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【備忘録】「良い土」と根腐れ【園芸】

「良い土」とはなにか

 一般的に園芸において「良い土」とは水はけ水持ちが良い土のことである。
 水はけが良い(=水が抜けやすい)状態の土は、水が通り抜ける適度な隙間が空いている状態であることを指している。そうした水の通り道となる隙間には通常時、空気が通っていて、植物は根から酸素を吸収することができる。水もしくは土で酸素の供給が長く阻害されることがないように水はけの良さが重要になっている。
 しかし、水はけが良いだけでは水分を得ることができないため、土自体に水を蓄えておける保水力も同時になくてはならない
 そのため、水はけと水持ちの両立が園芸における「良い土」の条件となるのだ。 

 鉢植えに使用する鉢底石には、水はけ=通気性を良くする効果があるため、土の流出を防ぐ手段がほかにあったとしても使っておきたい。

根腐れ

 植物の枯れる要因に「根腐れ」というものがある。植物の根が腐ることで、水や栄養分、酸素の供給が断たれ、最終的にその植物が枯れてしまう現象(病気)のことである。
 この根腐れの原因のひとつに酸素不足が考えられる。
 用土の水はけが悪かったり、潅水(水やりのこと)のしすぎで土の中の隙間が水で満たされている場合に根が酸素を取り入れられなくなってしまう。

 土が十分に乾いてから潅水を行うように頻度を調節したり、土を新しくすることで対策できる可能性がある。
 ※古い土を使い続けていると、土の粒子が細かくなり、土の中の隙間ができにくくなってしまう。

根腐れ防止剤の効果と意義

 上記の根腐れを防止するために根腐れ防止剤と呼ばれるものが使用される。
 根腐れ防止剤は主に多孔質の鉱物を原料としていて、鉱物の持つ無数の細かな穴による①通気性と②吸着効果が根腐れの防止に作用している。

 ②の吸着効果は、根を弱らせてしまう不要な雑菌や有毒物質(成長過程で出る老廃物)を取り除くはたらきをする。
 つまり、空気の通り道というものがない水栽培(水耕栽培)においても、吸着効果による根腐れの防止が期待できるので、栽培する環境が土、水どちらであっても根腐れ防止剤を使用する意義はあるということだ。
 液体タイプの根腐れ防止剤もあるようだ。これは②の効果があると思われる。

鉢の種類

 鉢の種類や構造によっても水はけや水持ちに差が出る
 素焼きの鉢(テラコッタ)は多孔質の素材であるので、通気性や水はけに優れている特徴がある。土が乾きやすくなるため、水を好む植物を栽培する際には潅水の頻度を増やす必要がある。ただし、釉薬が使用されているものについては通気性、通水性が失われる。
 プラスチック製の鉢は空気、水を通さない素材のため通気性と水はけに難がある。しかし、スリットなど排水口に工夫を施されているものがあり、構造次第で性能に差が出てくる。

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