見出し画像

生きてるって感じ

 12月31日、大晦日。午後3時から戦いの幕は上がった。

そう、推しイベだ。

 逆先夏目くん星5イベントが、2023年の年末から2024年の新年にかけて開催されていた。推しイベの時は課金をしてもいいというマイルールに基づき、大はしゃぎで課金をした。いつぶりだろうか、私の記憶が間違ってなければロマンティッククルーズ以来だったのではなかろうか。
 学生時代の私はとにかく無課金に拘っていた。拘っていた、というよりは課金に回せるお金が無かった言える。大したバイトもしておらず、私が自由に使えるお金は高校卒業まで親にもらっていた月額制のお小遣いを貯めたものだけだった。しかしなんというか、ソシャゲに親のお金を使うことに些か抵抗があったので学生時代はとにかく無課金で永遠に焼きそばパンとスポドリを飲みまくり(ゲームの話)、日曜日の曜日稽古をぶん回していた。そうして必死になってやっと推しを完凸させていたのだ。しかし今は違う。
 就職して何年か経ち、新卒カードが使えなくなって久しい。実家暮らし彼氏なしのオタクには自由に使えるお金がそれなりにあった。今回もウキウキで課金をした。仕事が始まれば数時間に一度のLP消費も難しくなる事がわかっていたので、この年末年始の休みを利用する他ない。大人になって自由に使えるお金は増えたが、自由に使える時間は減ったように思う。悲しいが、時は金なり。タイムイズマネーとはこういうことなのだろう。
 12月31日、姉と甥っ子が家に遊びに来ていたが、お構いなしで15時になった瞬間からダイヤを叩き割りサイリウムをへし折った。必ず今日逆先夏目くんを1枚は手に入れておきたかった。スマホに興味津々の甥っ子を抱き抱え適当にあやしつつ、スマホを叩く。叩く、叩く。
 1時間後、手持ちのダイヤがなくなった。そう、この時の私はまだ課金を行なっていなかった。なぜなら年が明けるとあんさんぶるスターズは必ず松竹梅の3種類の限定課金パックを出してくるからだ。普通に課金をするよりも此方を購入した方がお得なことを、私は知っている。
 とはいえお得な課金パックだけで戦えるほど、推しイベは甘くない。私は永遠にパジャマでダラダラしていた己を叱咤し、コンビニに行くためだけに午後から服を着替えた。アップルカードを買わなければならない。今日中に逆先夏目感を手に入れるためには、お得な課金パックの他にもう一つ通常の課金パックを買うべきなのだ。

 何が私をそうさせるのか、推しとは人を狂わせる恐ろしいものである。

 結果として凡そ3日で私は逆先夏目くんを完凸させた。


これこれこれ〜!!!!これのためならいくらでも狂える。何も怖くない……可愛い……

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?