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【今日コレ受けvol.009】ディテール

編集者と著者の関係は、監督と選手の関係に近いかもしれない。

本日更新された、「さとゆみの今日もコレカラ」のハズさない読書「編集者の時代」ダイヤモンド社の今野良介さんインタビューを読んで、ゼミの課題でさとゆみさんにインタビューした時のことを思い出した。

陸上部の顧問の先生が変わったとたん、急にインターハイに出場する学校があると聞きます。陸上は最も身体能力が結果に直結する競技だと思うのですが、その陸上競技の順位ですら戦略によって覆る。とても夢がありますよね。

THE ANSWER

選手はほとんど変わらないのに、監督が変わるとチームが急激に強くなることはよくある。逆に、長い間コンスタントに結果を出せる、勝たせられる監督はそれほど多くない。

「顧問(監督)の戦略」と「編集者の思想」はほぼイコールであり、2割の編集者がヒット本の8割を作っているように、2割の監督が8割の勝てるチームを作っているとも言い換えられると思う。

では、どうしたら毎年全国大会に出場できるチーム、優勝できるチームを作れることができるのか。強豪チームの監督・選手を取材すると、よく「細かいところ」「ディテール」と口にする。凡事徹底という言葉をスローガンにしているチームもある。

ディテール。すなわち、ていねいさ、だ。
神は細部に宿る。というより、細部までこだわる人に神は微笑む、のだろう。

バスケットボールでは、リバウンドを制するものは試合を制すと言われる。もちろん、戦術としても、リバウンドは勝敗を分ける重要なファクターだ。だけど、それだけではない。リバウンドには、細部まで気を抜かない、最後まで怠らないという、そのチームの姿勢が端的に表れる。そして、ディテールまで大切にするチームはほぼ例外なく強いのだ。

フィジカル、スキル、戦術理解度。プロになる、もしくは目指している選手は皆、それらを一定以上のレベルで備えている。それでも、プロになってからも成長し続ける選手と伸び悩む選手がいる。その差はどこにあるのか。長くスポーツの世界にいると、練習の前後、試合前のウォーミングアップ、試合後のクールダウンを見て、この選手はどこまで行けるのかがなんとなく予想できるようになってくる。概ね、外れてはいない。

要は、ディティールが違うのだ。そしてそれは、練習中や試合中以上に、それ以外の場面で見えることが多い。

これは、我が身の話でもある。2割のライターが8割の面白い原稿を書いているのだとすれば、その2割に食い込むために求められるのは、ディテールであり、ていねいさだ。

今野さんのインタビュー記事で言えば、たぶん「知らんけど」だったりするんじゃないかと思う。知らんけど。 


毎朝7時に更新、24時間限定のショートエッセイCORECOLOR編集長「さとゆみの今日もコレカラ」。「朝ドラ受け」のように、その日の「今日もコレカラ」を受けてそれぞれが自由に書く「遊び」です。

ハズさない読書【さとゆみの 今日もコレカラ/009】


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