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頑張る、疲れる前にやるべきこと

最近、1ヶ月に一回ほどは事前予約をしてマッサージを受けるようにしている。もともとアロマテラピーなどマッサージを受けるのが好きで、疲れが溜まると受けていたのだけど、前からセラピストさんに言われる言葉が気になっていた。

「疲れが溜まってなくてもいいから、1ヶ月一回くらいは体を休めに来てくださいね」

みたいなこと。

でもアロママッサージは高いし、1ヶ月に一回は来れるほど予算はない。もっと稼げるようになってからとか、そんな気分になったらね、くらいに思っていた。

その前提として、私は1年ほど前からスキルアップと自分の学びのため、日本アロマ環境協会のアロマセラピストコースでセラピストになるための資格を取得している途中だ。授業の中で、講師とどの頻度でセラピーを受けるのが妥当か? セラピーを受けた後の体の調子はどうなのか、という話しになった。

私の場合は、「肩凝りやストレスが限界の時に、セラピーを受ける」。「しんどいと思ってから、予約してセラピーに行ける日が待ち遠しくて仕方ない」という「楽しみを待つ楽しみ」も満喫していた。セラピーを受けた後は体が軽くて、セラピストさんに丁寧に扱ってもらった喜びや、凝りや疲れが取れた爽快感で幸せいっぱいだったのだ。

ところがだ。この2年くらい、疲れをたっぷり溜めてから受けたセラピーの後、自宅に帰ると、なぜかぐったりと疲れている自分に気がついた。というよりむしろ、セラピストさんのサロンを去った後の夕飯の買い物から、野菜を選んでいても体がだるくって仕方がないのだ。

おまけにだ。自宅に帰っていつも通り家事をするのだけど、その日は家事がやりたくなくて仕方ない。リビングでダラダラする娘二人を尻目に動き回るのが日常なのに、その日はなぜか「なぜ手伝ってくれないのか」と憤る。心の中でイライラしている。なんか変だ、と思っていた。

それでも、その理由はきっとたんまり疲れていたから、普段は重たい体を引きずるようにやっていた家事が辛い、と自覚しただけなのかなと思っていた。こんなに自分って頑張っていたんだな、すごいな、と思う反面、せっかくお金をかけてセラピーを受けてきたのに、自宅で結局イライラしたりするなんて勿体無い。そう思って、セラピーの意味がわからなくなって、一時受けるのをやめてしまった。

ところで、私はヨガ愛好家でもうかれこれ15年ほどヨガを続けている。だから、肩凝りがあるなら、動いて解消すればいいんだ。そう思ってセラピー通いを辞めてからは、これまで以上にヨガに通い詰めた。ヨガインストラクター養成講座に通い、全米ヨガアライアンス(RYT200)も取得した。

だが、ヨガをしていてもやっぱりセラピーが大事だなと改めて認識した。ヨガインストラクターの試験勉強量があまりに膨大だったり、生徒の前でティーチングをする訓練がプレッシャーで、どこかヨガ以外に心の拠り所が欲しいと思い始めていたから。ふと立ち寄ったハーブとアロマの店で嗅いだ「ゼラニウム」の香りにピンときて即購入した。

私は嬉々として、ヨガの同期生に「この香り、すごく良くない? 緊張が解けるわ〜」と嗅がせてみた。でも彼女は「そうだね、いい香りかな」と言うけど、そんなに関心はなさそうだった。私はもともとセラピーに関する取材をしていて、そうしたセラピーに関心のある編集者やセラピストさんとの付き合いが長かったので、香りは誰でも好きなものと思い込んでいた。しかも、ヨガのように自分で自分を癒すことが好きな人=アロマも好きに違いない信じ込んでいた。

そういえば、他のヨガ仲間も、ランチのお手拭きにさりげなく施されたアロマのティートリーの香りに気づかなかった。なんという単純思考でしょう。

でだ。そうか、私やっぱりアロマやハーブが好きだし、セラピーが必要な人間なんだな、と認識した。

話はアロマセラピスト養成の講師との会話に戻る。アロマセラピスト講師曰く、「セラピーを受けた後にだるくなるのは、単にその人にとってコースが長すぎたか、疲れを溜めすぎている可能性がある」とのことだった。

ちょっと衝撃だった。疲れが溜まったからセラピーを受ける→癒され、疲れが取れてまた頑張れる、の方式に乗っ取って今まで行動してきたのに。疲れが溜まりすぎて却ってセラピーで疲れるなんてあるのだな、と。

アロマセラピストの実技授業では、生徒同士でマッサージの練習をするのだが、フリースクール制度で新米生徒として、先に入学していたセラピスト練習生のマッサージを受ける機会が続くことがあった。多くて週に一回、全身とフェイスの合わせて75分くらい。しかも私の身体の状況に合わせた精油をブレンドしてマッサージをしてもらった。

不思議なことに、人って身体の調子がいい時って自分が調子がいいと気づかないのらしい。先輩練習生のレッスンが終了してから、「あれ、あの時ってむっちゃ調子よかったな。レッスンが終わって自分がマッサージをする側になったり、ライターの仕事をしたりする日が戻ったら、またなんか疲れる、体が思いな」という感覚が戻ってきた。

というより、そもそも普段から家事も仕事もしていて、本当はだるかったり、肩凝ったりしているのに、疲れをあんまり認識していなかったのだろう。

これって他の人にも当てはまるんじゃないかと思う。例えば、私の旦那さんはバリバリ頑張る営業マンなのだけど、夜10時くらいに帰ってきて、ご飯を食べたらすぐテレビを観ながらリビングで寝てしまう。「もう眠気に勝てん!」と言って、風呂にも入らず寝室に直行してしまう。一般的に見れば、風呂に入った方が疲れが取れるし身体にもいいと思われそうだけど、彼にとってはそれがベストらしい。働き方が相当大変なんだろうと思う。本人曰く、お風呂に入るより睡眠欲が強いんだそうだ。私も20代の頃、そんな働き方をしていたから、体感としては理解できる。

そもそも、日本人って働き者が多いのだろうか。世代的にも、夫も私も「24時間、戦ーえますか? ビジネスマーン!」というエネルギードリンクのCMを観て育った。「24時間戦えるわけないじゃん!」。CM放映当時は小学生だった私でさえ、ツッコミ入れたくなる。なのに大人になった今、なぜか、頑張る、我慢する癖がついてしまった。我慢することが美徳という、日本人独特の考え方が私には染み付いているのかもしれない。

今、私が受けているマッサージは、タイヨガマッサージというもの。セラピーはヨガスクール内に併設されていて、私は会員価格で施術が受けれられるのと、ひと月前に予約すると少しお安くなる。セラピーの部屋がヨガの教室の廊下を挟んで隣だけど、静かで、凛とした鈴のような音楽が鳴っている。あれはなんだろうか? 心地よいオーガニック素材の服に着替え、足欲をしてからフットマッサージを受け、タイヨガマッサージを受ける。今日はハーバルボールをプラスしたら温かくて気持ちよくて、クーンと寝てしまった! 本当にクーン! という感じ。久しぶりに気持ちのいい寝息を立てていたような気がする。

帰りは身体が心地よく、買い物してもだるくない。ダラダラしてる娘を見てもイライラしなくなった。疲れを溜める前に、休むべしと聞いたことがあるけど、本当なんだ。

自分をご機嫌にするツールってたくさんある。例えば、本を読んだり、音楽を聞いたり、運動をしたり、昼寝をしたり。でも、その中に、誰かに頼って自分を癒すって選択肢がもっと日常に増えてほしいと思う。マッサージにかけた代金は、頑張って節約すればなんとなる。その分、ご機嫌でイライラせず、ご飯が作れて幸せだと思うのなら、月1セラピーはお勧めです。

こんなに長い文章を書いてしまって、結局のところ言いたいのは、自分がだめになる前に、自分を休ませてほしい。その願いでいっぱいです。

私の義母は、子育て、介護を頑張って、やっとこれからと言う60代前半に、ガンになって死んでしまったから。我慢、我慢、の多い人生だったと思うけど、もっと楽をして欲しかったなと思っている。ちょっと話がずれたかな。

最近は、ストレスに関する記事も多く見かけるようになった。きっとみんな同じように大変なんだ。だから自分を癒してほしい。最後に自分をわかってあげられる、自分の体調に気づいてあげられるのは、何より自分なのだから。

#ライター #セラピスト #タイヨガマッサージ  #セルフメンテナンス

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