そぼくなぎもん

人は日々、生きるために様々な生き物を食べている。
その土地の風土に合わせ、食は研究され進化して大事な文化となった。

その中でも和食の文化は実に多彩だ。
しかし、現代日本ではむしろ諸外国の食文化のほうに慣れ親しんでしまっている。僕ももういい年だが、普段、口にする和食と言えば、思い浮かぶのは、寿司、すき焼き、煮物ぐらいで、懐石料理なんかはそうそう口には入ってこない。

そんなんだから、和食への知識も乏しいし、たまにお呼ばれで料亭などで本格和食を食べても、その繊細な和食の旨さを実感として楽しめたことはない。

なかには欧米人同様に「なんでこんなものを食べるのか!」と驚くような郷土料理に出会うこともある。
日本人の飽くなき食への挑戦は、見た目恐ろしげな食にまで広がっている。

僕はどうも、ホヤの見た目が気持ち悪くてどうにも手が出せない。
長野の蜂の子やイナゴなどはもってのほかだ。
精力がつくと言われるマムシの焼酎も本体がなくても気持ち悪くて飲めない。

ビジュアルをイメージしないで、目隠しで口に入れれば意外に美味しいのかも知れないが、恐らくはこのまま食わず嫌いで一生を終えるだろう。

さて、夏ももうすぐ終わり。
駅前の居酒屋の看板に「カブト焼き」の文字があった。
いや〜気色悪さ飛び越えて、和食文化には敬服するわ。


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