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季節の味わいを丁寧に焼き上げるベーグル屋さんの話

こんにちは。毎日ベーグルを食べている私です。

最近お気に入りのベーグル屋さんの話です。kuboぱんというお店なんですが、月に4回ほどしかお店での販売をしない、小さなベーグル屋さんです。

販売日はインスタグラムで毎月お知らせ。そのときに販売するベーグルの内容は基本的に当日までわかりません。「チョコのベーグルがおいしかったからまた買おう!」と思っていたとしても、当日お目当てのベーグルがあるかどうかはわからないのです。
月に数回しかオープンしないのに「食べたい!」と思っているものが買えないかもしれないのって、ちょっと悲しいですよね。

でも、kuboぱんのオープン日には、必ずオープン時間前からずらっと列ができるのです。
「清楚なお店」と表現するのが正しいでしょう、白い布がかけられた木の扉の奥でオープンの準備が進み、kuboぱんファンが静かに、その扉が開くのを待っています。

オープン時間。ゆっくり扉が開いて「お待たせしました」と優しく微笑む店主の久保さん。
1人、2人、3人、、と店内に吸い込まれ、ダイニングテーブルに大事に並べられたベーグルたちを1つ、2つ、3つと手に取り、トレイに乗せていきます。

ベーグルを包んでいるプラスチック袋には一つ一つ生地の中に巻き込んである具材の説明が記載されています。その文字はまるで小川の水の流れのようにさらりとしていて、潔くて、そして優しい。

入り口横のカウンターで、久保さんが丁寧にお会計。「お近くからいらっしゃったんですか?」「この栗はとっておきでね」なんていうふうに、自然と始まるお客さんとの会話。
kuboぱん初めてのお客さんにも常連さんにも、誰に対しても優しく微笑みかける久保さんとのちょっとしたお話も、kuboぱんを訪れる楽しみの一つ。
「前回の◯◯、すっごくおいしかったです」「◯◯はまた作りますか?」小さな店内にそんな声も聞こえてきます。

kuboぱんのベーグルは、優しいし歯触りと手の込んだ具材が特徴。

生地は低温でゆっくり焼かれているのか、焦げ目なくどれもやわらかな表情。
唇に優しく触れて、ストレスない歯触り、ふわりとした舌触り。
美白とも言える白生地ベース、ほのかに香る全粒粉ベース、昔懐かしい蒸しパンを思わせる黒糖ベース、ちょっぴり大人のエスプレッソベース。
どの生地も、主張しすぎず中の具材や一緒にいただく食事を邪魔しない。

生地に練り込まれる具材は、久保さんの選りすぐり。丁寧に加工され、苺や金柑、桜の花びらなど、季節を感じるものもたくさん。その優しい味わいに、何度食べても頬が緩みます。

ベーグルを手にしてお店を出てくるお客さんたち。まだ食べていないのに、何となく幸せそうで柔らかい表情。
kuboぱんには、ベーグルと一緒に心もふっくら温める、そんなま魔法があるのかもしれない。

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