見出し画像

あたりまえのまえ。

このところ年のせいか布団から一気に起き上がれなくなった。
というよりも、つかまり立ちをするのが癖になってしまったというのが正しいのかも知れない。

一昨年に椎間板ヘルニアを煩い、とにかく腰を曲げるのが辛い。特に起き抜けは腰が固まっているのか支えなしでは顔も洗えないぐらいだ。
そんなわけで、布団から立ち上がるときも近くの椅子やチェストに掴まり腕の力で引っ張り上げることでなるべく腰に負担をかけないように起きるのが日常となってしまった。

こんなことでは、よそ様よりも一足先に介護保険のお世話になりそうだという不安もよぎるわけだが、もともと体力、キラキラ光る汗とは縁遠い生活の中で『体作り』なんて実践できるはずもないし、続けられるような強い意志もないのが現実だ。

先日、NHKで最近の小学生の身体能力が著しく低下しているというニュースを見た。なんでも、今の子供は踵を地面につけたままの屈伸が出来ないというのだ。どの子も踵をつけたままの姿勢で膝を曲げて座ろうとすると、皆一様に後ろにコロンっと倒れてしまうらしい。

僕にとっては、そんなことはあまりに「あたりまえ」の能力で有り、「え?なんでできないの!」と不思議でしようがない。
テレビの前で家族に実演して見せ、同じように家内と娘にやらせてみると、見事に二人ともコロンと尻餅をついて見せた。

おい、おい、とツッコミを入れつつ、
「パパなんて、この姿勢から片足で立ち上がれるぞ」と屈伸のまま左足を前に投げ出し、右足だけでググッと立ち上がって、、、
立ち上がって、、
立ち上がって、、
立ち上がれなかった。。。

2,3年前までは、普通に片方ずつの足でちゃんと立ち上がれたのに、腰は持ち上がるものの最後まで持ち上げる一押しがでない。

「レイ! V-MAX!発動っ!」とか「裏コード!ザ・ビースト!」とか「トランザム!!」とかいろいろ叫んでみたが、やっぱり立ち上がれない。

今まであたりまえに出来ていたことが、全く出来ない。
やはり、この2年間の腰をかばう生活をしているうちに、下半身のインナーマッスルが相当低下してしまったらしい。こりゃ、参った。いよいよ残りの人生に暗雲が立ちこめてきた感が否めない。

とりあえず、あたりまえの「前」に立ち戻って、
明日から「拳児」を読んで八極拳の暗勁でも体得してみるか?。。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?