Sitting By the Riverside VOL.2

もともとはシリーズ化するつもりのなかった友だちとの共同企画、第1回目に出演してくれた達郎(楠木達郎くん、‪THE HillAndon‬のギター)が「これVOL. 1ですよね」と言ってくれたので調子こいて2回目。
やるなら同じ‪THE HillAndon‬からボーカルのコージローくん、そして理想を言えば対バンは騒音寺なべさんやな〜とこれまた漠然と考えていた。
コージローくんの声のパワー、歌の説得力などなかなか比肩する人はおらんので、自分の好きなボーカリストの中で弾き語りもできて…となるとキャリアやら何やらすっ飛ばしてなべさんとなった。

昨年の夏ごろ、‪THE HillAndon‬の磔磔公演に拾得のヒロミさんが遊びに来ていて、また弾き語りの企画やりたいと思ってます…てな相談を持ちかけたら、すぐにスケジュールをチェックしてくれて「今年と同じ日程が空いてますよ」その場で仮押さえをしていただいた。
終演後のビールを楽しんでいるコージローくんに声をかける。
「来年拾得が押さえられたからどうですか?共演はなべさんを考えてるんだけど…」
「俺はなべさんがええんや〜」
「あのでもなべさん忙しいし、もしなべさんあかんかったら他に誰がいいとかありますか?」
「俺はなべさんがええんや〜」
…だめだこりゃ(笑)
慌ててなべさんに連絡したら二つ返事でオッケーいただき、夢のツーマン企画が始まった。う~いえ~!

単独企画も始めたが私にとってはどちらも大切な企画。今回、初めてフライヤーも作ってみた。これがなかなかに大変だった…アートセンスがないのが悔やまれたけど、今後も企画をやりたいので少しずつ勉強中である。

そして迎えた当日、あまりお天気がよくない中だったがお客さんの入りは上々。定刻開演となった。

先攻・三木康次郎。ど直球、ストレートに歌で勝負の50分だった。THE HillAndon‬の曲が中心だがソロだと歌い方も変わるので新鮮。カントリーのカバーも板についている。
コージローくんの声は何というか丸みを帯びている。シャウトも無理やり絞り出すような尖りがない。疲れないからずっと聴いていたいと思う。
私がコージローくんのソロに行き出したころ「学」やってほしいと言うと「あれな〜ギターがむずいんや…達郎じゃないと弾けへん」などと言い訳していたが、最近はきっちりレパートリーに入っている。ギターは達郎とはガラリと違う趣きのアレンジが施され、シンプルに曲のよさが伝わってくる感じもある。
圧巻は「ミシシッピと君」。古いアメリカの歌手ジミー・ロジャーズの曲にコージローくんがそれはそれは美しい日本語を載せている。‪誰それのいつのどこぞのライブ、という言い廻しで伝説的名演を表すことがあるが、これ一曲がまさにそんな感じ、2024年1月20日拾得のあの…で思い出せる超名演でした。

続きましてなべさん。なべさんてわりとソロに抵抗があるイメージなので、お誘いしたときに「あのー、タムちゃん呼ぶとかあれば言うてください。コージローくんとのバランスがあるので…」と伝えていたら「いや、俺ひとりでやる」と強めの返し。おお!勝負してくるな!と嬉しい予感がしていた。
なべさんももちろん歌が声がすんばらすいいんだが、むしろエンターテイナーとしての面が色濃く出ているのが弾き語りの特徴。だいたいトークがおもろい。コージローくんについて馴れ初めなど語るうちに「ぐにゃぐにゃ人間」の呼び名が確定していた。コージローくんを知ってる者からすると何となくナットク(笑)
どちらかと言うと騒音寺の曲というよりはなべさんセレクトの個性的カバーやソロ専用「ラブソングは歌わない」など普段のなべさんと全く違う面が見られ、何といってもギターを弾くなべさん!これがめちゃくちゃうまいので知らない人は驚いていた。
私はホン・ヨンウンのカバー「俺の町」がよかったなあ…この人のことはなべさんに教えてもらったのだ。とてもいい歌を書く。なべさんは音楽に関しては博覧強記。なべさんや騒音寺を通して知ったことってたくさんある。

コージローくんにもなべさんにもたっぷり歌ってもらったその後にセッションというさらなるお楽しみ。
ふたりには予定時間を告げたのみ、リクエストすらせず完全にお任せだったが、なかなかにおもしろい曲を用意してきてくれていた。
‪THE HillAndon‬の曲「怯えて眠る」になべさんがハープで色をつけたやつめちゃくちゃよかったなあ。あと「Pom Pom蒸気」、これは主催者特権でバラすと、リハーサルは相当苦労していたのだ。それが本番ではあのとおりバシッとキメてきた。さすがやなあと思いましたね。
ラストは尾崎紀世彦「 また逢う日まで」なんとこれ、コージローくんによる選曲。みんなが知っててハッピーになれる曲を、ということだったらしいけど、この奇跡の夜に大正解だったのではないだろうか。

このシリーズはライブ友だちとの共同企画で年を一回拾得縛りでゆる〜くやっていこうと思うので、来年また逢う日までしばしのお別れですが、第3回も皆さんよろしくお願いします!







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