透析液について概要から・・・。

ばじる🍃です。よろしくおねがいいたします。

今回からのテーマは、『 透析液 』についてです。

こちらについても、もうばっちり~と思われる方、すみません。スルーしちゃってくださいねm(__)m

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では、さっそくいきましょう。


♠透析液とは。

透析膜と同じく、透析療法をする上ではなくてはならないものです。

半透膜を介し、血液と透析液が向かい合うようにして流れていますが(向流といいます)、半透膜にあいている小さな穴(ポア)を介し、血液中の老廃物を除去させたり、電解質や酸・アルカリのバランスを調整する役割を担っています。

そんな素晴らしい役割を持つ透析液は、各製薬会社からいくつか、組成の違った透析液が製造・販売されています。その形態は透析原液として販売されており、主にリキッドタイプといわれている液状もの、もしくはパウダータイプといわれている粉状のものと2種類あります。その透析原液は透析用水によって希釈し、適切な濃度となった状態で使用されます。

♠治療1回あたりどのくらいの透析液を使うのか。

透析液使用量(おひとり様あたり)・・・1回の治療で、透析用水により希釈された透析液は、治療時間が4時間として、120 L程使用するとされています。(透析液流量500 ml/minの場合…240 分×500 ml/min=120000 ml=120 L)

透析液の成分

透析液の成分としては主に、、、Na、K、Ca、Mg、Cl、HCO3、ブドウ糖、からなります。電解質で考えてみると、透析患者さんは血液中のKやMg、P濃度が高くなり、CaやHCO3などが低くなる傾向となります。ですので、KやPなどは含有されておりず、逆にCaやHCO3濃度を高くしてあげることで、血液中に補ってあげることを目的としています。

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◆重炭酸(HCO3)の役割

腎不全の状態では、体液が酸性に傾き(アシドーシスといいます)、細胞の働きが悪くなります。それを弱アルカリ性に戻すために、透析液にはアルカリ化剤である重炭酸が含まれています。
HCO3濃度は透析液によって異なり、いくつかの種類があります。25mEq/L、27.5mEq/L、30mEq/L、35mEq/Lなど。。。(ばじる🍃の職場では、25mEq/L のものを使用しています。)

アシドーシスを是正するためにもHCO3濃度は高い方がよいですが、是正しすぎて血液がアルカリ性に傾くと、血管などにCaが沈着する異所性石灰化が起こる恐れがあるといわれます。

♠酢酸が含まれている透析液の目的

透析液中に含まれるCaやMgが沈殿しないよう、アルカリ化剤が入っています。酢酸やクエン酸と呼ばれるものが入っています。これらは「酸」と呼ばれますが、肝臓で代謝されて重炭酸になるため、アルカリ化剤として考えられています。

◎酢酸不耐症って聞いたことありますか?

酢酸不耐症とは、血中酢酸濃度の上昇による透析中の血圧低下、頭痛、嘔気、嘔吐などの不均衡症候群など、酢酸によりおこるさまざまな症状を言います。

酢酸の働きとして、末梢血管拡張作用や心機能抑制作用などがあります。これらの働きにより血圧が低下しやすくなったりします。
肝機能が低下すると酢酸が代謝しきれなく酢酸不耐症を呈することがあります。
特に高齢者や糖尿病患者は代謝機能も低下しているので注意が必要です。
エンドトキシンと同様、炎症反応を起こす物質(炎症性サイトカイン)を誘導します。

まずは、透析液ひとつとってもとても奥深く、こうやってまとめてみると、改めていろいろと勉強になります。


透析膜の種類だけではなく、生体適合性や身体の中での反応についてなど・・・ほんとに幅広いですね。

透析液について、まずはおおまかにまとめてみました。

次回もよろしくお願いいたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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