見出し画像

レジンの気泡を取り除く試み

 レジン創作をしていてぶつかる厄介な問題――気泡。
 綺麗に作るためには取り除いておきたい気泡だが、その作業は地道で大変だ。どうにか楽をして気泡を取り除きたい。

前提として

とにかく頑張って、かつ時間をかければ気泡を取り除くことはできる
 当然ながら空気の塊である気泡はレジン液よりも軽いのだから、深さのあるモールドでも放置していればいずれは表面まで上昇した気泡が自然に消滅してくれる。
 しかし、そんなに待っていられないので時短を図りたい。

予防策

気泡を生じにくいレジンの入れ方
 レジンをモールドに一度に流し込んだり、勢いよく注入すると気泡を生じやすいので避けなくてはならない。
複数回に分けて硬化させながらゆっくりと流し込むと、気泡が入りにくく、また気泡が生じてしまった場合でも取り除きやすくなる。

封入物の気泡予防
 レジン創作をしていて、封入物(中に閉じ込める物)に気泡が溜まってしまって見た目を損なうことに悩まされる方も多いのではないだろうか。
 そんな時は、事前に気泡の溜まりそうな場所をレジンで埋める処理をしておくと、いくらか解消される。

画像1

できるだけ隙間なく埋めるために筆塗りができるとなお良い。

画像2

 ちなみに今回使用する封入物の千日紅は自家製のドライフラワーを使用している。

気泡除去の試み① 爪楊枝法

画像3

 最もメジャーな、爪楊枝を使って気泡を取り除く方法。もし手芸をやっていて9ピンやTピンがあればそちらを使っても良い。
 表面の気泡であれば穴を開けて潰していくイメージで。深いところならすくいあげるようにして取り除いていく。

メリット
・安定していて、手軽な方法。
・後述の方法と組み合わせて効率よく気泡を取り除きやすい。
デメリット
・完璧に取り除こうとすると非常に手間がかかる。
・爪楊枝が封入物と接触する可能性がある。

気泡除去の試み② 湯煎法

画像4

 レジン液を温めながら取り除く方法。モールドを温めたり、注入前のレジン液を温めておく。
 湯煎にかけるとレジン液が全体的に柔らかくなるので、気泡の上昇を早めたり爪楊枝で取り除きやすくする効果を狙う。
 ヒートガンよりも低コストで、風を生じない方法である。

メリット
・気泡が表面まで上がっていきやすくなる。
・気泡が膨張するので発見しやすく、潰しやすい。
デメリット
・熱い。
・通常気にならないサイズの気泡も大きく膨張する。
・レジン液とお湯が混ざると処理が大変になる。
・封入物の花材やモールドが傷む可能性。

 着色の段階や注入前のシリンジを温めておけば、モールドへのダメージを抑えつつサラサラになったレジン液の注入ができるようになる。

気泡除去の試み③ バイブレーター法

画像5

 造形をしている人から教わった方法。モールドにバイブレーターを取り付けて放置する。
 振動を与えることで隅々までレジンを行き渡らせることができ、気泡も登っていきやすくなる。

メリット
・複雑な形状のモールドに対応できる。
・爪楊枝ですくい上げるようにして取り除く作業がほぼ自動でできる。
デメリット
・人目。
・衛生面。
・振動が強すぎたり、浅いモールドに対して使用するとレジン液が飛び散る。

気泡除去の試み④ 諦める

画像6

 今回のフタ付きのモールドのように、上部にたまった気泡が取り除きにくい場合には諦めてしまうのも一つの手だ。
 硬化後、モールドから取り外す前に気泡によってできた窪みに再度レジンを流して埋めてしまう。最後に磨いて整えてしまえばよいのだ、という考え方だ。

完成

画像7

 完全に硬化させて取り出したレジンダイス。
 バリ、湯口と表面の窪み処理のレジンを取り除いて磨き上げるとレジングッズが出来上がる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?