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【EDH】《迷える探求者、梓/Azusa, Lost but Seeking》

はじめに

 こんにちはばらんです。最近Secret Lairで《梓》のめちゃ可愛い新規イラストが刷られ、色んな意味で注目を集めているなぁと感じます。
 盛り上げハッピー等を始めとした色んなイベントで《梓》を使うことも多く、同卓した人にも「そういや新しいイラスト出ますよね!」とこのSLの話を持ち掛けられます。「僕もテイサがすけべなので買いましたよ。」と言われることも少なくなく、購入した欲望に忠実なPWもきっと多いことでしょう。しかし僕はこれを機に《梓》edhを組んでみて欲しいと思っています。そんな《梓》の布教の意味を込めて、執筆の筆を執ることとなりました。
 今回は5-6くらいの記事となります。勝つことを目的とした構築ではありますが、cedhにはとても通用しない、そんなデッキとなっています。

ジェネラルスペック

SLの新規イラスト。可愛い。

迷える探求者、梓 {2}{G}
伝説のクリーチャー — 人間・モンク
あなたの各ターンに、あなたは追加の土地を2枚プレイしてもよい。
1/2

 効果は至ってシンプル。書いてある通り1tで最大3回土地がプレイ出来るようになります。土地を3枚抱えている状態で通常の土地プレイを行い《梓》を唱え、着地するとそのターンはもう2回プレイできるようになります。一時期は3回プレイした後にもう一度《梓》を出すともう2回プレイできるようになるという裁定がありましたが、そのルールは廃止され、何回《梓》を出し直してもプレイ回数は増えません。《梓》を出しまくってプレイ回数を増やすなら《多勢の兜》を使いましょう。
 除去耐性といえるものはなく、パワータフネスも貧弱。しかし優先権を返さず手札の土地を置き切れば出たターンの仕事は完了。除去を切られても撃った人が損をするし、卓の妨害が1枚減るだけなのであまり除去は飛んでこないでしょう。しかし巻き添えで殺されることは多々あるので、最低限1回はリキャスト出来るマナを確保できるようにしましょう。

勝ち筋

 上記で取り上げた、「出し直しによってプレイ回数が増える仕様」はルール変更によって没収されているため、概ね殴って勝つことが主な勝ち筋となります。統率者ダメージも本体があまりにも貧弱なため、120点削ることになります。途方もない道のりかと思われがちですが、緑が得意とする《死者の原野》《ゼンディカーの報復者》等の横並びカードや、《孔蹄のビヒモス》《破滅の終焉》《飢餓のドミヌス、ゾパンドレル》を始めとした全体パンプアップカードで打点を上げて殴り殺します。またエルドラージを始めとした、質の高い生物でゴリ押すことも可能です。
 そこそこレアケースになりますが、《約束された終末、エムラクール》によるターンコントロール奪取で、奪ったプレイヤーのターンでコンボを決め、自身以外の3人を殺すか、奪ったプレイヤーの盤面やリソース、勝ち筋を壊滅に追い込み、事実上の脱落を狙うこともあります。このルートは格上のコンボデッキと同卓したときに狙いましょう。

ハイシナジーカード

フェッチランド

 KTK、ZENで収録されているフェッチランド、《寓話の小道》《虹色の眺望》等がこれに該当します。上陸(土地が出ることによって恩恵をもたらすキーワード能力)効果の嵩増し、後述の《るつぼ》系統との相性、デッキトップシャッフル、と使い道が多い強力な土地です。KTK、ZENのフェッチが高くて持ってない人は買え。ALA、SNCで収録されているレアリティの低いフェッチを使ってみましょう。

世界のるつぼ

 墓地から土地がプレイ出来るようになるカードがこれに該当します。同じ効果を持っているカードがいくつかあり、《ラムナプの採掘者》《古えの緑守り》《常緑のビヒモス》《世界の導管》が採用可能です。
 捨てたり追加コストとして割った土地を再度拾い直せるため、フェッチランドと合わせるとハイペースで土地が伸びていきます。

ムル=ダヤの巫女

 ライブラリートップから土地がプレイ出来るカードがこれに該当します。プレイ可能なカードを土地だけに限定している分低コストなカードが多く、《クルフィックスの狩猟者》《秋の占い師》と3種類存在します。
 土地を増やせば増やすほどこれで土地が捲れる期待値が高くなるので、これをフル投入する際は土地を多めに採用しましょう。筆者は49枚入れています。
 土地をプレイできる領域を増やすカードは入れ得です。全部入れましょう。

マリガン基準

土地は4枚以上

 《梓》はカードを引いたり、土地を探したりする効果は持ち合わせていません。しかし《梓》を出したターンは土地を2枚置いてからターンを返したいです。そのため初手はマナが出る土地が4枚以上、あるいは3枚+新たに土地を探せるカード1枚が最低限のマリガン基準となります。
 5枚目の土地は3tあれば1枚くらい引くので、4枚を目安にするのが無難かと。

マナが出ない土地があってもマナが出せる状態になることが初手で分かればキープ可

《梓》早期着地

  3t目に《梓》を出し、4t目から5~6マナ出して盤面を作っていく初手も十分強いですが、上記の条件を満たしかつ1~2tで《梓》を出せる初手はもっと強いです。
 注意すべきことは、《梓》の早期着地を目指してマリガン基準を狭めたり、《梓》早期着地に拘り過ぎて初手の土地枚数がしょぼくなるようなマリガンです。あくまで「出来たらラッキー」くらいの感覚でokです。

1番右のカードは伝説の呪文にのみ使える2マナ土地

《梓》を統率者にする強み

妨害、除去を受けづらい

 アーティファクトやエンチャント、クリーチャー破壊を入れているデッキは多く、汎用枠として採用されていることは多いですが、土地をピンポイントで触れる汎用カードは少なく、土地を攻めるデッキは、それに寄った構築にすることが多いため、茶や生物除去をつまむデッキに比べたら圧倒的に少ない傾向にあります。
 そして土地をプレイするという行為はスタックに乗らないため妨害を受けづらく、土地プレイそのものを禁止するカード、土地からマナが出なくなるカードもほぼ存在しないため、《梓》を一方的に縛ることはほぼ不可能と言えます。

新規カードの受け入れの広さ

 上記の通りマナ基盤の妨害を受けづらいため、固有色さえ合えばコストを気にせず効果の強いカードを採用できます。土地の数を参照したり、土地が出る、プレイすることに誘発するハイシナジーな新規、シンプルにコストとカードパワーが高い新規…色々あります。なので新セットを常に楽しみに待てます。

構築自由度の高さ

 どのデッキ、どのアーキタイプ、どのフォーマットにおいても、デッキを組むにあたって何かしらの固定枠が存在していることが多いです。その固定枠はデッキによってデッキの半分を占めたり、1/10に満たないこともあります。
 しかし《梓》の固定枠は上記のハイシナジーカード項目で挙げたカードだけだと思っています。つまり《梓》の固定枠は以下の14枚のみとなります。

《寓話の小道》
《虹色の眺望》
《樹木茂る山麓》
《吹きさらしの荒野》
《新緑の地下墓地》
《霧深い雨林》
《世界のるつぼ》
《ラムナプの採掘者》
《常緑のビヒモス》
《古えの緑守り》
《世界の導管》
《クルフィックスの狩猟者》
《ムル=ダヤの巫女》
《秋の占い師》

筆者は《常緑のビヒモス》は不採用

 これらを採用すれば最低限ストレス無く回せると考えています。残りの85枚は自由枠といっても過言では無く、なんならこの固定枠から好きなだけカードを抜いて構築してもいいでしょう。

個人的採用カードへの拘り

 この段落は、筆者が調整している梓の、個人的な拘りを綴った文になります。参考にしてもいいですし、無視してもいいですし、反論してもいいです。ご意見は是非僕のtwitterまでどうぞ。

デッキリスト

マナソース

 マナが出るカードは土地のみに絞り、クリーチャー、アーティファクトのマナソースは非採用となっています。理由は2つあり、1つは他家からの妨害を受けやすく、そこを突かれた際に生じるマナ基盤を取り戻す隙が生まれてしまうのが好ましくないためです。そのため、《ドライアドの東屋》も筆者は不採用としています。
 もう1つはハイシナジーカードとのシナジーが無いためです。昔は《魔力の墓所》や《太陽の指輪》、《楽園の拡散》《繁茂》を採用しており、これらは《梓》の早期着地やフィニッシャーキャストのマナソースとして活躍してくれましたが、《狩猟者》で捲れた時にムカついたのがきっかけで土地以外のマナソースを全て抜いて、その枠を土地に変えました。

ガイアの揺籃の地と亜種

 《クレイドル》は採用していますが、亜種である《イトリモクの成長儀式》《夢の円環のドルイド》は不採用です。《ドルイド》は生物だから。《イトリモク》はサーチ手段がないので入れる価値は無いと思っているためです。
 何年も前からedhで遊んでいるプレイヤーは《クレイドル》を所持している人も多いでしょうが、今から始める人はどうでしょう。「○年前は○円だったよね」という思い出話が嘘のような市場価格を誇る現代、手を伸ばしにくいことでしょう。
 しかし筆者はそれでも《イトリモク》等で妥協せず、《クレイドル》は買って入れるべきだと思っています。何故か?僕からは「入れ得だから」としか言えません。筆者がこれしか言わない理由は、使ってみれば分かるかと思います。

アーボーグとヤヴィマヤ

 《暗黒の深部》《ウギンの目》《Glacial Chasm》、序盤の《邪神の寺院》等のマナが出ない土地、マナを捻るたびライフが持っていかれる土地デメリット無くマナを出せる土地として運用したい場面が余りにも多く、《ヤヴィマヤ》のみ採用だったのが《アーボーグ》まで追加で採用することにしました。
 特にライフを持っていかれる土地は5-6帯だとあまりにも死活問題で、デッキや卓次第ではフェッチの1点ペイすら惜しいゲームも訪れます。《旧母聖樹》《雲帯岳》《古えの墳墓》の3枚のみですが、《アーボーグ》系を運用したい土地が49枚中7枚(フェッチ起動も躊躇う卓なら12枚)もあるなら、《アーボーグ》系フル投入もやむを得ないと言えます。

DDコンボ

 《エルフの開墾者》1枚で何か勝つ手段が1つ欲しいと思い、採用したコンボです。レガシー等と違い《不毛》を入れてるリストはほぼ皆無、《カラカス》は禁止とコンボそのものを止める手段はかなり限られ、《金粉》や《不実》等のコントロール奪取は《家路》サーチで対処可能、相手に《演劇の舞台》《蜃気楼の鏡》を構えられた際は《不毛》サーチでケア、とコンボを決めるのとトークンを守るのに必要なバックアップもすべて整っています。
 コンボ後の《深部》達は墓地に落ちるため《るつぼ》があれば何度でもDDコンボを構えられます。

生存カード

 5-6帯で戦っていると、必然的にコンバットが勝敗に強く影響します。勿論こちらが殴ることにおいても考えなければならないことは多いですが、《ビヒモス》で細かい打点を誤魔化して殴る方向性であるなら細かいことは気にせずに済むので、基本クリーチャーはあまり戦闘に参加せず、ブロッカーとして盤面に残すようにしています。
 cedhだとライフ1点の重みは《ネクロポーテンス》《むかつき》等が影響を及ぼして来ますが、5-6帯のライフは殴り合いで生き残り、殴り切るために必要なリソースです。しかも5-6帯は戦闘のみに留まらず、あらゆる方法でダメージを飛ばしてくるカードも存在します。《鍛冶の神、パーフォロス》等がこれに該当しますね。
 そんなダメージ環境それは横並び到達ダメージ軽減だと思っています。
 横並びは《梓》とのシナジーを鑑みて、上陸でトークンを出すカードを選出しています。《死者の原野》《硬鎧の大群》《怒り狂うビヒモス》等がこれに該当しますね。要は《ビヒモス》の修整値稼ぎと、気軽に差し出せるチャンプブロッカーの役目を果たせるトークンをばら撒ければ何でもいいです。気軽に差し出せるブロッカーを並べ続ければ相手は殴る気すら起きなくなり、他所を殴りに行ってくれます。《原野》は上陸でトークン生成するカードの中で最強の部類です。基本土地でない土地を全体の半分以上採用しているのであれば採用した方がいいです。
 トークンを並べているだけで大抵のデッキは困ってくれるためあまり意識する必要はありませんが、飛行持ちが辛くなってきたら到達持ちのカードや、《Chasm》《イス卿の迷路》等の戦闘拒否カードを採用してみてもいいかもしれません。

大いなる歪み、コジレック

 無色ダブルシンボルが唯一の汚点ですが、サイズと起動型能力とキャスト誘発は代用不可能な一品です。特にハンドの回復力が高く、僕は10マナ溜まったらこれを探しに行き、態勢を整えに行きます。キャスト誘発なので止めづらく、ドロー阻害のカードはほぼ飛んでこないため安全に引けます。しかし統率者ダメージでない12/12威迫ではあらゆるリソースを擲っても1人撲殺が精いっぱいなので、あくまで7ドロー用のマシンだと思うことにしています。
 《威厳の魔力》の方が出しやすく、引く枚数も多く出来ますが、止めづらいのが《コジレック》採用の強みだと思ってます。

カマールとゾパンドレル

 筆者は《ビヒモス》のような全体修整で殴り殺す構成にしていますが、追加枠として《カマール》《ゾパンドレル》も採用しています。《カマール》はトークンが全然出せていない状況でも土地をアタッカーとして運用出来、《ゾパンドレル》は到達と実質破壊不能持ちのブロッカーとして据えられる利点を持つことと、《倦怠の宝珠》系を置かれても困らないカードを1枚でも多く採用し、他家が困っている隙に盤面を作る立ち回りが可能だからです。特に最近は《機械の母、エリシュ・ノーン》という上陸すら止めてくる強力なスタックス生物をよく見かけるようになり、そういった生物をプレイヤーごと排除できるように、《カマール》《ゾパンドレル》はデッキから外せないカードとなりました。

約束された終末、エムラクール

 基本的に《エムラ》はデモコンタッサ以外の勝利手段、無限コンボを保有しているデッキに対して、「次ターン返したらコンボされそう」というギリギリのタイミングで当てることになり、そのプレイヤーのターンでコンボを決めて自分以外を殺してもらう使い方になります。操ったプレイヤーのリソースだけぐちゃぐちゃにしてターンを返す動きも弱くは無いのですが、基本それは操ったプレイヤーのデッキの動きを分かってない後ろ向きな行動なので僕はあまりやりません。基本現代のデッキの基本的なコンボルートなどは既に研究されつくしてるものが多く、初見殺しに近いコンボルートはそこまで多くは無いので、《エムラ》を使うのであれば最低限コンボの動きは勉強しておきましょう。
 ちなみにこれはシークレットテクなのですが、操った後に追加ターン与えるという特性を利用して、盤面が貧弱なプレイヤーに1t与えて育ててあげるという動きも出来ます。正直やる価値は全くと言っていいほどありませんが、ここ最近やたら「盛り上げ」というものに重きを置くイベントが増えており、そういったイベントに参加することがあるなら狙ってみてもいいかもしれません。決行する時は卓の雰囲気や盤面を見てやることを忘れずに。

おわりに

 書きたいことは概ね書き切ったため、本記事はここで締めさせて頂きます。cedhにおける緑単の強い統率者は《マーウィン》《イーサーン》《アシャヤ》《木霊+@》etc.と色々選択肢があります。しかしこれらは統率者が生存していないと勝ちが遠のくワントップ寄りなデッキです。統率者が何回殺されようが、何回全体除去が飛んでこようが、大した被害を受けずに涼しい顔が出来る太さがこのデッキの最大の強みです。「緑単使いたいけど除去キツいなぁ~」と悩んでる方、是非《梓》を使ってみて欲しいなと思います。

この記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.

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