかで披露したい。
人間サンリオと呼ばれたい。
そうと決まれば話は早く、自分は考えた。そこまで難しくない計算で真ん中バースデーを算出する方法を考えに考え、そしてようやくたどり着いた。
以下が、自分の思考の産物である。心して聞いてほしい。

まずは真ん中バースデーを知りたい2つの日付を考えよう。
ここは本当に何でも良い。好きなキャラクター同士でも良い、自分と恋人の誕生日でも良い、恋人でなくても、片思いの相手でも良い。真ん中バースデーを知る権利は誰からも阻害されることは無いのだ。安心して2つの日付を思い浮かべて欲しい。
では行こう。

①2つの日付の月の値を見て、早速以下の2つに場合分けを行う。
 Ⓐ 2つの月の値が偶数同士、もしくは奇数同士
 Ⓑ 2つの月の値が偶数と奇数
この2つだ。例えば先ほどの歩夢ちゃんと愛さんの例でいくと、歩夢ちゃんが3月、愛さんが5月なので、奇数同士でこの場合はAに振り分けられる。
次の操作はAの場合でもBの場合でも同様だ。

②2つの日付を先と後に分ける。

単純に、1月から12月まで日付を並べて、先にやってくる方が先、後にやってくる方が後、というだけの簡単な話だ。
歩夢ちゃんと愛さんの例で行くと、3月1日の歩夢ちゃんの日付が先、5月30日の愛さんの日付が後、ということになる。

次もA、Bともに同様だ。ここから少し複雑になっていく。

③先の日付の日の値を先の月の最大の日付から引く。

日本語が難しいので歩夢ちゃんと愛さんの例を用いて説明しよう。
歩夢ちゃんの誕生日は3月1日、今回この日付を先としているので、ここの日の値を取る。この場合1日なので1だ。そして、先の月の最大の日付、歩夢ちゃんの場合は3月が31日まであるため、31ということになる。
先の月が4月だったら30だし、2月だったら29だ。この値から、先ほど得た日の値を引いて、差を得たい。
歩夢ちゃんの場合、日の値が1、先の月の最大の日付が31なので、31-1=30ということになる。
例えば先の日付が4月15日の場合は、日の値が15、先の月の最大の日付は30なので、30-15=15となる。
ここで得た値を③の値としよう。自分の例の場合、③の値は30だ。

次の操作もABの場合分けは必要ない。

④ ③の値が得られたら、後の日付の日の値から、③の値を引く。

自分の例だと、後の日付は愛さんの5月30日であり、ここでの日の値は30となる。ここから③の値を引くので、30-30=0となる。ゼロが出てしまったがこれは問題ない。なんならマイナスの値が出ることもあるが、それも問題ない。この値を④の値としよう。

ここから、AとBで場合分けが発生する。
まずはAの場合から考える。

【Aの場合】
今までは真ん中バースデーの日の値ばかり考えてきたが、ここで一旦月の値を考えることにする。Aの場合、月の値を得るのは簡単だ。
⑤2つの日付の月の値の和を取って、それを2で割る。

Aは偶数偶数、もしくは奇数奇数の場合のみなので、ここで小数が出てくることは無いはずだ。自分の例の場合、3月と5月を足して8、2で割って4、つまり求めたい真ん中バースデーの月の値は4ということになる。二人の真ん中バースデーは4月だと、ここでわかるのだ。

ただ、数こそ少ないものの例外があって、2つの日付によってはこの後の操作で月の値がズレることがあるのだが、それはまた追々説明する。

⑥ ⑤で得られた月の最大の日付の日の値と、④の値の和を取る。

月の最大の日付のルールは先ほど説明した通りだ。自分の場合、4月の最大の日付は4月30日なので、日の値は30になる。これと④で得た0を足し合わせるのだ。つまり自分の例の場合、ここで得られる値は30+0=30ということになる。これを⑥の値としよう。
話が難しくなってきた。

⑦ ここが最難関だ。ここでとあるチャートから得られた値を用いる必要があり、このチャートの説明というのがまあ面倒くさいので、チャートの詳細は一旦置いておくことにする。
今のところは、
・チャートから得られる値には4種類あって、-1、0、1、2であること。
・2つの日付の月の値の組み合わせによってチャートから得られる値が決定され、すべての組み合わせがこの4種類のどれかの値を取ること。
・このチャートはAの場合でもBの場合でも使用すること。
あたりが理解できていれば今後の計算に支障をきたすことはない。

とにかく、ここで得た-1なのか0なのか1なのか2なのかわからない値を、⑥の値に足すのだ。
自分の例の場合、3月と5月の組み合わせはチャートから0が得られるため、30(⑥の値)+0=30ということになる。これを⑦の値とする。

⑧ ⑦の値を2で割る。それが日の値となる。
自分の例の場合、30÷2=15。つまり日の値は15だ。
⑤で月の値は既に得ているので、これで求めたい月の値と日の値が、真ん中バースデーの日付が得られた。歩夢ちゃんと愛さんの真ん中バースデーは、4月15日ということになる。

以上がAの場合の計算方法だ。次にBの場合の方法について書く。

【Bの場合】
ちなみに、ここに至るまでのプロセス、AとBで分岐するまでの道筋をもう一度書いておくと、

①2つの日付の月の値を見て、場合分けを行う。
②2つの日付を先と後に分ける。
③先の日付の日の値を先の月の最大の日の値から引く。
④ ③の値が得られたら、後の日付の日の値から、③の値を引く。

ということになる。ここでも例を用いたいので、先ほど調べたボルボ西郷氏の誕生日である12月31日と、愛さんの誕生日である5月30日、この二人の真ん中バースデーを調べることにする。
月の値は5月と12月で、しっかり奇数と偶数に分かれている。ちなみに先が奇数でもいいし偶数でもいい。後が奇数でもいいし偶数でもいい。ここは順不同だ。奇数と偶数が異なっていればそれで良い。
④までの操作をこの二人の場合に適用すると、
① はもう終わっていて、
② この場合、先が愛さんの5月30日、後がボルボ氏の12月31日となる。
③ 先の日付の日の値は30、先の月の最大の日付の日の値、5月は31日まであるので、これは31。31-30=1なので、③の値は1となる。
④ 後の日付の日の値は31、③の値は1なので、31-1=30。④の値は30だ。

ちなみに、サンリオさんによると、この二人の真ん中バースデーは、

9月15日だそうだ。
ただ、これだけだとこれが純粋な9月15.0日なのか9月14.5日が繰り上がった結果なのかの判断がつかないので、期間を一日だけ増やして再度確かめる、あのダブルチェック方式を取る必要がある。ただ、ボルボ氏の誕生日が年末で、これを後ろに1日ずらすと次の年が訪れてしまうため、今回は前の日付、愛さんの誕生日の方を一つ前にずらすことでダブルチェックをしている。どちらをずらしてもダブルチェックとしては機能するのでダブルチェックのやり方は人それぞれで良いだろう。

日付が変わった。

1日期間を前に増やしたことで日付が14日に変化したということは、真ん中バースデーの日付が0.5日分過去に遡ったことと同義であり、そこからこの日付が純粋な9月14日を表し、先ほど出力された9月15日というのが、9月14.5日の繰り上がりの結果としての9月15日であることが分かった。
これがダブルチェックの必要性だ。わかってもらえただろうか。

とにかく、求めるべき真ん中バースデーの日付は、9月14.5日ということになる。ここからこれを計算で求めよう。


④の値は30というのが既に得られているので、⑤の操作から始める。

⑤ 2つの日付の月の値の和を取って、それを2で割る。
操作自体はAの場合と同じなのだけど、ここで異なるのはBの場合だと小数点が発生してしまうことだ。
自分の例で言えば、5+12=17で、これを2で割ると8.5と、正確な月の値が得られない。そこで、発想を少し変える。ここは得られた値をそのまま信じて、8.5月と捉えてしまうのだ。つまり、8月と9月のちょうど中間に、今自分がいると考える。真ん中バースデーは8月か9月、この二択まで絞った状態だと思ってもらえればそれで良い。
そして次の操作に移る。

⑥ ④の値に、先ほども登場したチャートから得られる値を足す。

チャートの再登場。チャートの説明はやはり後回しにするとして、一旦ここは飲み込んで欲しい。チャートの流れこそ異なるが、ルールに関してはAの場合と全く同じだ。-1か、0か、1か、2の四通りの値のどれか、ということだけ覚えておいてもらえれば、今はそれで良い。
ちなみにチャートによると、5月と12月の組み合わせから得られる値は、-1となる。
④の値に-1を足すと、30-1=29という値が得られる。これを⑥の値としよう。

⑦ ⑥の値を2で割り、先ほど⑤で得られた月の値と合わせて、最終的な日付を得る。

自分の例の場合、⑥の値は29なので、これを2で割ると14.5という数字が得られる。話はここからだ。
この14.5というのは日の値に関するものであり、ここから月の値と日の値を同時に弾き出すことができる。

ここで得られる値が、正の値であるか負の値であるかに注目して欲しい。

今現在の状況として、求めたい真ん中バースデーは8月か9月のどちらかであることがわかっている。⑤で8.5という月の値を弾き出していることから、ここで自分が8月と9月の狭間にいると考えてみて欲しい。言うなれば9月0日にいると思ってもらって問題はない。
先ほど得られたのが正の値ならば、あなたは時の流れに沿えばよい。
先ほど得られたのが負の値ならば、あなたは時の流れに逆らって、時間を遡って欲しい。

自分の例の場合、14.5は正の値であるため、9月0日から正常に時を進めて、9月14.5日という結果が得られる。
この日付は先ほどダブルチェックを通して得られた日付と一致する。

これが-14.5だったのなら、自分は時を遡る必要がある。
つまり、9月0日から8月を遡るのだ。8月は31日まであるので、31-14.5=16.5。つまり8月16.5日が、-だった場合の真ん中バースデーとなるのだ。

以上。これが基本的な操作になる。

恐らくこのやり方で間違いはない。死ぬほど面倒に思えるが、慣れてしまえばそう難しい計算でもない。

早速適当な二人の真ん中バースデーを今紹介したやり方に則って算出してみよう。
なにか有名な二人組、誰が良いだろうか……。
そうだ、おすぎとピーコの二人にしよう。

ごめんなさいおすぎとピーコ双子でした。

誕生日の話をするならやっぱりこの人がうってつけだろう。林家ペーパーさんの真ん中バースデーを算出してみる。
パー子さんが8月13日、ペーさんが11月29日だそうだ。
まずはサンリオさんの答えを聞こう。もちろん、ダブルチェックも欠かさずに。

8/13と11/29の真ん中バースデーは10/6

ダブルチェックをする。期間の範囲を後ろに1日だけ増やして……。

期間が前に増えて日付が変化したため、最初に得られたペーパーさんの真ん中バースデーは、純粋な10月6日であったことがわかる。
それではこの日付を算出してみよう。

①2つの日付の月の値を見て、場合分けを行う。

月の値は偶数と奇数なので、Bの場合に振り分けられる。

②2つの日付を先と後に分ける。

パー子さんの8月13日を先、ペーさんの11月29日を後とする。

③先の日付の日の値を先の月の最大の日の値から引く。

先の日付の日の値は13、先の月は8月。
8月は31日まであるので、31-13=18

④ ③の値が得られたら、後の日付の日の値から、③の値を引く。

後の日付の日の値はペーさんの29。29-18=11

⑤ 2つの日付の月の値の和を取って、それを2で割る。

8+11=19、これを2で割って9.5、つまり求めたい真ん中バースデーは9月か10月ということがわかる。自分の場所を、10月0日に定める。

⑥ ④の値に、チャートから得られる値を足す。

8と11の組み合わせでチャートから得られる値は、1なので、これを④の値に足す。11+1=12

⑦ ⑥の値を2で割り、先ほど⑤で得られた月の値と合わせて、最終的な日付を得る。

12÷2=6 これは正の値なので、自分は時の流れに身を任せれば良い。10月0日から6進んで、10月6日。林家ペーパーさんの真ん中バースデーは、10月6日ということになる。

サンリオさんの言った通りの結果を得ることができた。この計算式の正しさがわかってもらえただろうか。


ここからはいくつかある例外のパターンと、そして一番重要なチャートの説明をしたい。

【例外パターンについて】

例えば、1月31日と3月31日の真ん中バースデーを考える。
これはサンリオさんによると3月1日という日付が出力されるのだけど、しかし先ほどの文章を振り返ってみて欲しい。

【Aの場合】
今までは真ん中バースデーの日の値ばかり考えてきたが、ここで一旦月の値を考えることにする。Aの場合、月の値を得るのは簡単だ。
⑤2つの日付の月の値の和を取って、それを2で割る。

ついさっき

今回の例で考えると、1月3月で共に奇数であるため、Aの場合に分類でき、そこから月の値は1+3=4の半分、つまり2月が求めたい真ん中バースデーであるはずだ。しかし実際サンリオさんが言うには、真ん中バースデーは3月1日と、2月ではない。
これはどういうことか。
先ほどの文章の通りに手順を進めてみればその理由がわかる。

1月31日と、3月31日。
①2つの日付の月の値を見て、場合分けを行う。

前述のとおりAの場合に分類できる。

②2つの日付を先と後に分ける。

1月31日が先で、3月31日が後。

③先の日付の日の値を先の月の最大の日の値から引く。

先の日付の日の値は31、先の月は1月。
1月は31日まであるので、31-31=0

④ ③の値が得られたら、後の日付の日の値から、③の値を引く。

後の日付の日の値は3月31日より31。31-0=31

⑤2つの日付の月の値の和を取って、それを2で割る。

これは先ほどもやったように、1+3=4
これを2で割って2、一旦、2月が求めたい真ん中バースデーの月の値だと仮定する。

⑥ ⑤で得られた月の最大の日付の日の値と、④の値の和を取る。

2月は閏日である29日まであるので、29+31=60

⑦ チャートから得られた値を⑥の値に加算する。

チャートから、1月3月の組み合わせから得られる値は0である。
60+0=60

⑧ ⑦の値を2で割る。それが日の値となる。

60÷2=30。これが日の値となるわけだけど、しかし待て。
得られた結果は2月30日と、存在しない日付になってしまっている。
2月の30日というのはつまり2月29日の次の日のことであり、それは3月1日を指す。そのため、求めたい月の値が変わってしまっているのだ。
正確な真ん中バースデーは、3月1日であることが計算からわかった。
計算が適用できない特定かと思いきや、正しく手順を重ねていけば正確な真ん中バースデーが得られる。自分の確立した計算法の凄さが少しは伝わっただろうか。

さあいよいよクライマックスにして最難関、チャートの説明をしたい。

【チャートについて】

そもそもここまでの計算がどのような意図をもって行われているかを簡単に説明しておく。
2つの日付の中間を考えるために、まず先の日付の月があと何日続くか、後の月が何日続いているか、これが重要になってくるのだ。前者を計算しているのが③に当たる部分で、④の部分では後者の値と前者の値の差を取ることが目的となっている。
ここの差を取ることで、2つの日付の中間を基準として、前半と後半の距離にどれだけ開きがあるかを算出することができる。
例えば先ほどの1月31日と3月31日の例で言うと、1月は残り日数は0日、3月の経過した日数は31日と出ているため、この場合は3月側に31日分偏っているんだな、ということが④の計算からわかるのだ。
ここから、2つの月の中間に向けて進んで行く中で、暦の面倒くささが計算を邪魔してくる。
月ごとの最大日数に規則性がまったくないせいで、わざわざチャートなんて面倒なものを考えなければいけなくなるのだ。
1月、3月、5月、7月、8月、10月、12月。これが31日まである月。
4月、6月、9月、11月。これが30日まである月。
そして2月の29日。
こんなにランダムなことがあってたまるか。1,3,5,7ときてパターン見えてきたよと楽しそうだった厚切りジェイソンが、8を皮切りに唐突に偶数パートに突入したせいで機嫌を著しく損ねてしまった。

例えば、3月と9月の中間を考えたい。
この間にあるのは4月、5月、6月、7月、8月であり、これら月の最大日数はそれぞれ、30日、31日、30日、31日、31日となる。
セオリー通りに行くと月の値は3+9=12÷2から6月であることがわかり、6月を中間と考えてみると、左側、4月と5月の合計日数は61日なのに対して、右側、7月と8月の合計日数は62日と、右側に1日分偏ってしまっているのだ。
この1日が、計算を狂わせる。いっそのこと毎月30日まであれば計算ももっと楽だったのに。この暦を決定したのは一体誰なんだ。
このことから、④の操作で得られた偏りに、月ごとの最大日数の違いにより生じたこの些細な偏りの値を加算し、より正確な値を得ることが必要になってくる。

・チャートから得られる値には4種類あって、-1、0、1、2であること。

ついさっき

この4種類というのが、些細な偏りの値のことを指している。2つの月の組み合わせがどれであろうと、生じる偏りは必ずこの4種類のどれかに分類される。

チャートは2つの日付の月の値にだけ注目して偏りの数字を弾き出す。
2つの日付の月の値がそれぞれ、奇数×奇数の場合、偶数×偶数の場合、奇数×偶数の場合の3通りのチャートが存在する。
なお、2つの月の値の差が2以下であるときは、ここで得たい偏りの値は全て0になる。チャートを用いるのは、2つの月の値が3以上開いている時だ。

また、月ごとの組み合わせにより生じる偏りの値は、効率を考えるのであればこんなチャートに頼らずすべてを頭に叩き込んでしまった方が早い。
チャートと言っても無理矢理場合分けをしたようなものだし、これが一番早い方法というわけではないのだ。今から示すチャートは暗記をするサポート程度のものなので、このチャートを使用しなくても計算が行えるようになるのが最終目標だ。

まず奇数×偶数のチャートから。これが一番複雑だと思う。

YはYes、NはNo

これ。もっと簡単にできそうなものだけど、自分の能力ではここまでが限界だった。
7月と12月の場合を考えてみよう。先が7月、後が12月とすると、先は1月ではないのでN、月の和は7+12=19で13以上なのでY、月の和が19以上なのでY、先は7月なので、一番左を下って行って、この場合の偏りは0となる。
実際、7月と12月の間を埋めるは8、9、10、11月でありそれぞれの月の最大日数は順番に、31日、30日、31日、30日。中心を10月と11月の中間に定めると、左側右側共に61日分の日付が存在し、ここに偏りがないことがわかる。
1月と4月だとどうだろうか。
先が1月なのでY、後ろが4の倍数なのでY、ということで偏りは2である。
1月と4月の間は2、3月であり、最大日数はそれぞれ29日、31日で、その差は2日分。やはり正しい偏りの値が得られている。


次、偶数×偶数の場合。これは非常に単純だ。

あら簡単

ちなみに、差が4以上の偶数月同士の組み合わせは10通り存在し、その中で偏りが-1になるのは、4月/12月、6月/10月、6月/12月の3通りのみ。あとの組み合わせは全て偏り0なので、こんなチャートを作るまでもなくそちらを直接覚えてしまった方が手っ取り早い気はする。

次、奇数×奇数。

こっちは黒猫のジジ

偶奇のチャートの後に見るとかなりシンプルに見える。
先ほど例に挙げた3月と9月で考えると、先が1月ではないのでN、後が11月でないのでN、後が9月なのでY、ということで偏りは1となる。

例えば、3月と9月の中間を考えたい。
この間にあるのは4月、5月、6月、7月、8月であり、これら月の最大日数はそれぞれ、30日、31日、30日、31日、31日となる。
セオリー通りに行くと月の値は3+9=12÷2から6月であることがわかり、6月を中間と考えてみると、左側、4月と5月の合計日数は61日なのに対して、右側、7月と8月の合計日数は62日と、右側に1日分偏ってしまっているのだ。

ついさっき

偏りは1、これも正しい。


これが真ん中バースデーのすべてだ。チャートのあたりが少々面倒なものの、そこを頭に入れれば計算はそこまで難しくないので、数回練習すれば宴会で披露できる程度の特技にはなってくれるんじゃないかと思う。

以下に実用例を示しておこう。

「あのですねぇ、俺、二人の誕生日を聞けば、即座に二人の真ん中バースデーが計算できるんですよ!」
まずこう。
次に飛んでくる言葉は簡単に想像できる、「真ん中バースデーってなに?」これだ。そこであなたはスマホを取り出して、例のサンリオさんのサイトを開いてそれを見せよう。そして宣言する。
「これっす!これを、自分は暗算で求められるんす!」こう。
あなたがサンリオを嗜みそうにない人間なのであればギャップで軽く一受けも狙えるだろう。
そして適当に二人をピックアップして、二人の誕生日を聞き出そう。
ここで、もしあなたが親しくなりたいなと思う人がいれば、ゲームの流れに乗じてその人の誕生日を聞き出すこともできるのだ。これがこの特技を身に着ける最大のメリットであると思う。
その時聞き出した誕生日当日、「そういえば、今日誕生日だったよね?」なんて呟いて缶コーヒーでも奢ってあげれば、ささやかなポイント稼ぎができるはずだ。

そうして二人の誕生日をサンリオさんのサイトに入力させ、サンリオさんが提示する日付をバチっと即座に言い当てれば、あなたを眼差す目線の数割は尊敬の色を含んだものに変化することだろう。
日々職場で針の筵に堪えているあなたも、これで一躍人気者!

言い当てよう、真ん中バースデー!!!

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