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あっぱれ!浦安鉄筋家族268話「セロ」感想

「鼻フック」とは醜形に相手を飾り立てることで、Mの羞恥心を煽るSMグッズ。また、拘束具の役割も持っているので、扇情的な主従関係を明示するにはもってこいのアイテムである。

今回の物語の発端は、小鉄によるその「鼻フック」の再発明にある。幼子は新雪のごとし。踏み荒らされていないが故に、日常に隠されし険に触れる。その危うさを感じ取れるのは、すでにこころが足跡だらけの「オトナ」だけであり、この回にそういう同輩が登場するのかどうか、そこにこそ私達はドキドキするのだろう。

その点、のり子が恥じらいを示しつつも、それがあくまでお笑い的な文脈に徹している(様に見える)という描写は秀逸である。煽てられつつも自分の鼻を手に掛けるのはあくまで己なのだ。オトナはそこにいない。そして、のり子はまだ誰のものでもないのだ。私達の張り詰めはここでゆるゆると弛緩する。なるほど、こいつはそういう物語として消化すればいいのか、と。

だが、最後のページ、あまりにも小鉄に前のめりなのり子の姿勢…!そこからオトナ読者は聞くのである。いつかやってくるであろう、幼年期の終わりを告げる足音を。。。。

模写したやつ…いや…まあ普通にやべーかこれは


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