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「女は女の敵かもしれない?」を考えてみる

こんにちは。いきなり衝撃的(?)タイトルかもしれないけれど、同性である女性を敵に回すつもりも、男性に媚びているつもりも特にありません。

そう思うに至ったのは、私が二人の子供(娘1・中三、娘2・小六)を育てながらフリーランス編集者・ライターの仕事をする中、「ほんまに、あなた同じ女性なんかい?!」と思えるような発言を受けたことが何度もあったからです。

そして、それは仕事だけでなく、時に夫の母だったり、実母だったり、兎にも角にも、「母親が働くことに対して、女性側から”もやっ”とする言葉をかけられること多し」の私の半生をちょっと振り返ってみようと思ったのです。

当時そのような”モヤっと”発言を受けた時は、「そうか、母親としてそういう発言をする私がいけないのだ」とか「これは自分の過剰反応だ」と思い込んでいました。

しかしどうでしょう。気がつけば、今や女性は子供を産んでも働いてOK。むしろ働いて国を支えてね!」時代に突入しているではありませんか。私は専門家ではありませんが、この流れは、かのツイッター『保育園落ちた日本死ね』辺りから、子育て世代の母親の働く権利が広がりを見せたのではないかと考えております。

ちょっと時代を遡り、「働く母親の権利」や「♯Metoo運動」といったムーブメントがまことしやかに発信できる前の時代です。娘1が小4、娘2が幼稚園の年長に差し掛かる頃、二人の娘がリビングで子供だけで遊んでくれる時間が増え、「よっしゃ仕事また始めよう!」と意気込み、就職活動を始めた後に体験した出来事です。

びっくり発言パート① 「お子さんが小さいうちは我慢しましょう」

アロマテラピーの資格があったので、某アロマの販売員に応募しました。ドキドキしながらも面接会場である企業に着くと、そこには就職活動の鉄板である黒スーツ姿の若い女性ばかり。「ああ、これは場を間違えたかしら」と思いつつも「パート可と書いてあったものね! 私だっていけるかも」と少し希望を持って(昔からある意味のない自信がそうさせたのでしょう)面接に挑みました。

キャリアウーマン的な人事の女性が現れました。仕事を優先にばりばりと働いてきたような、きりりとしたオーラがありました。面接では、「子供がいるので、午前のパート勤務希望です!」と堂々と主張する私に対して、「えーっと。うちは、早番・遅番両方できる人しか受け付けていません」。

「そんなこと、応募に書いてあったっけ?(おそらくちゃんと見ていなかったのでしょう)」焦る私。それでも、早番のみでできないでしょうか? と聞いた記憶があります。ピリピリと緊張感のある面接の中で、最後に言われたこの言葉だけは覚えています。「もう少し、お子さんが成長されてからお仕事を探されたらどうですか?」。目の前にあるノートをパタンを閉じられた瞬間、「私は間違った場所に来てしまった」と悟りました。面接はあっけなく終了し、とぼとぼと帰ることになりました。

帰ってから夫にそのことを話すと「それはひどい言い方だね」と同情されましたが、だからと言って、じゃあ小さい子供がいる母親が働くにはどうするべきかどいう議論には至りませんでした。

びっくり発言パート② 「ベビー向けなら都合いいんじゃない?」

もともと出版社系に勤めていたので、フリーランスライターなら自宅でできる! と今度は某出版社で面接を受けました。またしてもキャリウーマン風の女性が現る。「〇〇の記事は書けますか?」などいくつか仕事に対する質問を受けましたが、「取材希望時間はできれば夕方まで終わらせたい」という履歴書のテキストを見ると、「うちは取材対象者が夕方しか空いていないことが多いんです」。そして「小さいお子さんがいるんだから『ベビー向け雑誌なら午前で取材終わるみたいだから、そっちに行ったらどうですか?』」。

もちろん子育て向け雑誌も社会的役割があるのでいいのですが、わたしはわたしなりに取材や記事を書いてみたいジャンルがあるからこそ挑戦した。でも、「小さい子供がいるママなら、〇〇くらいでちょうどいい」という空気が嫌だったのだと思います。

そこでわたしは、過去の経歴があっても、家庭で子供たちを頑張って育てていても、結局は社会に出てしまえば、『独身並みもしくは男性と同様に時間の都合なく働ける(もしくはその準備ができている)人物でなければ、企業では歓迎してもらえない』現実を知りました。

現在はどうなのでしょうか?

少し周りの様子を伺うと、わたしが30代半ばに就職活動をしていた時代(ざっくり10年くらい前)より、保育園も見つかりやすい時代になったのではないかと思います。もちろん保育園に預けながら仕事をし、家事も育児もこなすお母さんは大変だと思いますが、それでも今より「お子さんがいるから無理ではないの?」という空気感はなくなっていると思います。そう願います。

仕事を始めてもびっくり発言パート③「子供いるのによくやるよね」

こうした数々の「子供は言い訳にならないよ」ムードを身に染みて体験した私は、取材時は少し遠くに住む父に来てもらい子どもたちを預け、自宅で原稿を書くときは子供たちが幼稚園や小学校にいる間。もちろんそれだけでは作業は終わらないので、子供たちが帰宅後は「テレビの音はなるべく小さくしてね!」とやや恐々としながらも仕事をさせていただいていました。

子供たちは私がパソコンに向かっている間も「(本を持ってきて)ママ、これなんて読むの〜?」とか「(折り紙などを持ってきて)これ、見てみて〜」とか無邪気なもので、集中力が途切れることは何度もありました。「思いついた文章吹っ飛んだ!」と悲しくなることもある。その逆で「これはちゃんと耳を傾けないといけない事案だな」と作業を手を止めるなど、その場その場でなんとか凌ぎながらも、うちの姉妹たちは二人でわちゃわちゃ遊んでいたり、テレビに夢中になっていたり、それほど不満はなさそうでした。というか、結構元気でした! 子供たち、感謝!!

仕事を継続してもらうことができるようになって数年後、スタッフの方と打ち合わせをする機会がありました。その方は、雑誌によると働く”女性の檻”と表現されていて、頭は切れるし、人を平等に扱い、かつ能力があればチャンスをくれる人でした。

会議室で他のライターさんを待っている時間にちょっとした雑談。子育てと仕事の両立にもがいていた当時の私は、他のライターさんの状況が知りたくなり、「〇〇さんって(他のライターさん)お子さんいるんですか?」と聞いてみました。Aさん「いるよ、〇〇さんも、XXさんも、ほとんどいるんじゃないですか)。「(忙しいのに)ホント、よくやるよね〜」。

「よくやるよね」と言われるママさんフリーランスの活躍で仕事が回っている状況だったので、ちょっと下に見られているようで、言葉を失いました。

それでも瞬間的に、「そうか、母親ってよくやるよねって思われてるのか、それなら母親だってできるんだって思わせたい!」と変な方向にエンジンを切ってしまいましたね。でも「よくやるよねっ」ってなんだろう。『モヤっと』します。飽きられるほど大変なのは、”母親が働く選択肢をしているから”はなくて、母親が働いて家事・育児をしてという『3オペレーション』を押し付けられているだけ。社会全体や父親の意識が変容し、もっと家事・育児に参加したり、一緒に家庭を回す作業ができる人が増えれば、「大変なのによくやるわね」という発想はなくなるのかもしれません。

母親が仕事しながら家事・育児抱えて当たり前の社会が「働く母親は大変問題を慢性化」させてる!!

ってどうしてすぐ心の中で思ったり、発言することができなかったのだろう。

子供を産んでからの働き方は、とにかく保育園の問題や父親の家事・育児参画、社会自体が男性育児を後押しすることなど様々な問題があります。これからどんどん開拓・変化させるべきところでしょう。

でもね、中には女性が女性に「子供が小さいから我慢したら」、「子供がかわいそう(謎の3歳児伝説)」を過去には平然と悪気もなく(これが問題なんだ)を、女性が女性に向けて発信する時代もあったわけなんです。亡き義母も、「まだ娘1小さいから3歳までは仕事は我慢しなさい(3年後に2児産んでたら、さらに3年追加?)」と言われました。

今、多く議論されている「父親育児参画問題」、「育休取得義務化」の動きを見て、もちろんまだ発展途上である現状であっても私は少し羨ましく思います。私の子育ての繁忙期は終わってしまった。もっと社会に地域に、父親に育児参加してもらえる機会を作ってほしかった。せめて頑張るワーキングマザーを揶揄するのではなく、応援したりバックアップする気遣いがほしかった。

夫は最近やっと家事を「手伝ってあげる」から、「男もやるの当たり前」に代わってくれました。同時に、今は娘は思春期、受験期、成長期。進路の悩み、友達の悩み、生理のことetc。お世話ではなく心のケアが必要なステージに入りました。そんな時にやっぱり娘の悩みに関しては娘がパパじゃなくてママがいいというケースもあり、もちろんパパだからこそできることも多くあります。

私の友人らに聞くと、どのお方も「男の人は察しない」、「そもそも手伝いとしか思ってない」論が多いです。というか、もう、議論しなくなりました。結婚生活も長いと諦めと達観もあるし、40歳を過ぎ自分の健康問題や親の問題(健康や介護への準備)など悩みも多様化します。仕事を継続してこれた人もいるけれど、今さら就職するは勇気が持てないという人もいます。その気持ちもすごくよく分かります。

10年くらい前に、もっと「男女育児参画問題」が勃発していたらなあ。自分が問題提起できたらいいのに、世間の声に負けていたな、と思います。

ーーーでもって私の心は挫けてはいない。これからはもっといい世界になると、してやろうと思っています。ここで40代の私が負けていたら、同世代の女性に奮起を与えられない。

娘たちが大きくなり親になった時、同じように「旦那が家事と育児やってくれなくてさあ」という悩みを実家に持ち帰ってくる世界にはしたくないです。


♯男女平等 ♯ジェンダー #フェミだけどフェミじゃない #フェミニスト #女性参画 #metoo 

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