【今日コレ受けvol.012】どうする
大河ドラマ『どうする家康』は今夜の放送で、ついにクライマックスの関ヶ原の合戦を迎えた。
『リーガル・ハイ』『コンフィデンスマンJP』などを手掛けてきた脚本家・古沢良太さんのオリジナル脚本作品である本作は、史実との乖離を度々批判されてきた。悪女といわれた正室・瀬名(築山殿)は花を愛する心やさしい女性として描かれ、不仲で徳川家への謀反にも関与していたという通説を覆し、最後まで仲睦まじい夫婦関係を築いていた。家康及び徳川家臣団が天下統一を志すのは、瀬名が目指した戦なき世を成し遂げるためであると考えが全編に渡って貫かれている。
関ヶ原で実は西軍が勝利した、とまで変えてしまってはさすがに大河ドラマとしては問題だとは思うが、ドラマなのだから、解釈に収まる範疇であれば、多少のファンタジーが盛り込まれるのも面白いと個人的には思っている。
そもそも“歴史“自体が、日々更新されている。私は鎌倉幕府の成立年を「1192(いいくに)と覚えてきたが、いまは「1185(いいはこ)」とする教科書も増えているし、新たな史料が発見されたことにより、簡単に“歴史“は覆る。歴史の拠り所となっている史書は、人によって記されたものであり、書いた人の主観が多かれ少なかれ反映されているはずだ。あくまで一視点にすぎず、意図のあるなしに関わらず描かれていない“歴史”もある。
何を書き、何を書かないか、ライターは日々選択をしている。それはやがて"歴史”の一部を形作るものになるかもしれない。どうする?
毎朝7時に更新、24時間限定のショートエッセイCORECOLOR編集長「さとゆみの今日もコレカラ」。「朝ドラ受け」のように、その日の「今日もコレカラ」を受けてそれぞれが自由に書く「遊び」です。
真実はいつもひとつ。か?【さとゆみの今日もコレカラ/012】
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?