close to you

きのう、若かりしころに聴いていた音楽など
を振り返っていたら、あれこれ思い出した。
20代前半の頃に、友達が自殺した。
友達といっても、洋服屋時代に同じフロアで働いていて、気があって休憩時間を一緒にすごしたりする程度だったのだけど。

彼女は
3階建て(と記憶しているけどどうだったか)
の集合住宅の屋上から飛び降りた。
その場所を私は見に行った。
かなり重い扉をあけないとそこに入ることは出来なくて、
彼女がこの重い扉をあけて、
屋上まで駆け上がって、
飛び降りたのかと
漠然とそんな事を考えた。
床には落としきれなかった血の跡があった。


形見分けに呼ばれて、
彼女の住んでいたアパートに行くと、
ご両親がいて、
こんな迷惑な死に方をしたのだから、
大学病院に献体すると言った。
お金もないから葬儀もしないと。

とても虚しく、悲しかったのを
覚えている。
彼女の遺品の中から、
私はTelevisionのMarquee Moonのレコードを1枚貰ってきた。

帰ってきて
カーペンターズのclose to youを聴いていたので、今でもこの曲を聴くと彼女の事を
思い出す。

私はこの頃
70年代のカルチャーに
かなり傾倒したいたので、
もし自分が
思春期の頃に70年代を過ごしていたら、
きっと学生運動とかに巻き込まれて死んでいたのではないか、あの時代に思春期をすごさなくてほんとに良かった、と真剣に思ったものでした(笑)

若い頃の自分は
不器用過ぎて、硬派すぎて、
ほんとにわざわざ生きづらくしていたような気がする。

やり直せるなら、
もっと軽やかに過ごしたい。

親がなくても子は育つ。
というけれど、
私は親に完全に見捨てられたときから、
現在にも未来にも希望を持たなくなっていたから、親の愛は絶対に必要なものだと思う。

もう人生の半分もとっくにすぎて、
あと数年で還暦だけど、
そこの部分は
ずっと空っぽのままだから。

ずっと太陽より月が好きだった私が
太陽を好きにさせてくれた仲間に出会って
そこから少しづつ、闇から抜け出せた。
いまこうして普通の日々を送れているのは、
あの仲間たちのおかげです。

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