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創作者、3つのタイプ。

尊敬する創作の先輩との雑談で、身近にいる創作をする人たちは、3種類に分けられるのでは、という結論になった。

ひとつめが、「(A)自分の興味に向かって突き進むタイプ」。自分が好きなことをそのまま企画にするタイプ。で、その自分の好みがみんなに受けるという、わりと幸せなタイプ。

次が「(B)クイズを解くのが大好きなタイプ」。なにか課題が与えられたときに、それをいちばんうまく解きたい、というタイプ。やらなきゃいけない課題をどう解決するかを考えていくのが好きな人。うまい解法を見つけると嬉しい!みたいな。

最後が「(C)自分のやりたいことがなくて、巻き込まれていくタイプ」。別に興味とか、そういうものはない。周りを見ながら「こういうの必要だろうなー」みたいなことをやってるうちに、なんだかんだ自分がまとめ役を引き受けているタイプ。

で、(A)もいいねー、(B)もたのしそうだねー‥‥とか言っていたのだが、その先輩との話の結論は「結局おれたちは(C)なのだ」ということだった。自分たちは別になにかしら興味があるわけではない。全然自分の興味から企画が出せない。けれど「これやらなきゃダメでしょう」みたいなことをやったり、「手伝ってくれない?」みたいなことを引き受けているうちに、どんどんやることが増えていくタイプ。そうなのだ。尊敬する先輩もそうだということで、同じタイプということが若干嬉しいが、しかしなんだか苦労しそうな(C)。

でも、実は周りを見渡していて「おもしろい仕事してるなー」という人は、だいたい(C)のような気がするのである。(A)の自分の興味で行く人たちは「自分の興味」という幅のなかにとどまっちゃうし、(B)の人たちは課題が出てこないとエンジンが稼動しにくいので、結果的にちょっと仕事量が少なくなる。「わー、おねがい!」「こっちもおねがい!」を繰り返してワーワーやって、結局思いがけない面白さを体験し、自分の力もついて‥‥みたいなのは(C)の人たちなんじゃないか、と俺は思うし、どうやら先輩もそう思っているようだった。

「だから我々、なんにも興味がないことを恥じなくてもいいと思うよ」と先輩は言った。「だってそういう巻き込まれることがおもしろい!と思えているわけだし、結果的におもしろいこといっぱいできてるじゃん」と。

で、なんだかんだ自分もそう思っている。結局おもしろい仕事をできるかどうかは「量」と「自分の想定外のことをちゃんとやってきてるか」じゃないかという気がする。まあ、(C)みたいなタイプだから、そういう思考に落ち着いたという可能性もあるが‥‥。ひとまず案外悪くないな、とも思ったある日の午後であった。