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消灯後のビルの暗い廊下みたいなトラック

深夜残業はエモい(?)

皆さまは深夜まで労働をされた事はありますでしょうか。
僕はあります。

労働自慢と捉えられてはナンセンスなのでどれくらい残業をしたかなどのどうでもいい情報は割愛しますが、
稀に終電間際まで残業するともちろんオフィスには自分一人だけになり、
退社する際は省エネのために電気をすべて消灯して帰ります。

オフィスは真っ暗になって、天井から吊り下げられた非常用の「EXIT」という緑のサインのみが頼りなく足元を照らしてくれますが、
こういう過剰な労働をしたのちの限界に近い状態では余計に「EXIT」というサインにダブルミーニングが付与されたりしますね。

といった風な深夜的なJapanese Hip-Hopのトラックを紹介します。

"3D <DAT> 2" by BY PHAR THE DOPEST

"The Best of Japanese Hip Hop Vol.6"に収録されているバイファーの曲で、featuringはBig-O。
1stシングルの"切り札のカード"・"伝道師"の2曲も暗い印象ですが、より深夜感のあるトラックのこの曲。
偶然にもKREVAが1ヴァース目で労働についてライムしています。

"バスドラ発~スネア行き" by MAKI and TAIKI

MUROが「甘くないさこのトラックに対する気合いは」とラップする程イイ!
Creepy Nutsの"生業"でもR-指定が曲名をそのまま使ったりしていますね。
何の楽器かは分かりませんが「シャラララ」みたいな金管?系の音が深夜の澄んだ空気感を出していて、イイ。

"七日間" by Twigy

僕だけかもしれませんが、この曲を聴くと毎回初代「サルゲッチュ」を思い出してしまいます。
スペクターの遊園地を抜けた後の宇宙ステージのとこですね。

サビのギターのメロディが深夜、というか明け方前のトワイライト感を出していて、イイ!

"Honeymoon" by chelmico

ここで唐突に入ってくるチェルミコ。
「レイチェルだよー、マミコだよー、チェルミコだよー!」
1stのLPは全体的に落ち着いててイイ。
中でもこの曲は友人と遅番でバイトした帰りに外から見るコンビニの人気の無さとかただの大きな箱になってしまった感をぼーっと見てる感じがします(意味不明)。

"知らない女" by RHYMESTER

電車の歌です、ハイ。

くたくたの状態で終電に乗り込み、なかなか出発せず、虚で眠たい目でボーっと車内を見渡すと、同じように疲れ果てたOLがいて何だか落ち着いた、みたいな感じですかね(投げやり)。

おわりに

労働の対価としてよくアルコールが挙げられます。
同じようにクラブカルチャーをはじめとした音楽も、辛い労働を刹那的に忘れる一つの手段でもあります。

中でもHip-Hopは労働に限らず、自分たちを取り巻く劣悪な環境を訴える、もしくは別のエネルギーに変換するといった側面が大きく、そういう声がラップやこういったトラックに染み込み、僕を含めリスナーはそれらから伝わる「◯◯感」を通して間接的にアーティストのメッセージをイメージ出来ます。

受けて側(というか僕が)が「◯◯感」をイメージしたという事は、
もしかすると上で挙げたアーティストたちは深夜労働を経験した過去があってこれらのトラックを作曲した可能性も無くはありませんね(?)

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