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狩りのレヴュー 台詞字起こし

必要だと思ったから。世界のために。


ケリを着けるって、何を? 誰と……?

(今の私じゃ経験も練習してきた時間も足りない。舞台に立つための覚悟だって、全然……。でも、今は、よ。)

今は今はと言い訳重ね
生き恥晒した醜い果実
星の遠きに望みを絶たれ
君死にたまうことなかれ
99期生 大場なな
熟れて落ち行く運命なら
今君に美しい最期を

逃げても無駄。もう君に、星を掴むことはできない。

己の星は見えずとも、私は私の道を進むだけよ。
私の邪魔をするのなら、あなたを捕らえるわ。
この、狩りのレヴューで!

がお


「目的を見失わず、努力を続ける限り、最後は必ず報われる」
ゲーテ
「空を飛びたいなら、立って走り、踊ることを学ばなければならない」
ニーチェ

言葉が背中を押してくれる。

「自分の道を進む者は誰もが英雄である」
ヘルマン=ヘッセ

言葉が、私のチカラだ!


響かない。感じない。届かない。
そんな言葉じゃ、あの舞台には届かない。
君は、美しかった。
愚かで、熱く、美しかった。
主役になれないと分かっていても、愚かしく、がむしゃらに、主役に手を伸ばす姿が、眩しかった。
眩しかった。
純奈ちゃんが!

君は、眩しかったよ。星見純奈。

眩し……かった?
どうして、過去形なのよ……。

あーあ、泣いちゃった。

「人生とは、自分を見つけることではなく、自分を作ることだ」
「私は聡明である。自分が無知であることを知っているから」
「一番の誇りとは、失敗を経験しないことではなく、挫折の度に……」
「挫折の……度に……
駄目。他人の言葉じゃ駄目。

人には運命の星あれど
届かぬ足りぬはもう飽きた
足掻いて、藻掻いて、主役を喰らう
99代生徒会長 星見純那
殺してみせろよ、大場なな

私の刀、返してよ。
無駄だって……。届かない星の眩しさで、もう、何も見えないくせに!
目の前すら見えなくなった君に、もう星を掴むことなんて、できない。

もうやめてよ。もう幕を下ろして。
立ち上がらないで。
殺してみせろなんて、大袈裟な台詞、叫んだって何も変わらない。
私の純那ちゃんは、そんな役じゃない!
……私の純那ちゃんじゃ……ない?
お前は何者だ。お前は何者だ。
星見純那!

其方に与えられた役なんか、要らない。
私の道は、私が切り開く。
貴方が用意した舞台なんて、全部、全部切り捨てる。
目が眩んでるのは貴方の方よ。
立って、この舞台の私は、今。
この舞台の私が……!
眩しい主役、星見純那だ!


あれがきっと、次の舞台。
遠くても諦めず、手を伸ばす、星見純那が主役の舞台。

終わったのかもしれない。私の再演が、今。
私も、私だけの次の舞台に。

でも、いつか……。
いつかまた、新しい舞台で、一緒に。

またね、星見純那。

またね、大場なな。

燃える宝石のようなきらめき。
やっと、届いた。
ありがとう、純那ちゃん。

やっぱり、眩しい。

泣いちゃった……。

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