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羅小黒戦記5回目視聴時にエミネムになった話


!!!!!注意!!!!!
・このnoteには大ヒット最高映画、「羅小黒戦記〜ぼくが選ぶ未来〜の盛大なネタバレが含まれます。

映画未視聴の方は視聴後にお読みください。お願いなので見てください。最高なので。

・このnoteは映画中に隣の客に対してキレ散らかしている心狭陰キャオタクの心の声を実況しただけのnoteです。映画本編の内容には一部ガッツリ触れていますが、考察や感想などは含まれていないのでそれを期待して来てくださった方は読まない方が良いと思われます。

世の中にはどんなに面白い映画を見ていても、外界からの雑音などを必要以上に敏感に感じ取ってしまうので、ほんの些細なことでも映画に全く集中できなくなってしまう行き辛い人種もいるという事を頭に置いた上で、広い心で読んでいただけると幸いです。




それでは。




ロシャオヘイセンキ5回目でエミネムになった話


夜勤明けの体を引きずり映画館に行き、朝一の回で後輩とロシャオヘイセンキ5回目を見てきた。5回目にして初めて話の内容が全く頭に入らなかったので記録していく
 
 私の職場には、アニメ好きで、私と作品に対する感性がわりと合う、さっぱりした性格の最高の後輩がいる。今日はその後輩にしつこく羅小黒戦記をすすめ、やっと一緒に観に行く約束を取り付ける事ができた待ちに待った日だった。

 その日はわたしが夜勤明けで後輩が休みだったので、残業で退勤が遅れたりして万が一遅刻した時のことを考え、私だけ先に端の方の席を取っておいた。そのため、席は2人それぞれバラバラだった。しかし、そのちょっとした気遣いがまさかあんな事態を招くとは思っていなかった。大人しく後輩の隣で見てれば良かった。


 わたしは通路側の端っこの席を取り、隣にはカップルが座った。私、女、男の順番だ。
座った瞬間に女が男の方に重心を寄せてくっつき始めたのはちょっと目についたが(クソ陰キャ)、それ以降は特に隣の客の事は特に気にする事なく普通に楽しんでいた。

しかし、中盤から真面目なシーンや静かなシーンが増えてきて、ふと隣の客が異様に目につくようになってきた。

そう、こいつら、

全編を通して全てのシーンでポップコーンを食っている

のだ。



個人の意見だが、映画中に食すポップコーンは周囲の人間の雑音になることを最低限弁えるべきだと考えているので、わたしは自分が食す時はできるだけ戦闘シーンやBGMが大きな時に食べ、真面目なシーンや静かなシーンでは雑音となるのでできるだけ控えるようにしている。


しかし、こいつらは一味違う。最初に気になりはじめたのは、はシャオヘイがフーシーと再開する場面だ。
フーシー一味に救出(?)された後、フーシーがしようとしている事に薄々感じ始めたシャオヘイが話をしに行く重要なシーン。
フーシーが街を見下ろしながら故郷への想いを吐露している時・・・


シャクッ ガサガサ シャクシャク モグモグ ガサガサ シャクシャク




お前・・・・・・・お前・・・・・・


どの場面でポップコーン食っとんねん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


真面目に話聞けや!!!!!まだフーシーが話してんでしょうが!!!!!!!!(モンペ)

しかも紙袋入りのやつやないかい!!!!ガサガサガサガサいわすな!!!!!!!!

正直今すぐ横からポップコーンの袋をかっさらって握りつぶしてぶん投げたい衝動に駆られたが(野蛮)、他のお客さんもいるのでそこはグッと堪える。



その後のシャオヘイがアレをアレされるシーン



シャオヘイ「うわああああ!!」

私「(シャオヘイ・・・!)」


男「 ガサガサ シャクッシャクッシャクッ ガサガサガサガサ」



おバカちんが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


何食っとんねんたわけ!!!!!!!!画面見んかい!!!!!!どのタイミングでポップコーン食っとんねん!!!!!!!!人間の心ないんか!!!!!!!(クソモンペ)


しかもこの2人、男がポップコーンを所持しており、咀嚼音の主旋律を奏でている所に、女が隣からちょいちょいガサガサ手を出して横からポップコーンを食い合いの手を入れるスタイルで最悪のミュージックを奏でてくるため、ちょいちょい女が手を伸ばす様子が視界に入ってくるのだ。白ニットが。女の白ニットが。しかもこいつ右側に男がいるのにわざわざ左手を伸ばして男の方に重心を寄せて近づきながら取るので、余計伸ばした腕が目に入ってくる。


しゃらくせえわ!!!!!!!!!!!!!!!!!




右側に男おるんやから右手で取れ!!!!!!!!なにをわざわざ左手で取っとんねん!!!!!白い服だから視界に入りまくるんじゃ!!!!!!こちとらブチ切れ無限を堪能したいのにお前の白ニットに意識の80%持っていかれとんねん!!!!イチャつきチャンスを逃さない貪欲なスタイルはいいと思うけども!!!!!!!


正直夜勤明けで寝不足だった事もあり、この時点で私はかなりキていた。
その後も真面目なシーンが続くが音は鳴り止む事はなく、私の深淵なる怒りは心の中に降り積もっていく。

そして、ついにその時がやって来る。


フーシーが領界を展開する場面。それまで喧騒に包まれていた街が領界に入ったとたん静寂に包まれる。その対比が美しく、思わず見ていて緊張感で息が詰まりそうになる場面だ。
ここでは物音一つ無くなり、息をするのすら躊躇われるような静寂の帳が降りる。

さすがにここでは食わんやろ、ここまで明らかに静寂が大切だと分かる場面でさすがに食わんやろ、ちゃんと映画見てたらこの話の流れでは流石に食えんはずや

そう、思っていた。




ピーポーピーポーガヤガヤ

フッ・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・・・

モシャモシャガサガサ シャクッシャクッモシャモシャ


正気か??????????????



お前、マジなのか??????
パッと見た感じ、私より年上とお見受けするが、もしかして映画館来るの初めてか?????


人生で初めて映画館で見る映画がロシャオヘイセンキなのか????それは本当に光栄な事ですね、誇ってください(突然の審査員)


映画が始まる前にTOHOシネマズ様がわざわざ流してくださった劇場マナーの動画ちゃんと見た?????
「NO.Noise!! 上映中の飲食はお静かに」って口のオバケみたいなキャラがわざわざムービーつきで丁寧に説明してくれてたよな????ちゃんと見た????中国語と英語の字幕まで付けてどの言語圏の人も理解できるようにしてくれたけどちゃんと見たんか???見た感じ日本人にしか見えなかったけど、もしかしてそのどれにも該当しない言語圏の方だったのか???


ここで私の精神は限界を迎える。どうすればいい。こいつらと同じ金払って見にきてるのにこいつらのせいで私だけ満足度を下げまくって帰るのに耐えられない。正直今すぐに席をかわりたい。

考えに考えた末、わたしが取った行動。

エミネムになるしかない。




何言ってるのか全然分からないと思うが、説明しよう。
私はその日、たまたまアメリカンホリックで買った少しオーバーサイズのグレーのパーカーを着ていた。

ここまで言えばお分かりだろう。

被ったのだ。フードを。


エミネムを画像検索すると出てくるフードを目深に被ったお決まりのスタイル、アレになった。

その時私は世界を呪っていたので、心なしか表情もちょっとエミネムっぽかった。

大画面と大迫力の音響が魅力の映画館でまさか世界的ラッパーになり、自ら音をセーブするような真似をするとは思わなかったが、苦肉の策だった。

しかし、これが思わぬ功を制す。エミネムになった事により、視界が制限され、女の白ニットが視界に入らなくなったのだ。

これにより映画への集中度は劇的に上がった。さらにフードの集音効果と横からの音の遮断効果により、わずかに咀嚼音も聞こえづらくなった。いやごめんそれは普通に聞こえる。めっちゃうるさい。でも白ニットが視界から外れた事によりストレスはだいぶ軽減された。

そこからアレがアレしたりしてめちゃくちゃ真面目なシーンが続くが、それでも咀嚼音は鳴り止む事なく続いた。

正直、隣に座ってた奴が突然エミネムになったら流石に何かしら気づけよとは思ったが、わたしの願いは虚しかったようだ。もはやここまで来ると尊敬すら覚えてきた。

私は隣とその隣に殺意を抱きつつも、もう半分諦めていた。正直この5回目の視聴で映画館通いにひと段落つける気でいたが、もう6回目見に行く事を心の中で固く誓ったのでいいや、この回は運がなかったと諦めよう、そう思っていた。


でも、あのシーンだけは、あのシーンだけは絶対食わないで欲しい。あそこのシーンだけは真面目に見てほしい。そう願いながら鑑賞を続け、ついにその時がやってきた。

ラストシーン。シャオヘイたちがいよいよ館に向かう場面だ。



わたしはここからラストへかけての場面があまりにも好きすぎるのだ。この場面を見たいがために映画館に通っているようなものなのだ。頼むからこの場面だけはどうしても集中して見せて欲しいのだ。

いや、でもさすがにもうポップコーンも無くなったやろ。流石に2時間休みなく食い続ければ底の方に溜まった固ってえトウモロコシの塊まで食い尽くせるはず。ジュースもめちゃくちゃ飲んでたし、流石にもう口にするものないやろ。

そう思いながら、私はエミネムスタイルを解除、フードを下ろした。

横をチラ見すると、白ニット女は集中モードに入ったようで、体の重心を男の方から中心に戻し、食い入るように画面を見つめている。

良かった。流石にそうだよな。流石にそうなるよな。

少しの安堵を覚えつつ私も画面に集中しようと向き直った所で、隣の隣の主旋律担当男から信じられない音が聞こえてくる。


カラカラカラカラ、コロロロ・・・・
ゴリッボリッボリッゴリッゴリッ



こ、こいつ・・・・・・・こいつ・・・・・・・・・


氷を・・・・・喰ってる・・・・・・!?!?!?(葛城ミサト)



私はその音が聞こえてきた瞬間、度肝を抜かれすぎて一瞬思考が停止した。え???待って???こいつ、ジュースもポップコーンも無くなったから氷食い始めたの?????マジ?????

やっとポップコーンの咀嚼音が止んだと思ったらまさかのポップコーンよりでかい音が鳴り響き始めた。カップの中で氷を転がし、口腔内で粉砕する音。"""強者"""か???

この身が劇場から外に出るまで、口にできるものは全て胃に納めてやる、塵一つ残さんという男の確固たる信念を感じる。その意志の強さ風林火山。映画館来んな。

私は隣の女がラストシーンで感極まり、そしてその隣で男が武田信玄になっているのを横目で見ながら菩薩になっていた。この広い宇宙では瑣末な事なんだと自分に言い聞かせ、悟りの境地に行こうとしていた。

そこから菩薩のままラストシーンが終わり、エンドロールが始まる。いっそエンドロール始まった瞬間席立つタイプの客であってくれと思ったが、なぜかエンドロールは最後までしっかり見るタイプだったようで、結局私はUnityが流れ終わり映画館の電気が付くまで氷を噛み砕く音とお付き合いする事になった。そこだけマナーいいのなんなんだよ

猛り狂った心を抱え足早に映画館を後にしようとした時、遠くの席で見ていた後輩と目があった。

後輩は、満面の笑みで目をキラキラさせていた。


正直その表情を見た瞬間今までのストレスは全て無に帰し、私も満面の笑みになった。

そして通路で合流してからの第一声、「いや、めっちゃ面白かったね!!」これを聞いた瞬間、私の精神は完全に救済され、多幸感に包まれた。

オタクはオススメ映画を見てもらった後、一言「面白かった」と言ってもらえると脳内で幸福物質ドバドバ出まくって何もかもを忘れられるものだなと思った。


その後喫茶店入って後輩の感想聞かせてもらってるうちに劇中のストレスが浄化され、心が凪いでいくのを感じた。

チョロオタク万歳!!ピースピース!!イェーイ!!!



PS.後輩が「パンフレット見たすぎる〜〜!!転売しかない・・・!!でも転売にだけは手を出したくない〜〜!!もっと早く見にくれば良かった!」と心底悔しがっていました。神様仏様アニプレックス様、お願いなので映画パンフ再販してください。靴舐めます

おわり


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