僕とゆいかおりと、唯と、夏織2022

※2019年5月12日に掲載した文面を一部修正して再掲します。

ぼくとゆいかおり

ゆいかおり(小倉唯)との出会いは「【小倉唯】みくみくにしてあげる【してやんよ】」を踊ってみた」でした。2009年7月の投稿ということですから、これは10年前になるんですね。この動画で小倉唯と石原夏織、そしてゆいかおりと出会うことになりますが、このときは彼女たちが何者か、私は知りませんでした。

数年後、もうすっかりゆいかおりの存在も頭の片隅に追いやられてしまったくらいに、「神様のメモ帳」というアニメと出会います。そして主役の探偵・アリスの声の持ち主、つまり声優に初めて興味を持ったのです。そしてゆいかおりの「Puppy」をレンタルしたその瞬間から、僕の人生は大きく塗り替えられました。

君のYELL、そしてyui memory

当時大手書籍チェーンでCD販売をしていた私は、久しぶりの”好きなアーティスト”を見つけた喜びに、君のYELLからゆいかおりのCDを購入し始めます。彼女たちのCDを買い、過呼吸になりながらMusicVideoを何度も何度も見返して、彼女たちの一挙一動に目を奪われ、何度も何度も泣きました。可愛くて、たくましくて、儚くて、強い。そんな「ゆいかおり」に強い憧れと羨望、そして劣等感をいだきました。私個人がプライベートでも激動の時期だったこともあり彼女たちに文字通り支えられて、命までも救われたと思っています。

ライブ「BUNNY FLASH」の開催の報せを受けたとき、参加をとても悩みました。それは、彼女たちの前に胸を張って立つには、私自身、あまりにも未熟であったと考えていたからです。小さくて可愛らしい年下の女の子ふたり。彼女たちは僕よりもずっと努力して、つらい思いをして、あの場所に立っていると思うと自分がすごく矮小なものに思えてしまうのです。
(これは何度もはなしていることですが)yui memoryが発売され、僕はとらのあな通販で1冊だけ購入しました。サイン会応募権付きとも知らず。そして疲れて家に帰ってくると1枚の葉書が届いていたのです。まるで小倉唯から手を差し伸べられたかのようでした。それがサイン会の5日前のことでした。

幸いCDショップと言う職場柄、そして私がゆいかおりのファンであることを公言し、彼女たちのコーナーを作っていた実績もあったため、直前のシフト変更にもかかわらず、誰も文句を言わず、むしろ頑張ってこい(?)と送り出されたのを覚えています。飛行機も直前に取ったので目玉が飛び出るほど高かったのですが、私は人生で初めて、”一人で旅をする”ことになったのです。

Intro SituationとHEARTY PARTY

サイン会というとても幸せな出来事を経て、私の中で何かが大きく動いていました。そんな中リリースされたIntroSituationはゆいかおり史上最高の作品だと今でも思っています。柔らかく優しさに溢れた小倉唯の歌声と、真っ直ぐで透き通った石原夏織の声に、ドラマチックで美しい音楽に。ダンスパートで鳥が二人の上を飛んでいったり、海辺で楽器を弾く(真似)をするふたりや、操車場で夕焼けをバックにただずむ二人だったり。小倉唯をきっかけに踏み込んだ世界で、唯一無二のパートナーであった石原夏織に、少しずつ目を奪われていく自分に、私が気がつくのはもう少しあとのことでした。

HEARTY PARTYは、正真正銘、私が生まれて初めて経験したライブでした。そして人生で2回目の一人旅でした。朝早くに物販列に何時間も並び、Tシャツやパンフレットを買ったのも、生まれて初めてでした。12月の幕張は凍てつくように寒くて、本当に、辛かったのを覚えています。国際展示場の中までびっしりと並んだファンのあまりの多さに、自然と胸が熱くなっていました。そして大成功でライブが幕を閉じ、退場のとき、当時はまだ未公開だった「オリオンからのメッセージ(inst.)」が流れていて、レーザーで壁に「ThankYou」と描かれていたのが本当にニクい演出でした。僕たちは彼女からもらってばかりじゃいけない。だから僕たちが頑張っている姿を彼女に見せるんだと。ずっと後ろ向きだった自分の心が前を向いていくのがわかりました。

いつか見た景色 君も覚えてる?

それから一気に私のオタクは加速するわけですが、いくつかやってみたいこともやることができました。ライブグッズを物販で全部買う、とかCDの店舗別特典をコンプリートする、とか。ライブツアー全通する、とか。特に九州に住んでると他のみなさんができていることするのが結構難しくて、1回ずつはやってみようと。

彼女たちが日本武道館というステージを目指していたのは知っていました。彼女たちのデビュー前からのその夢が叶ったのを目の当たりにし、彼女たちと走り続けてきて、ほんとうに心からよかったと思えた瞬間でした。

小倉唯がソロデビューして、HappyJamが開催されて、それでも「ゆいかおり」という存在は確固たる存在で、盤石な存在で、揺るがないものだと。私達は信じていて、きっと信じすぎていました。

約束

StalightLinkで初披露された「B Ambitious!」は、過去の「ゆいかおり」にけじめを付け、アクセル全開で振り切るパワーがありました。過去最大規模のステージを縦横無尽に走り回る二人。今振り返っても素晴らしいセットリストでした。長い間ずっと応援してきたファンの気持に寄り添ってくれた。そんな気さえしてきます。映像作品のカメラワークも秀逸で、「ShootingSmile」で彼女たちのゆびきりを背後から抜くカットなんかは、ゆいかおりのライブを代表するカットだと思います。花道・センターステージを使って360度囲まれた中で歌う「PUPPY LOVE」、「LUCKY DUCKY」。最高潮。「もうひとりの私」のように往年のファンも忘れません。

リリース当時「Promise You!!」ははじまりの曲だと思っていました。そして今、この曲は、永遠と続く、優しい夢への序曲だったと思っています。彼女たちが僕たちをここまで連れてきてくれた。引っ張り上げてくれた。仮に行きたくないと、駄々をこねても。ときに優しく、厳しく寄り添って手を引いてくれた。そんなたくさんの思い出たちを優しく包んで、抱きしめるような優しい歌になってしまいました。そこに未来は生まれない。そこに僕たちの姿はない。そんな未来をこれまでの思い出だけを糧に歩いていかないといけない。「Promise You!!」は彼女たちから餞の歌だったのかもしれません。

そして未来

今こうして僕らが笑っていられるのは、彼女たちの努力以外の何者でもありません。石原夏織のソロデビューが実現しなければ、今日の幸せが訪れることはなかったかもしれません。
今僕らは紛れもなく彼女たちとの幸せの只中にいて、たくさんの新しい思い出とともに生きています。そしてそれはそれぞれの道を歩む今の小倉唯だから、今の石原夏織だから出会えた世界なのです。

「心の距離が近いアーティストになりたい」そう願って一歩を踏み出した女の子は、今や関係者諸共多くの人を引き寄せ、巻き込み、笑顔にしようと奮闘しています。彼女のその変わらない向上心と、ひたむきさに触れるたび、いつも頬を張られるように感じます。あの日「少しは胸を張れるようになったかな…」と思ったものの、まだまだあなたには勝てないみたいです。これからも、あなたに誇れる竹でいられるよう、私は私の世界を生きていきます。

だから僕は「ゆいかおり」という形にこだわるつもりはありません。ただふたりの成長と、幸せ、そして今日も笑顔でいられることを願うだけです。
十年後でも 百年後でも 億年後でもいい。見守るだけじゃなくて、そのために僕らにできることは あるはずだから。

ふたりが何の障害もなく、「ゆいかおり」という軌跡を笑顔でなぞることができる。そんな未来に少しは近づいたでしょうか。彼女たちはそんな世界へたどり着いたのでしょうか。僕たちはそんな世界を構成することができたのでしょうか。

答えはいずれわかるでしょう。

僕らと、ゆいかおりと、唯と、夏織で。
そんなあした そんな夢を。 見ていたい。 叶えたい。守り続けたい。

と、今も変わらずに竹は思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?