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本日映画2本視聴

・百円の恋
・誰もしらない

⚫ 百円の恋
話は、元ニート女がボクシングに目覚め、プロのボクサーになり、人として成長していく話。(めっちゃザックリ)
主演をつとめる安藤サクラの演技、というか役作りへの努力が伝わってくる作品。
1つの物語の中で、どうしようもない底辺の女から、恋愛にウブな女性、ボクサーまで完璧に演じているので、役者としての力量の高さがわかる。
ボクサーとしてのシーンは、もうガチでボクサーにしか見えない。(もちろんプロのボクサーが見たら違うのかもしれないが、、)
また、底辺の人間が数多く出てくるが、底辺の人間や社会観がリアルに再現されていて面白い。
底辺の人間って確かにこんな感じだよねってなる。
どんなダメなやつでも、必死で努力すれば変われる。というのが、作品の内容からも、安藤サクラの役作りからも伝わってくる。良い作品。

⚫ 誰もしらない
出生届すら出されていないネグレクトされた子供たちの生き様を描いた作品。
主人公は柳楽優弥。やっぱ柳楽優弥すげーわ。
可哀相な子たちだなーっていうレベルの感想で終わらない、あまりに深い作品。
主人公家族の4人の子供たちは出生届が出されておらず、父親もおらず、母親は育児放棄、学校にもいけない。
こんな環境で育つ子供の心情や考え方など一般の人が到底理解することなどできない。
なぜなら普通、出生届が出されていて当たり前だし、学校に行くことも当たり前なのだから。
普通、そんな状態だったら警察や役所に相談して保護してもらうのが良いというのが一般人にとって当たり前の発想だが、クソ親に育てられ、学校にも行けず、外の世界も知らず、常識も知らない子供にとっては、何より家族が離れ離れになる恐怖心がとても大きかったのだろう。
最後に下の小さい妹が病気か何かで亡くなってしまうのだが、兄弟は誰も涙を流さず、主人公がその遺体を無表情でトランクケースに押し込むシーンを観て、何とも言えない感情になってしまった。
死んだ方が幸せと思ったのか、一人分の生活費が浮いて良かったと思ったのか、母親への憎悪なのか、真相は謎である。
この映画の深いところは、妹が亡くなった後も同じ生活を続けているシーンで終わった事である。
要するに、この子供たちがどうなっていくのかを観てる側に想像させる終わり方になってる。
深い作品。