急変時・トラブル対応 2)出血

ばじる🍃です。宜しくお願い致します。

さて、今回は、透析中の出血について、考えてみたいと思います。

どのようなことが、考えられるでしょうか。

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💉穿刺刺入部からの出血

同一部位への反復穿刺により、穿刺の刺入部の穴が大きくなり、その穴のところから漏れてしまうことがあります。あまりにひどければ、抜針し、止血をし、穿刺部位を変えていく。ちょろちょろな軽度であれば、清潔なガーゼなどを当てて出血をせき止める。そんな感じで対応しています。なるべく再穿刺は避けたいものです、お互いに。。。

💉血液回路からの出血

最近の新しい装置では、安全機構がしっかりしているため、このようなこともなくなってきたのかなとは思いますが、ゼロではないかと思いますし、実際に大事故も起きています。(後述あります)

●抗凝固剤注入ラインでの、シリンジとの接続部

●A・Vチャンバ上部にある薬液ルートなどのキャップの緩みから

●V側穿刺部と回路の接続不良

血液回路内部の圧力特性を考えてみると、血液ポンプ手前は、陰圧ですが、ポンプの後から、患者さんへ戻るまでの間は、陽圧となっております。その、陽圧間のどこかの接続だったり、キャップの緩みだったりがあると、そこから出血が発生します。警報も静脈圧下限警報が入るかとは思いますが、警報の範囲によっては入らない場合もあります。警報の範囲設定も大事ですね。気づいたら血の海になっていた、、患者さんの意識が・・・といったことにもなりかねません。

各接続箇所については、しっかりと閉じられるべきところは閉じられているか、等しっかりと確認していきましょう。

💉止血中の出血

止血が甘く、ダラダラとでてしまっていた、血液の温度は皮膚温度とあまり変わりないため、気づかなかった・・・などのケースがあります。

止血バンドを巻いてお帰りになられるご施設もあるかと思いますが、ばじる🍃の施設では、止血を完全に確認させていただいてからお帰りいただくこととしています。

また、止血中は、なるべく掛け布団はかけないようにさせてもらいます。発見しやすくするためです。また、止血タイマーをかけてますが、10分で止まる場合には間の5分経過したところで一度かけるようにしています。


💉体内での出血(消化管出血など)

透析患者様での鼻出血や消化管出血は、度々遭遇することと思います。血小板機能を阻害する代謝産物の蓄積により出血傾向が現れてくるためです。また、透析を行うにあたり、ヘパリンなどの抗凝固剤を使用したり、シャント閉塞防止や、狭心症、脳梗塞などを予防するために抗血栓薬を内服されていたりする場合にも出血傾向がみられることがあります。

ですので、そういった体内での出血がある際には、抗凝固剤の変更(フサン®などの蛋白分解酵素阻害剤などへ変更)で対処します。

消化管出血をしている場合は、時としてはまず透析を行う前に、胃カメラや大腸カメラなどを行い、出血源を探索し、止血をしてあげてから透析を行うことも多いです。ですので、患者さんがいらっしゃって、ただ単純に透析を始めてしまうのではなく、変わりないかなど、患者さんの状況をしっかりと掴んで、何事もなかったことを確認してから開始することが極めて重要です。

もし、透析中に強い腹痛が現れているときは、血圧低下だけではなく、消化管出血なども考慮していきます。


📺先日、どこかの透析病院で大出血の末、患者さんがお亡くなりになってしまった。といったニュースがあげられていたかと思います。どんな状況だったのでしょうか。。。血液回路の中で、閉じられるべき箇所が閉じられていなくて・・・とありましたので、プライミング用の廃液ラインなどが閉じられていなかったのでしょうか。。。警報は入ったそうなのですが、そのまま始めてしまった・・・とかかれてありました。(そのままはじめられてしまうのも怖いですね。)被害に遭われ、お亡くなりになった患者様のご冥福をお祈りいたします。

そして、このようなニュースは、忘れ去られたくらいで起きていることでもあります。明日は我が身。透析医療はじめ、医療に関わるものとしては他人事ではないです。改めて初心に戻り、どんな慣れた作業でも、自分での思い込みなどで行うのではなく、しっかりと、『これはこうだからこうする。』といった考えを持ち、行動していくことが重要だと思います。そして、少しでも自身がないときは、遠慮なく先輩等に報連相をしてください。よくありがちなのが、先輩が忙しそうにしていたので、報告ができませんでした・・・と。でもそれだと、時としては手遅れになってしまいかねません。患者様ファーストです。患者様のために、何が一番大事なことなのか。それをよく考えてください。どんなに忙しいときでも。先輩から、そんなこともわからないのか・・・なんて、(今どき、そんなことを言う人もいるのでしょうか・・・)罵倒されたとしても、それはそれ。気にして、わからないまま対処するといったことが、どんなに怖いことなのか。。


たかが出血ではなく、されど出血です。出血をしていることは、異常なことです。絶対にあってはならないことですし、そうならないように未然に防ぐため、しっかりと各項目を確認しながら対応していくことが重要ですが、もし、もしも、そうなってしまった場合にはいち早く発見できるよう、常々最新の注意を払い対応していきたいものです。


最後までお読みいただきありがとうございました🍃

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