2,000円を手にした男が有馬記念
バイク、テレビ、冷蔵庫、掃除機、家庭内稟議承認待ちの案件が多数ある中で、しれっと妻に出してみた『有馬記念で夢見る馬券を2,000円ほど買う』という稟議が奇跡的に通った。
普段1日500円しか買わない小者にとっては、巨額の融資が下りた。
ただし条件がある。
当たった場合は、家族に還元すること。
大万馬券狙いを100円ずつ20通り買おうか。
自身の1点買い2,000円ぶち込もうか。
とにかく当てたい。
何度も頭の中でシミュレーションを繰り返す。
4コーナーをまわって、力強く中山の坂を駆け上がるクロノジェネシスの姿が見える。
オッズは安くても1着はこれしかない。
決めた。
しかし2着以下が見えない。
夢を見たいかな有馬記念。
ここは高配当が期待できる3連単を買おうじゃないか。
そして2分30秒のドラマが始まる。
4コーナーを抜群の手応えで回ってくるクロノジェネシス。
おお!シミュレーション通り。
力強く直線伸びるクロノジェネシス。
よし、そのまま伸びろ!1着!
はい、2着全然買っていない馬きました。
ハズレですー。
中央競馬は終わったけど、まだ大井で年末の総決算、東京大賞典がある!
それがダメでも年明け新春レース金杯がある。
そこから週末になれば毎週レースがある。
こうやって、敗者はいつまでもどこまでも敗者なのである。
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