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樋口婚(切腹婚)のすすめ#9 3つの贈り物

一一一一一【注意事項】一一一一一
今回の文章中に、子宮頸がんについて誤った表記・考えがあります。

気分を害される方もいると思うのですが、皆が正しく理解してもらえたらいいなと思い(これを読んでくれている方に間違った考えの方はいないと思いますが)、当時の状況・心情をありのまま書かせてもらいました。

気分を害された方、とてもごめんなさい。

子宮頸がんは所謂「キチンとした生活」をしていても、誰にでも、かかる可能性がある病気です。

10代のワクチン接種と、20歳をすぎたら定期的な検診を行えば、過剰に不安になる必要はありません。

↑厚生労働省HPより

あと、これを読むと私の父がとても酷い人間に見えると思うのですが、父は「考えを多面的に考えられない」「嘘がつけない」「自分の考えを変えるのが非常に困難」という性質があります。
この物語の終盤にも出てきますが、父なりに家族をとても大事に思っています。
(だから何言ってもいいわけではないけど)
一一一一一一一一一一一一一一一一一一





この物語は、バナナがポッドキャストを通じて愛を知り、幸せに気がつくノンフィクションストーリーです。





苦渋をなめていた婚活ではあったけど
(#7抜けだせない婚活地獄参照)
その後、なんとかカップリング成功し、1人の男性と会う日が決まった。

婚活と同時に始めたポッドキャストでは、番組の感想を貰えるようになったり、他のポッドキャスターさんの番組を聞いたり、Twitter上でやりとりしたりして、新たな交流関係もできてきた。


ほんの少しずつだけど、明るい方向に向かっているかもしれないと思えてきた




そんな時







子宮頸がんの再再検査陽性の通知書が届いた。





実は2月上旬に、毎年受けていた子宮頸がん検査が陽性となり、再検査をしていたのだ。

その時医師から

「手術が必要かどうかを調べる検査するけど、この検査で陽性になるのは5%未満だから、まあないと思うけど・・・もしも陽性になったら、どのレベルの手術を受けるかを大病院でまた検査して、手術することになります」と聞かさせていた。



その検査結果だった。



それを見た私は

ああ、やっぱり・・・・と思ってしまった。


ここ最近は数こそ減っていたものの、約1年以上も自分に唱えつづけていたあの呪文


「私は生きてる価値がない」

「私は誰からも愛されない」

「私はなにも成し遂げられない」


体が、その呪文に、答えようとしている
と感じた。


子宮頸がんについてネットで検索してみると、怖い記事がたくさん出てきた。

周りで子宮頸がんになった人がいなかった私は、その記事しか信じるものがなくて

ただただ、怖くて眠れなかった。



次の日の朝

2021年3月3日

その日はマスターの誕生日だった。

どのレベルなのかな・・もしかして子宮なくなるのかな・・・痛いのかな・・

と考えごとをしながら運転した結果






停まっていた車に追突してしまった。






幸いにも相手と自分に怪我はなく、相手の車も少しへこんだ程度だったが、自身の車は全損状態で、とても走れる状態ではなかった。


買ったばっかりの
大好きな大好きなN-BOX…(´;ω;`)


その後事故処理をして、代車を借りて何とか職場に行ったが、正直仕事どころではなかった。


もう運転するの怖い


手術も怖い


また人に迷惑を掛けてしまった


最近ちょっとポッドキャスト始めたからって
調子に乗りすぎたんだ


やっぱり私なんか、生きてる価値ないんだ


そんなマイナスをぐるぐると考え続けてしまった。



その夜

職場の関係者に数日休む連絡をして

唯一合う約束をしていた男性にも
お断りの連絡をいれた。

正直、誰にも会いたくなかった。



だけど、1番会いたくない父から話がしたいと呼び出しをうけ、数日後、しぶしぶ実家に行った。

手術や事故の事は、母には色々伝えていたが、父とは話しをしていなかったからだ。

色々話す中、父にこう言われた。


「世の中には、本当に良い子なのに、若くして運悪くがんになってしまう子もいる。小児がんとかな、TVに出てた。本当にかわいそうだった。でもお前がかかったやつはそういうのじゃないやつだ。運じゃなくて、お前の生き方が悪いからなったんだ。自業自得だ、生き方を反省しろ」



絶句した。



子宮頸がんになった人に対してなんて失礼な
そんなわけないやろ、偏見の塊か

私だって一生懸命生きてるのに
何でそんなこと言われなきゃいけんの

私が何を頑張って何をしてきたか
何も知らないくせに

そもそも会ったこともないTVの人と私を比べんなや!


心でぶち切れて、言葉が喉まで出かけたけど、
過去の経験上、ここで反論したらとんでもなく面倒な事になる事が分かっていたから

「分かった、考える」と言って終わらせた。



帰り道、喉がぎゅーってなって、悔しくて泣いた。

どこかで、こんな時くらいは優しい言葉をかけてもらえるかもと思っていた自分に腹もたった。



反面、親からの言葉というものは、子供にとって無視しようにもできないもので。



やっぱり私が悪いのか・・・

確かに一時期
自分を言葉や飲酒で痛めつけていたし・・・

この結果をどう受け止めて
どう変わればいいんだろう・・・・・



もんもんと悩んでいた。




そんな時だ。



バンドメンバーのMちゃんから、男性が写っている1枚の写真がLINEに送られてきた。

(バナナは仕事仲間とバンド活動をしている。
ちなみにマスターはそのバンドのマネージャーでもある)



え、誰これ?



そして鳴るLINE電話

Mちゃん「バナナ~!旦那がね、バナナに紹介したい人がいるんやけど、どうかって!写真見た?バナナの好きな系統だと思うんだけど、どう?」


確かに
写真の男性は私の大好物の髭で垂れ目さんだった。


でも・・・正直何も感じなかった。


そもそも男性に会う気力がなかったのだ。


バナナ「ありがとうMちゃん、実は今、かくかくしかじかで・・・・ちょっと今は・・・落ち着いたらでもいいかな?素敵な人そうだし、もし他に紹介したい人がいればそっちに回してくれていいけん。」

Mちゃん「そうなんじゃ・・・でもこの人はバナナ以外には紹介する気ないからね、旦那もそう言ってるし!手術の事とか詳しく分かったらなんでも教えてな。私の友達も子宮頸がんになったけど、全然大丈夫だったよ。バナナも絶対大丈夫よ!」



ものすごく、嬉しかった。暖かい気持ちになった。



なんだろう・・・


この感情を大事にしたいと思った。




「子宮頸がん」

「車の事故」

「1枚の写真」


これらが、「自分が作り上げた神様」からの贈り物だったと思えるようになるのは




もう少しだけ後の話



(続く)

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