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鉤爪のジィーリィーランとRednecro

 こんにちはばらんです。今回は僕が使用している統率者、≪鉤爪のジィーリィーラン≫の「Rednecro型」についての記事となります。

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「Rednecro型」とは

 この名称の語源は勿論、あの有名な≪Necropotence≫から来ています。

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 ライフをドローに変換していくスーサイド戦法を、赤単でもやろうといったコンセプトです。元々海外発祥のルートで、日本でも何人かはこの型でデッキを組んでいる方もいます。

https://tappedout.net/mtg-decks/red-necro-fast-zirilan-combo/?cat=type
http://blog.livedoor.jp/haruto357/archives/32446835.html
https://note.com/emeriatheskyruin/n/n6e9d5e11a1eb

 しかしそんなカラーパイを飛躍した芸当が≪ジィーリィーラン≫で出来るのかって?出来ます。しかもしっかりドラゴンを使用したコンボです。

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 ライフを払う役割のドラゴンはこちら≪溶鉄鋼のドラゴン≫。こいつの火吹き能力をファイレクシアマナを払って起動して、最大パワー23で攻撃することが出来ます。さぁライフを支払いました。次はカードを引きに行きましょう。

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 こいつは≪山背骨のドラゴン≫。着地時に対戦相手一人を対象に取り、そのプレイヤーが受けたダメージ分カードを引くことが可能なドラゴンです。つまり先程の≪溶鉄鋼のドラゴン≫で殴ったプレイヤーを対象に取って解決されれば23枚もカードが引けるのです。
 これが「Rednecro型」の基礎的な動き方となります。23枚引いた後は、気合で≪死の国からの脱出≫に繋げていく形となります。

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気合で繋げろ

 気合で繋げろと言いましたが、ただ≪死の国からの脱出≫を引くことを祈るだけでは勝ちにはたどり着けません。「Rednecro型」を決めきるには、構築に少しだけ工夫が必要となります。その工夫に必要なものはこちら。

・軽量マナファクト
・ライブラリーを掘り進める手段
・妨害を握っているプレイヤーを見極める

「Rednecro型」における軽量マナファクト

 ライフを限界まで支払うことがコンボルートである都合上、「あ、決めきれなかったわ。ターン渡します。」と宣言することは敗北を意味します。ライフは風前の灯、完走しきれないハンドではブロッカーを立たせることも難しいでしょう。≪白鳥の歌≫によって生まれたトークンに殴られても、≪死儀礼のシャーマン≫の黒マナ起動モードでもあっさり巻き込まれて退場させられてしまいます。≪ジィーリィーラン≫によって呼び出されたドラゴンは特殊な手段を挟まない限り追放されてしまうので、もう一度このルートを辿ることも困難です。
 そのため、「Rednecro型」における軽量マナファクトは、23枚引いた後に素早くマナソースを補充するという役割を持つのです。≪ジィーリィーラン≫を早い段階で戦場に出すことにおいても軽量マナファクトは仕事をしてくれますが、どちらかと言うと、ルート完走用にライブラリーに沢山残ってくれた方が嬉しいと個人的に考えていたりします。
 特に再録禁止と統率者需要で何倍も高騰してしまった≪モックス・ダイアモンド≫、≪ライオンの瞳のダイアモンド≫が欲しいところ。≪魔力の墓所≫等も勿論強いのですが、個人的には無から赤1マナを出せるカードを増やしたいと実践を通していて感じました。≪水蓮の花びら≫、≪金属モックス≫、≪モックス・アンバー≫、≪オパールのモックス≫、各種赤マナが出せる土地がプレイアブルな無から赤1マナを出せるカードとなっていますが、Rednecroルートは過剰なくらい積んでおいて損はありません。

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 先置きが要求されますが≪永遠衆、ネヘブ≫もマナソースの問題を手助けしてくれるカードです。≪溶鉄鋼≫だけの戦闘で23マナ、≪ネヘブ≫も殴れば27マナ発生します。

「Rednecro型」におけるライブラリーを掘るカード

 ≪山背骨≫で23枚引いたところで、≪死の国≫を引けない場面は多いです。赤単というサーチ手段が貧弱な色では、≪死の国≫に辿り着くためにはこれか≪ギャンブル≫を引くしかありません。なので、99枚中の2枚のどちらかに繋げる手段も「Rednecro型」を採用するにあたって必要なのです。その手段は以下の通り。
・≪山背骨≫をもう一度出す。
 ≪山背骨≫をもう一度出せばハンドを投げ捨て新しい23枚を引けます。この手段を担うのがコピートークンを生成する呪文。

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≪双つ身の炎≫、≪熱の陽炎≫がそれを担ってくれます。
 コピートークンを生成できる赤のカードは一応エンチャントにもありますが、それらは≪山背骨≫を出す前に先置きする必要があり、≪山背骨≫によって引いた23枚の手札から叩きつける動きと噛み合いません。なのでこれらを使う必要があります。また使い切りの呪文なため、≪死の国≫設置後もライブラリーを掘り墓地を肥やす手段としても使えます。

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 (R)(R)(R)(2)というコストが非常に重く1tに2度以上使いづらいですが≪鏡割りのキキジキ≫もその役割を果たせます。≪キキジキ≫は本来違う用途のコンボパーツ用のカードですが(詳細は省きます。他の有識者の記事を読んでください。)、こいつも一応ライブラリーを掘る手段として用いることが出来ることを頭に入れておくと良いでしょう。

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 また≪キキジキ≫は赤単が採用できる数少ないサーチカードである≪ゴブリンの女看守≫、≪帝国の徴募兵≫のサーチ範囲にいるので、「マナは困ってないけど…」って場面ではこれらから≪キキジキ≫に頼らざるを得ない場面も、回しているうちに訪れるでしょう(僕は1度も来たことありませんが)。
 え?これも引けなかったら?大丈夫です。まだ手はあります。
・ハンドを入れ替える

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 赤には多くのルーター系呪文が存在していますが、特定の1枚を探し当てるには3枚くらい掘る程度では心許ないです。「出来ることなら20枚くらい掘りたい…!」そんな悩みを解決してくれます。また≪巻物棚≫、≪ヴァラクートの覚醒≫は単体での性能もある程度高めかつ≪ジィーリィーラン≫と噛み合っているのもポイント高いです。基本ハンドにドラゴンが来ても困ることの方が多いデッキなため、そのドラゴンを確実にライブラリーに押し込める手段があると便利です。≪覚醒≫は最悪土地としてもプレイ出来るのがいいですね。

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 ライフを目いっぱい払った≪溶鉄鋼≫と一緒に殴る必要があるため先置きが要求され、かつドラゴンシナジーがありませんが、≪戦慄衆の勇者、ネヘブ≫も一応候補に挙げられます。ネヘブのサボタージュ能力誘発に重ねて≪山背骨≫を出せば最大28枚引け、その中から必要なものだけ残し入れ替えが可能です。ついでにマナも出るので、上記のマナ不足も解決されて一石二鳥です。軽量マナファクトを入れ替えの種として捨て、≪死の国≫へのアクセス率を高める選択肢も取れます。
 ん?これも引けなかったら?諦めましょう。…と少し前までなら言っていましたが、なんとカルドハイムでチェインを手助けするカードが増えました!
・ライブラリーを掘り切れ!

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 その新顔とはこのカード。≪語りの神、ビルギ≫/≪豊潤の角杯、ハーンフェル≫です。その裏面の≪ハーンフェル≫はなんと手札を1枚捨てることでライブラリーを2枚追放しそれのプレイ権を得る起動型能力を持っています。≪山背骨≫から引いた23枚から≪ハーンフェル≫を唱えることが出来ればライブラリーを追加で44枚掘ることが可能です。合計67枚+初手、Rednecroルートに突入するまでの経過ターン分のドローを加味すれば、これ1枚でほぼ確実に≪死の国≫にアクセスが出来ます。パワー2以下でなく、非ドラゴン、非ゴブリン、表面がアーティファクトでないと絶妙に赤では探しづらい調整が施されているのでこいつを確実に持ってくることは出来ませんが、それでもなんらかの拍子で引き当てられれば心強い味方です。≪ドラニスの判事≫が天敵なので、起動前に除去を忘れないようにしましょう。
 現時点ではここまでがチェインの限界ですが、こういった新規カードで道が開けることもあることが証明されたので、今後も新規カードには目を光らせて行きたいですね。

勝利!

 ≪死の国≫を着地することが出来ればもう勝利は目前です。≪LED≫などでマナを贅沢に伸ばし、別稿で取り上げられている「ゴージャーコンボ」で無限マナから≪シヴのヘルカイト≫、≪スカルガンのヘルカイト≫で無限ダメージ、≪二重詠唱の魔道士≫と上記のトークン生成呪文の無限トークンと≪峰の恐怖≫で無限バーンなどできっちり3人焼き切ってゲームを終わらせましょう。

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採用パーツの応用

 ここからは僕の経験談を踏まえた、本稿で挙げたパーツの応用方法を挙げて行きます。
・≪永遠衆、ネヘブ≫、≪戦慄衆の勇者、ネヘブ≫
 殴っているだけでマナが出るので、≪ジィーリィーラン≫が≪締め付け≫や≪敵対工作員≫などで止まっている時、ハンドからドラゴンを叩きつけ続ける暴力プランも取ることが出来ます。≪スカルガン≫のようなダメージをばらまけるドラゴンを出せれば盤面コントロールも可能です。
・≪双つ身の炎≫、≪熱の陽炎≫
 この呪文は両方とも対戦相手のクリーチャーも対象に取れます。≪再利用の賢者≫、≪刻み角≫をコピーしてヘイト置物を破壊してコンボを決めに行ったり、≪波止場の恐喝者≫をコピーしてマナ加速を狙ったり、≪キキジキ≫とコンボになる生物を出して無限トークンコンボをやり返したりも出来ます。

※追記

 ≪双つ身の炎≫は自分がコントロールしているクリーチャーしか対象に取れません。失礼いたしました。
・≪山背骨のドラゴン≫
 ドローの解決はしてもよい表記なので、≪船殻破り≫などを出されても宝物トークンを献上する必要はありません。ドローは止まるので結局死ですが…。
 また対戦相手が高打点で殴るデッキだった場合、対戦相手の戦闘を利用して≪山背骨≫を出してドローをもらうプランも取れます。ジリ貧気味な場面でやるとワンチャン勝てるかも?
・≪溶鉄鋼のドラゴン≫
 上記では≪溶鉄鋼≫の火吹き能力を全部ライフで支払うことを前提で書きましたが、赤マナを正規で支払うことも出来ます。ライブラリーに眠っているマナ加速の枚数や余りマナ次第ではパワーを上げてコピーカードをもっと強く使いに行く立ち回りも可能です。
・≪峰の恐怖≫
 実は≪溶鉄鋼≫のライフペイを使わずともRednecroルート擬きを取ることが可能です。しかしこれはコピー呪文をハンドに抱えていることが条件となります。直前のプレイヤーの終了ステップにこれを出し、自ターンで≪峰の恐怖≫をコピー。≪峰≫本体とコピーで殴ってから≪山背骨≫を出すと、

≪峰≫コピー着地による≪峰≫本体の誘発5点
コピーと本体の戦闘ダメージ10点
≪山背骨≫着地による≪峰≫達の誘発14点
5+10+14=29点

となり、ライフを1点も失わず29枚引けます。
・語りの神、ビルギ
 先程は裏面にスポットを当てて紹介しましたが、表面でも十分仕事を果たしてくれます。ほぞを唱えるだけでマナが浮いたりフィルターできたりするので、カードへのアクセス手段は足りているけどマナが心許ない!って場面では表面でのプレイも立派な選択肢として候補に挙がります。
 また脱出環境では≪煮えたぎる歌≫と合わせて3マナを浮かし続けるなど、≪LED≫と似た役割も果たせます。この組み合わせによって≪LED≫を買う必要が完全に無くなるわけではありませんが、≪LED≫買えねぇよって方はこの方法で誤魔化すのも手です。
・二重詠唱の魔道士
 「Rednecro型」構築の中で、無限の悪用方法があります。ぶつけて美味しい呪文は高頻度で使われるものだけでも以下の通り。

・≪召喚の調べ≫、≪異界の進化≫等の生物サーチ呪文(直接出せるタイプ)
・≪悟りの教示者≫等のサーチ呪文
・≪時間のねじれ≫等の追加ターン呪文(追加ターンを先に得るのは唱えたプレイヤーなので期待度は若干薄め)
・≪儚い存在≫等の明滅呪文

 直接出せるタイプの生物サーチ呪文はドラゴンや≪ネヘブ2種≫用。≪教示者≫系は青も緑も白も黒も得られる恩恵があります。
 一番のキモは最後の明滅呪文です。
 明滅呪文に≪魔道士≫を当てると、なんと≪魔道士≫が無限に戦場を追放領域を反復横跳び出来ます。≪ジィーリィーラン≫の起動が出来るタイミングでこれが出来たならば、ライブラリーから≪峰の恐怖≫を探してきて友情コンボで勝利も可能です。

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 明滅呪文をコンボパーツとするデッキとマッチングした時は、こっそり狙ってみるのも一つの手かもしれません。

デッキリスト

現在のリスト
 動画サイトの再生ボタンのようなマークをクリックするとプレイテストが可能なのでよければ見てみて下さい。
https://www.moxfield.com/decks/Nua_cU2iKk6rOUzNbSMpjw


 以上で「Rednecro型」の記事を締めさせて頂きます。ここまで読んでくださりありがとうございました。

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