‪THE HillAndon‬と行くミシシッピー旅行!

 先日、磔磔で行われた‪THE HillAndon‬のワンマンライブがとんでもなかったので、終演後いつものごとくツイートしようとしても簡潔にまとめられなかった。こういうときこそnoteの出番やね。まさかの全曲の感想を書きました。長いっす(笑)

タイトル:日帰りミシシッピー旅行
日時:2022年9月15日(木)
会場:磔磔
登場人物:‪THE HillAndon‬、サポートドラムβ(鶴田隼人)、Hill's

 ミシシッピ旅行と言われてもこのフライヤーからは全くイメージが掴めなかったので(笑)おそるおそる着席でスタートしたが、達郎のゴリゴリのスライドが炸裂した瞬間、ハイすんません、細胞が暴れ出しました。座ってられません!「Let My Baby Ride」ワンマンをカバー曲から始めるのはなかなかに勇気いると思うけど、THE HillAndonは常に期待を超えてゆく。
 2曲目「Magnolia」この時点であ、なんか今日は違うな…と思わせる雰囲気があった。ふるい曲を今の‪THE HillAndon‬で聴かせる。懐かしさと同時に新鮮さをも併せ持つ演奏。コージローくんの歌い方が1stアルバムのころとまったく違ってて、さらなるパワーバラード感にうっとり。めったに聴けない曲でもあるのでとても嬉しかった。
 ここから「Southbound」「次は何しよう」「It's So Fine」Hill's垂涎の踊れるやつ連打。いや〜楽しすぎましたわ。超盛り上がった。
 達郎のギターが超絶すぎる「Southbound」。テンション爆上がりします。どうやって弾いてんのか全然わからない。わからないが、ナマムギマナゴメナマタマゴとかあんな感じ?(どんな感じや)脅威の早口言葉ギター、痛快!
 「次は何しよう」は文句なしにテンション上がる。一緒に何かを企むブラザーフッドについて歌っていてTHE HillAndon‬らしさが詰まった曲。私の中では去年の空団地との九州ツアーのテーマソングとなっており、あの空気を想い出したり。
 「It's So Fine」コージローくんがめっちゃタメて歌うのは最近のアレンジかな?あれなんかドキドキすんだよな〜。タメた後のシャウトがまたキマっててカッコいい。演奏とバシッと合う快感。
 すごくよかったなあと思ったのは、「セシリア」のイントロのシュンちゃんのベース。ソロまではいかないけどちょい長めにメロディーを弾いてて、それがファンキーな前曲から空気を優しく変えることに成功してて、すっとあの美しいバラードの世界に入っていけた。
 それで思い出したけど、達郎もソロ弾いた後、次に音を出す人に目線を送る場面がよくある。それは達郎が常に音楽の流れを気にかけているからだと私は思っているんです。ギターソロって見せ場だし聴かせどころやけど、それも流れのうちの一部で、丁寧に次に橋渡ししようとしてるのが見える。だから、俺弾いたった、はいソロ終わり!みたいな感じじゃなくて余韻を残すんだと思う(音の話ね。顔はまあまあドヤ顔している笑)
 再びカバー曲「My Babe」。コージローくん、英語の曲歌わせたらこれほどそれっぽく聴こえる人珍しいのでは。リズム感とかノリとか、あとは月並みだが表現力なのかなあと思う。THE HillAndon‬ではカバー曲はわりとリズム主体系の曲を演ることが多いけど、モーテルショット(10/2 gorey cafeにて開催!)だと「She」みたいなメロウなやつも歌うので一回聴いてみてほしい。英語の曲って歌詞に気を取られて難しいと思うんだけど、コージローくんは家で鼻歌で歌ってるのんの延長みたいに自然と歌うからすげーなあ!
 そして、出ました新曲!待ってました!「絵の具の沼」。これがめっちゃファンキーでファニーで楽しかった!タイトルから喚起されるイメージも子どものたわいない遊びのようで、でも沼=スワンプだから音楽好きがビビッとくる仕掛けにもなってて、こういうところにコージローくんの言葉のセンスが出ているなあと思った。ピンチヒッターとして急遽出演となったのに新曲までも仕上げてくるハヤトくんの凄さも改めて感じた。
 からの「ラグタイム」。これ、3年前の磔磔ワンマン以来聴いたことなかったような…フロアにどわっと歓声が上がったんも肯ける。今さらながらめちゃくちゃ弾けたロックンロール!楽器も歌も歌詞もメロディーも全部が歓んでるみたいな曲。なんでやねん!もっとライブで演ってほしい。
 一転して今度はあやしげなベースラインを響かせるシュンちゃん。そう「Summer River」が来た…いや、そうじゃない。逆だ。我々が夏の川に来たのだ。淀川吉野川鴨川武庫川など皆それぞれに心のふるさとの川があると思うが、一昨日は強引にミシシッピ川に連れて行かれた。普段より長めのジャム…このときの達郎のギターがなんて言えばいいのか、アンタッチャブル?不可侵領域な感じだった…まだ曲の本題のところに入ってないのにもうこれだけで今日は来た価値あったな、と思ったよ。圧巻でした。
 ここからラストスパートは「Poor Black Mattie」「Goin' Down South」「ミシシッピと君」これ以上ないくらい完璧なミシシッピセットリストである。
 この日の「Poor…」はいい意味でかなり粗っぽかった。ハヤトくんの叩き倒すドラム。乗っかるシュンちゃんも達郎も自ずと凶暴に。コージローくんも声の限りにシャウトしてた。最後のドラムソロまで息つけない感じだった。ちっとも休ませてくれない!
 間髪入れずに始まった「Goin' Down South」最近何度か聴いてるが、いちばんよかったなあ。これまた達郎のギターがえらいことに(笑)現世のミシシッピでもたいがいやのにあの世のミシシッピまで行ってもうてる感じだった。急に「Summer River」のフレーズぶっ込んできたり、めちゃくちゃおもしろかった。
 本編ラストを飾ったのは「ミシシッピと君」。しっとりとゆるく。この日の‪THE HillAndon‬はこういう動から静、静から動、のコントラストも素晴らしいセットリストとなっていて、だれるところなくほんまに文字通り体感一瞬で終わった。そして、私はこの曲をぼへーっと聴きながら、なんか涙がじわっと滲んできて困った。この一曲に特別に感動したというのではなくて、なんやろ、‪THE HillAndon‬の音楽と知り合えてよかったなあ、幸せだなあ、っていう感情が溢れてきた。あの場にいたHill'sのみんなならこの気持ちわかってくれるだろう。
 盛大なアンコールを受けてまずは「Way Down South Drive」僕らの南部への旅はここから、みたいなことをコージローくんが言っていた。‪壮大な旅を始めてしまったよね…そしてまだまだ終わりそうにない。
 ダブルアンコール。達郎ひとり降りてくる。まあ最初からペダルスティールが置いてあったから、使わずに終わったら暴れんど〜!って気持ちだったけど。カバー曲?懐かしい感じのメロディーを楽しそうに弾く達郎。その間にメンバーが次々とステージに揃い、これもわりと久々?「Rollin' & Tumblin'」。総毛立つような演奏だったな〜。正直このころには呑みすぎてただただ楽しかったことしか憶えてない(笑)
 この曲のときか忘れたけど、めずらしくコージローくんが「ミシシッピー!」「ミシシッピー!」という謎のコール&レスポンスを試みるなど、本人たちもめっちゃ楽しかったに違いない。
 そして、本来はここで終わりだったと思うのだが、Hill'sたち全員ミシシッピから帰りたがらずゴネまくりのトリプルアンコール。西海岸の香り漂う曲だけに南部なセットリストから外されていたのかと思うのだけど、やっぱコレだよ!な「ラブやで」で締めくくった。コージローくん「ラブやでベイベ〜」のとこ「メンフィスベイベ〜」とか南部の地名を次々当てはめて歌ってた。デッドヘッズのお兄さんたちが狂ったように踊っていたのも私は見逃さなかったぞ。
 ここでちょうど21時、音どめ。
 平日でもありすぐに帰る人もいれば、呑む人食べる人、まだまだ熱気の去らない中、みな口々に今日のライブがどれだけ凄かったか語っていた。
 予定されていたサポートドラマーαことおっくんが出られなくなっちゃったのは残念やったけど、ハヤトくんの補って余りあるサポートっぷりはほんとうに素晴らしかった。フライヤーのおっくんのマネしてTシャツ脱ぎかけてましたからね(笑)
 逆境に全然めげない‪THE HillAndon‬のメンバーもほんま好きやわ。
 ミシシッピといえば、私にとってはラスカルやトム・ソーヤーの物語に登場する名前であり、古き良き時代のアメリカを象徴するような土地であり、ワクワクする感覚が色濃くある。この夜、THE HillAndon‬が伝えてくれた豊饒たる音楽はまさにそんな感じ。
 いい旅でした。ありがとう。




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