これ見る下書き0725『芸能の光と闇』莉奈ちゃん(5万字短編)メモ
「ぜひ僕の佐生賓を御覧になってうださい。それと、こういして本当に芸能の可能性ということについてしっかり考えさせていただいてよかったなと、思うんです。
■莉奈ちゃん登場
「えっ、うそ。え、本当?え、ほら幻覚?うん、この世は幻しでできてる。あぁなんて嬉しい幻!人間の遺伝子にとらわれてよかった!」
「またまた。どうも、俳優の00です。」
「ウェルガ莉奈です!よろしくお願いします!大ファンです!」
「来ました、来ました。Xさんファンなんですよね。」
「あっ。」
00がXのお膝に飛び乗った。
「かわいいですね」
「いいな、わたし猫になりたい。猫になりたいよ」
「ははは。」
「ほほぉ、これが、俳優の力ですな。目の当たりにしましたよ。」
「本当ですわね、今莉奈ちゃんの喜び値を計れたらいつもを10とすると100ですわね。フェルミ推定ですけれど。」
莉奈は、ちょこんとXのテーブルの真正面に座った。
「あ、あの親しくなるには横に座るのがいいそうだけど、わたしこんな光栄ないから真正面でいいですか?」
「ははは、もちろんです。てれますね、光栄です」
「あのサインください!」
「練って、あのお茶の宣伝のときの文字『錬』って書いてくれると、すごくうれしいです。」
「よく覚えていてくれましたね。」
「何事も練習だなって。苦手なことも乗り越えなくちゃいけないことも緊張するようなことも練習だって思えばできてしまうことがあるから。」
「わたし『君に届け』が大好きなんです。本当に好きで好きで。映画を見てから、コミックも買いましたwわたし、サワコちゃんに似てたので。
『000』ってセリフ大好きで。あんなに爽やかに地味女子に夢や希望をくれる映画って他になくて。」
「ありがとうございます。映画製作にかかわってくれた全員がいたからです。主演できてほんとうにいい経験でした。こうして、人に勇気を持ってもらえる作品に出会えて来たことにあらためて感謝です。」
「本当にずっとあんな小さな頃からこの世界にいらっしゃって、すごいなって。わたしの中ではレジェンドなんです」
■演劇論
「僕は演じることが本当に大好きでしたし、真剣に向き合っていました。」
「はい、わかります!そうじゃなきゃあんないい演技なんてで畿内と思います!」
「莉奈ちゃん、ありがとう。」
「きゃー。きゃー。とまらない!きゃーがとまらない。わたしね、こんなきゃぴきゃぴしていなかったのよ。このお店で人格が変わっちゃった。」
「莉奈ちゃんまでそんなw」
「ミルクコーヒーが変えたのですよ、といいたいところですが、こればっかりはXさんの魅力ですな。ははは」
「一時期、農業をしてみようって考えたことがあったんです。今思えば、してみてもよかったかなと思うこともあるんです。なんのためかというと、自分の内側と対話するためだったんじゃないかって今更ですけど思うんです。ここでみなさんと会話しているはずなのに、なんとなく自己の内部と対話している気持ちになるのが不思議です。」
「ははは、不思議でもあり真実かもしれませんな。他人と自分、そこには境があるわけですが、
ときとしてまるでひとつの点であったビックバーンの頃の記憶を取り戻すかのように他者との境が消えることが人間にはあるのじゃないかと思うのです。」
「なるほど。」
「マスター、ミルクコーヒーお願いしてもいいですか?」
「はい、ほいはーい、Xさんも新しいものお入れしましょう。」
Xは壁のあたりをじっと見つめていてからおもむろに返事をした。
「たくさんいただいたのでそろそろ最後にします」
笑顔が透き通っていた。
■
珈琲店はときにカチャカチャと音がする。珈琲の香りは空間を満たしている。
「珈琲って本当にいいい香りですね。」
「本当にそうよね。珈琲から苦みと渋みを抜いたような香り。汚れた血が脳内に毒物を運んでいたところ、瞬く間に
脳の中に新鮮な血を運んでくれて無毒化してくれているってかんじかしらね。」
「僕は演劇の方が好きでした。お客さんの熱気を感じられる、僕だちが舞台を、作り上げるんじゃないんです。お客さんと作り上げるんです。そして、作品を僕だけ ちはせいいっぱいえんじきるんですが、それは1つの作品ではなくて、お客さんの数だけある。1人のお客さんでも何個もの解釈を生むこともある。
ぼくたちが歌をうたい踊ったらどんな気持ちがんきあがったのか、どんなシーンになにを感じたか、それは本当に自由でどれも正解なんです。」
「なるほど、珈琲店と共通する所がありますな、我々も飲んで味わって下さる人がいて美味しい珈琲ができあがるんです。
演劇は観客、珈琲店はお客さん。
Xさんと僕たちは似たところがありますな。」
「えぇ、喜んでもらう。できればポジティブな感動を抱いてもらう、そこですか。」
「演劇って、虚じゃないですか?つまり、フィクション。マスターたちは、そんなことを言い始めたらすべてが虚で実なものはないし、人間の脳は想像と現実の区別がつかないそうですから、虚も実もなくなってしまうのですが。」
■神様って
「ま、そうですな。仮想現実がこの世の中、観察次第でことが決まる。(他の作品でもいっているんですがね、)われわれの観察でこの世の中が現れる。色もにおいも存在しない。まるでお経なわけですが、それが事実だとわかってきているんですよ。
それで、何がこの世をこの世たらしめているかというと、観察なわけです。人間の観察。そこで
「マスターは宗教っぽいですね。悪い意味じゃないんdネス。宗教っていうと、どうしても悪いイメージがあるかと思うんですが、神社に行ってなんtなく神様の存在があるようで、恭しくも敬虔な気持ちになるって、そんな僕たちの一側面といいますか。」
「ははは、そうですよ。宗教的なところはあると思いますよ。
わたしは、ゲーテが大好きでね、ゲーテおじさんなんですよ。
ゲーテはこういったんです。
芸術をする人間には宗教があるってね、宗教的なときに芸術活動をしたくなるってことなんでしょう。学問と芸術は宗教に支えられているともいっていましたかな。
一方で宗教の人は必ずしも芸術を必要としない。つまりベースに宗教があるわけです。仏像を彫る。尊い釈尊を思って一心不乱に掘る。掘る、掘る、そんなときに本人は尊さそのものとなって、人の苦を抜く慈悲の存在そのものとなっている。
魔と邪を払い入るスキをなくす聖なる感情を起こさせるような大聖堂を立てる、天地創造の偉大さをわき起こす天井がを描く、どれも宗教的な感慨に突き動かされたものですな。
わたしなんかはそんな偉大なものではありませんが、一杯の珈琲は芸術でありまた学問に裏付けられた技術とも考えているのでね、どこか宗教的であることはいなめませんな。おいしい、と感じてもらうのはあくまでもお客様なわけですが、珈琲の力を信じているのです。珈琲が己の深い部分が語るところに耳を傾け高いところから観察する智慧の目を刺激すると信じているわけです。」
■批判!?
「人間はどんな場面も己に託された役割を演じているものだとわたしは認識していますし、わたしもわたしで演技派なんて言われることがあるのですよ。」
「演技派と言ったらXさん!抜きんでた表現者!真摯なところ表現の隅々までいきわたってね、わたしたちに感動を呼ぶ!」
「えぇ、ほんと、これから観ていくわ。DVD出てるかしら今時はNetflixかしら。莉奈ちゃん、年齢を超えてお友達になれそうね」
「ありがとうございます。作品をみていただくことは本当に嬉しいです。芸能に携わる僕たちにとって作品を手にしてくださることは本当に嬉しいことです。感動していただけるだけじゃなくて、批判もあったりと色々あるかと思いますが、見てくださることが非常にありがたいです。」
「批判なんてある?ありえない、Xさんに!」
「そんなことないでうしょ、ありますよぉ。僕はなるだけファンのみなさんの声に耳を傾けていますけれど、厳しいコメントも目にとまることがあります。そうすると、もっとがんばらなきゃって思うんですけど。」
ここまで言ってからXはとても真剣な顔をした。
「ほんのわずかだってききますけど、ネットで心無い誹謗中傷を見ることがあります。そのことを苦に感じる人もいるので本当に心無い発言は悲しいです。気がめいっているときって、どうしてもネガティブなところばかり目が行ってしまうと思うんですね、それでここで言葉にするのもはばかるような事が投稿されているのは本当に悲しです。」
「それ、わたし分かる。あの・・・・」
莉奈は口をつぐんだ。
「莉奈さん、お辛かったらお話しなくていいの。ゆっくりでいいのですわ。」
莉奈は考え込んでから毅然と発言した。「あの、わたしね、以前ネSNSであることないこと言われて、瞬く間に学校中から白い目で見られるような日がはじまったことがあって・・・友達だって思っていた子が広めてたってしったときには裏切られた気がしてすごく傷ついたことがあるの。きっとマスターなら人間ってそういうところあるから、そんな発言には耳貸さなきゃいい、SNSもみなきゃいい、言う人は心がすさんでいるんだからね、いいって言うよね?ほら、えっと10人ぐらい前にきた人に言ってたし。本当にそうなんだろうな、って今ではおもうけど、当時はそれができなかった。」
「できないわよ、そんなの。人間だから辛いわよ。」
「えぇ、気にしないのは簡単なことではないかと思いますわ。ましてや多感な時期ですもの。ほら、成長ホルモンやら大人への入り口になる化学物質が体内では盛んに分泌されて不安定な時期ですわ。」
「そうですとも。」
「+
目をそらそうが、彼らの非難の声と中傷が頭の中に張り付いてたし体中を駆け巡ってたの。」
「莉奈ちゃんは本当に大好きなのですわね。感心しますわ。人を好きになるって素敵ですわね。うふふ」
「ほんとよねー、どちらかというとね、わたしかたぶつだったのかしらね。芸能会の人にキャーキャーってそれってルックスだけで中身は知らなくてドラマやら映画やらの役柄でその人のこと勝手につくりあげて惚れ込んで、なんだかねー、なんて思ってたわ。あぁなんだか言っててわたし、ひねくれてる。」
翔子は頭を抱えた。
「でね、わかるのよ。もっと無邪気なものなんじゃないかって。だって、きれいなものはきれい。かっこいいものはかっこいい。そうよね?」
「うふふ。顔バイアスで痛い目を見たっておっしゃっていましたわ。ですから、やはり人を見ためだけで判断するのは本当によくありませんわね。」
「失礼です。X様は両方素晴らしいのです!ルックスも中身も!」
「わかってるってwそれ、賛同www」
「はいほい、ほーーーい!珈琲。」
■クリエイティブな人の脳
「最近はこう、シェイクスピアの悲劇のようなものはやらないんですかな?」
「そんなことはないみたいです。」
時々魔はやってきて僕にささやく
ビルの隙間には風もふかないし
コンクリートは木の葉の音も入れやしない
ときどき車の音がして
ついでに僕に魔はささやく
『どうしてこうも虚なのだ
お前は演じるだけで
お前の奥には虚があるぞ
虚 虚 虚
おいらはお前のそれが好き
お前が虚だとため息つけば
薔薇の香りとよってやる
おいらはお前にとっついて
そして、暗いところにおいやるぞ
お前の心が光にあふれれば、おいらは隠れるしかないのだが、
はてもさてもこのご時勢、おいらをおっぱら光は足らんぞ。』
■麗しの人
麗しの人
人があんなにまっすぐであれると教えてくれた人
生と死は重なり合う
あなたが今どこにいおうとも
わたしたちはあなたを愛す
祈りは清らかな気持ちでわたしたちを包む
別の世にあってまで
わたしたちに清らかな気持ちを
くれるというのね
わたしたちは何ができたのだろう
これから何ができるのだろう
芸の人たち
光と蔭の世界に生きる人たち
わたしたちの世にだって光と蔭はあるけれど
そんな対比はありはしないわ。
『人は好かれたい』そんな欲求をもつ生き物。
人によって
『人はいつか死ぬんだよ
今のところ100年もいきればいいところ
人は死ぬんだよ
まだ手がちいさいうちに天行くこともあるだろう
人は生まれるんだよ
繋ぐんだよ
新しい命がね
僕の後に続くんだ
守れるかな
守りたいな』
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