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樋口婚(切腹婚)のすすめ#12おーい、運命の人!


この物語は、バナナがポッドキャストを通じて愛を知り、幸せに気がつくノンフィクションストーリーです。



5月4日

その日は五月晴れという言葉が素晴らしく合う
心地よい天気だった。


ここ最近の「私はたくさんの人に愛されている」
という呪文の効果か
なんか会う前からもう愛されてる気持ちになってきた。



ちょっと危ない。



とはいえ、少しの不安を抱きながら
待ち合わせ場所に向かうと

立っていたのは
写真よりもスラッとした

マスクごしでも優しそうという印象を抱く
背の高い男性だった。


そしてなぜかバックがパンパンで
ファッションは興味なさそうだなあという感じだった。


「バナナさんですか?
 Rです。今日はよろしくお願いします。」


Rさんは緊張した様子で礼儀正しく会釈してくれた。

声がトッキンマッシュのノブちゃんに
めっちゃ似てるなあ~と思いながら、

「こちらこそ、よろしくお願いします!
 じゃあいきますか!」


と私のリードで歩き出した。



「あ。今日散歩するって話だったから・・・
 これ、良かったらどうぞ」


と、歩きながらごそごそと
小さなバックから取り出したのは



「おーいお茶」2本。



あ、だからパンパンだったのか・・・


なんかもう・・・・・・



絶対良い人やん




当時徳島ではコロナ真っ盛りだったため
公園でお散歩デートをすることになっていた。


私たちはおーいお茶片手に


徳島城跡地を巡り

徳島駅近くのそごうやポッポ街をぐるぐる回り

露店で大学生が入れてくれた珈琲を買って

ヴォードウォーク沿いのベンチで飲みながら

話すこと約4時間




私は殆どの時間
コテンラジオや樋口さんの話をしてしていた。




ずっとバナナのターンだった。




またやってしまった。

あれだけ婚活パーティーで地獄をみたにも関わらず
溢れ出るコテンラジオ愛


しかもRさんが左側に来るたびに
くるくると右側に移動していた私を見て

「なにしてるの・・・?」と不審がられ

「こっちじゃ無いと落ち着かなくて。
 前世は武士だったんだろうね」

と真顔で答え、明らかに変な人発言もしてしまった。


こんなんではモテないなあと思いつつも
Rさんは全てニコニコと笑い受け止めてくれたので
ほとんど素のまま、話したい事を話していた。



そしてデート後、Rさんは私の不安とは真逆に

「また会いたい」
と、その日の内に次の約束をしてくれた。



さらに帰宅後、こんなLINEが届いた。



「今日はこんなご時世で仕事でも気にしなきゃいけない中で来てくれて本当にありがとう(^o^)(*^_^*)本当に楽しくていい時間やった(^_^)また15日の午後に迎えにいくね~(^o^)」


えーっめっちゃいい人――――
(相変わらず顔文字多いけど)


今度はちゃんとRさんの事をたくさん聞こう。


特にときめきも、出会った!という運命感もなく

おだやかに1回目のデートが終わった。


(続く)

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