処方薬 ~透析全般にかかわる処方(透析前、透析中、透析後、処方薬)~
ばじる🍃です。宜しくお願い致します。
さて、今回は『 処方薬 』について、です。
透析患者さんが飲まれている薬について、簡単ではありますが、まとめてみたいと思います。
透析のみでは、腎臓の働きを完全に補うことができないため、薬の力を借りて補います。
どんなお薬を飲まれているのか、(投与されているのか)。。
主に、以下に示すようなものがあります。
💊造血剤
腎不全の患者さんは、その名のとおりで、【腎臓が不全状態】のため、腎臓で造られる赤血球の産生を促進するためのホルモンであるエリスロポエチンといったものが産生されなくなってしまいます。そのため、貧血(腎性貧血)の状態となってしまいます。その貧血を改善するため、造血剤であるエリスロポエチン製剤が投与されます。貧血の頻度に応じて、投与量が定められております。
💊活性型ビタミンD製剤
ビタミンDには食べ物からカルシウムを吸収し、骨を丈夫にする働きがあります。そのビタミンDの働きを活性化してくれるのが本来であれば腎臓で、健全な方ではその働きがなされるわけですが、【腎臓が不全状態】な腎不全の患者さんではその働きがなされないため、カルシウムの吸収がされないため、血中カルシウム濃度を上げるために骨からカルシウムを補おうとします。結果、骨がもろくなってしまいます。そのため、活性型ビタミンD製剤の内服、もしくは静注として使われています。
主にはアルファカルシドールやカルシトリオールなどです。
💊リン吸着薬
おいしい食事にはリンが多く含まれていると考えてください。。(前置きでした)
食事からのリンは透析で除去するのですが、どうしてもそれだけでは十分に取り除けません。そのため、内服をすることで、腸からの吸収を助けてあげます。さまざまな種類のものがあり、ものによって内服の方法がかわってきたりします。炭酸カルシウムやセベラマー塩酸塩、炭酸ランタン、ビキサロマー、クエン酸第二鉄水和物などです。聞いたことありませんか?ものによっては、便秘がひどくでてしまったりするものもあります。
💊PTH分泌抑制剤
上記のカルシウムの吸収やリンの排泄にも関わってきますが、透析患者さんでは、【腎臓が不全状態】な腎不全状態であるため、カルシウムの吸収がうまくできず、また、腎臓からリンの排泄もうまく行われなくなってしまいます。そうなると、リンの濃度を血液中にある副甲状腺ホルモン(PTH)といったものが高くなってしまい、その結果、二次性副甲状腺機能亢進症となってしまいます。
血液中のカルシウムが低下しリンが上昇する…この状態は、副甲状腺を刺激してしまい、副甲状腺ホルモンがたくさん分泌されてしまうわけです。骨がもろくなり、骨痛や骨変形、骨折などを引き起こしてしまいます。さらに、さまざまな場所にカルシウムを沈着させてしまうため、(これを異所性石灰化といいます)動脈硬化や心臓弁膜症、関節炎などを引きおこしてしまいます。透析患者さんで、弁膜症などが多いのもここからきているところもあるかもしれませんね。そのため、PTH分泌を抑制させるため、内服をします。
主にはシナカルセト塩酸塩と呼ばれるものです。
💊カリウム吸着剤
リンと同じように食事からのカリウムは透析で除去するのですが、十分に取り除けない場合は内服をします。そのため、内服をすることで、腸からの吸収を助けてあげます。さまざまな種類のものがあります。
主には、ポリスチレンスルホン酸カルシウムやポリスチレンスルホン酸ナトリウムなどがあります。
💊降圧薬
透析患者さんでは、体液過剰やホルモンの関係で血圧が高い場合が多いです。さまざまなお薬があり、必要に応じ、処方されております。
💊昇圧薬
血圧が高い状態が多い透析患者さんですが、透析中、逆に血圧が下がってしまう患者さんもいらっしゃいます。あまり下がってしまっても透析がうまくできないどころか、シャントによくないです。
そのため、内服もしくは透析回路より投与され、透析中の血圧を維持していきます。
💊そのほか
その他には、骨粗鬆症のお薬ですとか、血管を拡張させるためのお薬、鉄剤や痛みやかゆみに対するお薬、足がつってしまったときに入れる薬などなど、ほかにもさまざまな薬剤があります。
内服も回路からの静注剤もさまざまありますね。
回路から静注する薬剤の中には、投与時の注意などがあるものもあります。ゆっくりいれましょうとか、モニタリングしながら投与しましょうとか。。
ざっとお薬💊について、まとめてみました。あなたの施設では、どのようなお薬が採用され、患者さんに処方されてらっしゃいますか?
一度、まとめてみると勉強になりますね。
最後までお読みいただきありがとうございました🍃
次回もまた、宜しくお願い致します。
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